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異世界に転職しました  作者: Aries
第4章
61/202

クラウンワイナリー

 




 エドモンド商会の会長と、その息子はワインを大量に買ってくれると言てやってきた


 息子の方は高圧的な感じだったが、会長はとても感じのいい商人だなという印象だったそうだ


 クラウンワインをとても気に入ってくれて、1樽50万ベリルで5樽購入してくれるという


 喜んでサインした


 ところが実際に払われた金額は250万ベリルではなく50万ベリルだった


 5樽で50万ベリル


 何かの間違いだと何度も言ってみたが、契約書にはたしかに『5樽で50万ベリル』と書いてあり、どうしようもなかった


 何故あの時契約書をちゃんと確認しなかったのか、もっとよく見直して入ればこんな事にはならなかった


 然も、長年使っていた大事な樽ごと持っていかれた


 悔やんでも悔やみきれない


 エドモンド商会はそれだけではなく、クラウンワイナリーは質の悪いワインの為、値段が安い、1樽10万ベリルで買える、という噂を流しだした


 そして子爵の後ろ盾をちらつかせ仲買人達に圧力をかけだしたのだ


 噂や圧力に屈して仲買人達も買ってくれなくなった


 そこでまたエドモンド商会がやってきて、1樽15万ベリルで買ってやる、と言ってきた


 当然、突っぱねた


 それでもなんとか冬を越したが、昨年に続き今年も不作で、ギルドに卸す分もあまり良い値がつかなかった


 豊作の時にできた熟成されたワインも買い手がつかない状態


 ギルドに卸した分のお金で従業員の給与や生活費を払っているので、来年のワイン造りにかかる資金は全然足りず、せめて定価で後5樽は売れないと今年の冬は越せない


 土地を売るのも、お金を借りるのも商会とそのバックにいる子爵の圧力があり難しく、八方塞がり


 なるほどね〜


 ソフィアさんは騙された件は知らなかったみたいですごく憤慨してる


 まぁ、よくあるっていうかよく聞く話?


 何処にでも社会のゴミはあるもんだ


 情に訴えられて、というわけじゃないけど、理不尽なのは嫌い


「ラッセルさん、貴方とは初対面ですので、その話が信用するに値するか、私には判断つきかねます。個人的な感想を言えば、経営者として迂闊過ぎるなと思います。」


「はい…確かに。」


 がっかりうなだれるラッセルさんをソフィアさんは優しく慰めていた


 しょうがない


「赤と白と2樽ずつ。勿論、このワイナリーで1番良い出来のもの。で、どうですか?」


 ニヤリ


 ソフィアさんのためにも一肌脱ぎましょう




 ***





 ワイン1樽はボトルにして約300本分


 酒屋では1樽丸ごとの取引は少ない


 2分の1(ハーフ)4分の1(クオータ)の樽に移し替えて販売するのだ


 1番小さい樽でも15分の1なのでボトル20本分はある


 流通はクオータが多いみたい


 こちらではガラスが貴重で高価なので、とても良い出来のワインや貴族に贈呈するものなどしか入れない


 酒屋に置いてあるボトルはリサイクルなどもあるそうだ


 後は陶器のボトルに入ってあるもの


 陶器のボトルはワイナリーごとにデザインが違って中々かわいい


 私は白と、赤と合計16樽購入することにした


 勿論クオータサイズですよ


 この前買ったのもクオータサイズだったし


 じゃあ大きいサイズ買ったらって?


 大きな樽は作るのにもコストがかかるし嵩張るから、飲んですぐ返せるサイズが良いんですよ


 樽はリサイクルしてるみたいだし


 醸造用なら味に多少は妥協して良いよね


 これ1樽蒸留すると1.5ℓくらいになるかな?


 最初の蒸留で1割に、そして再度蒸留してその3割になるらしいので


 ラッセルさんのワイナリーでは、、毎年約25〜28樽分のワインができる


 価格調整と作り手の保護、味の統一化のため一定の量、酒造ギルドに卸す決まりになっていて、そのおかげで急激な価格変動を抑えている


 酒造ギルドは卸された酒を評価してランク付けを行うので、仲買人達はそのランクを元に買い付けを行う


 酒造ギルドに卸す量は、作付面積によって定められており、ラッセルさんの所は5樽分がノルマ


 ギルドの買取価格は18万ベリル〜22万ベリル


 ランクを付けて、代金が決められる


 ギルドは集めたものを混ぜて直売するので比較的安価で販売されている


 後は、酒税として3樽分の代金を領地に納める


 これはギルドが決めたランクに応じての代金となる


 例えば、ギルドの買取価格が1樽18万ベリルだったら、その3樽分の54万ベリルが税として納めなければならない額となる


 残りの樽は自由に販売して良い分


 今回できた26樽のうちギルドに5樽熟成用に8樽で残りは13樽


 懇意にしてくれているところが何件か買ってくれたけど、それでも大型ではない為、クオータとハーフが数個売れた程度


 クラウンワイナリーのワインのお値段は、クオータで10万ベリル前後


 ギルドの混合ワインは7万ベリルなので、酒場や冒険者達はなど、味にこだわりのない者は安さでこちらを選ぶ


 仲買人達はオーナーから仕入れて、酒屋に卸す


 酒屋は酒を店頭に並べて販売しているため、置いている種類も値段も様々


 従業員はラッセルさんの家族含めて7人


 17歳の娘さんと14歳の息子さん


 先代から勤めているご夫婦と、その長男夫婦、次男


 長男の奥さんは身籠もっていて簡単な作業のみお手伝いしてる


 ラッセルさんの奥さんは他界されているそうだ


 娘のレナさんがそっくりなんだって


 レナさんは顔はお母さん似で髪と目の色はラッセルさん似で濃い茶色と緑眼、ナイスバディの美人さん


 息子のロイ君も茶髪の緑眼で、中々凛々しい顔立ちのイケメンさんでした


 将来が楽しみです


 さてさて、紹介が終わったところで熟成中のワインを見せてもらう事にした


 地下の貯蔵庫には先代、先先代からのワインがたくさん眠っていた


 これをいくらか捌ければ資金に余裕ができるそうだ


 こんな事ならルシフェルも連れてくればよかったな


 私だけじゃよくわからないし


 地上より少し涼しい貯蔵庫を歩きながらみて回ってると、奥に何樽か別に置いてある一角があった


 あれ?


 こ、これはっ!?







ワイン詳しくないのにワインの話を書くという愚行をもうすでに後悔しつつあります。すみません。どうぞ温かく見守って頂けたらと思います。

ブクマ、評価ありがとうございます!

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