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異世界に転職しました  作者: Aries
第3章
44/202

朝比奈結衣の行動

おまたせしてすみません!

推敲していたら遅くなってしまいました。

 




 朝比奈は携帯をいじってただけだった


 自分のスキルについてはわからないことが多い


 携帯の充電は何故か減ってない


 寧ろたまに増えてる


 どうして増えるのか、いつ増えたのか自分なりに考えて、たどり着いた結果は魔力操作だった


 魔力操作の練習後、ちょっと増えていたのだ


 それがわかった時は飛び上がるほど嬉しかった


 最初のうちはこっそり写真を撮ったり、動画を撮ったりしてたけどそれもやめた


 メモリに入ってる写真を眺めるとホームシックになってしまう


 ふと見ると、ホーム画面に見たことないアイコンがあった


 興味本意で開いて出てきた文字が


『式神を召喚しますか?』


『YES/NO』


「式神ってなに?」


 って感じだったが知りたい欲求を抑えられずYESを選択した


『魔力/媒体』


「媒体ってなに?」


 媒体の意味がわからず魔力を選択


『極小/小/中』


「とりま極小っしょ」


『天道虫/蝶/蜘蛛』


「てんどうむし?わっかんねー。とりま全部虫?」


『天道虫式神召喚』


『YES/NO』


 YESを押すと目の前に五芒星が現れそこから天道虫が出てきた


「おお〜テントウムシじゃん!なる!天道虫ね!あっ背中に星ある。カワたん!写メろっ!ん?」


 携帯はもう画像が映ってた


 動画だけど画角がおかしい


 携帯はベッドの上


 自分もベッドの上


 だけど携帯を覗き込む自分が横から映ってる


 携帯を動かしても画像は動かない


 だけど指先の天道虫を動かすと画像が動く


「これもしかしてテントウムシが見たやつ?すごっ!小型ドローンじゃん!飛ばしてみるべ!」


 その後他の蝶、蜘蛛も召喚してみた


「チョウチョとクモじゃん。虫苦手だけど意外と可愛いかも〜。」


 他のも出して見たかったけど諦めたのは、充電がだいぶ減ってるから


 魔力操作はまだ苦手なのだ


「地道にに練習するのしかないかぁ〜。」


 本来なら真面目にコツコツと努力できる子なのである


「とりまこれで遊ぶっしょ!」


 フラストレーションが溜まっていた


 外に出たくても出させてもらえない


 本当は街に行ってみたい


 外を見てみたい!


 天道虫はお城の庭を


 蝶はお城の外を


 蜘蛛はお城の中を


 それぞれ飛ばしてみる


「すごっ!マジでお城じゃん!」


 画面は3つの映像に分かれていたがタップすると1画面に切り替わった


 式神の映す異世界の映像は朝比奈を夢中にした


 見たことないものがいっぱいだった


 でも、街の様子は違った


 活気はなく行き交う人も痩せていて疲れた顔をしている


 蝶はそんな様子を映して消えていった


 しょんぼりして気持ちが下がってしまった


 天道虫はまだ庭をクルクル回ってるのでどうやら遠くに行きすぎると消えてしまうようだ


 蜘蛛は…


(何これ?ヤバくない?)


 蜘蛛が見たのは水瀬がアレクサンダーの執務室の奥に連れて行かれる所だった


「なんでチャラ王子にホイホイついて行ってんのー?」


「かのーパイセンにチクリに行くかぁ?クモッチじゃチャラ王子を、止められないし〜。」


『式神をカスタマイズしますか?』


『YES/NO』


「ん?なにこれ?とりまYES?」


『粘糸/操糸/痺れ針/毒針/眠り針』


「へー!すごっ!んじゃ眠り針!YES!!」


『カスタムポイントを1P使用して《クモッチ》に眠り針を組込ます』


『YES/NO』


「YES!!クモッチやっちゃえ〜」


 蜘蛛型の式神クモッチはスルスルと天井を進み、ぶら下がってアレクサンダーの元へ


 ぷすりと首元を刺した


「あ!」


 アレクサンダーはドサりと倒れこみ水瀬の胸元で寝てる


「…まぁしゃーない。クモッチグッジョブ!」


 細かいことは気にしない


 アレクサンダーを眠らせたのは良いが、さてこの後どうするか


 執務室の前には護衛の近衛騎士がいるし、執務室にも誰かいる


 正直めんどくさいし、そこまでしてあげる義理もない


 だけど、このまま放置も後味が悪い


 朝比奈は考えた


 近年稀に見る熟考だった


 そしてまず、クモッチをカスタマイズすることにした


 カスタムポイントを2P使用し、粘糸と操糸をつける


 念のため水瀬にも眠り針を打った


 執務室の方も同じく眠らせて天井から吊るす


 吊るしているのは、倒れこむドサッという音で、入口の近衛騎士が入って来られると困るから


 部屋の中は静寂に包まれた


 次は外の近衛騎士


 しかも2人


 慎重にやらねば気配を悟られる可能性がある


 救いだったのは騎士が直立不動で微動だにしなかったこと


 先に両方の鎧を粘糸で支えてプスリとやった


「よっしゃー!ミッションコンプリート!ってやってる場合じゃないわ、行かなきゃ!」


 朝比奈はアレキサンダーの執務室へ急いだ


 結局、最終的には押し入るんだけど誰も見てないから大丈夫だろう


 堂々と入っていった執務室の中も突っ切って奥の休憩室へ


 アレクサンダーは水瀬の谷間で揉みチュパしながら寝ていた


「うわー寝ながら〜とかマジ無いわ〜。キショッ。」


 アレクサンダーを水瀬から引き剥がす


「どうすっかなこれ。」


 水瀬のベトベトの胸元をクッションで拭い、腕に絡まったブラウスを解いて着せてあげる


 ボタンはないので前を結んだ


 弾け飛んでしまったボタンはクモッチが見つけてくれてたので回収


「ナイス〜クモッチ!」


 アレクサンダーに念のため2度目の眠り針をプスっとし、朝比奈は水瀬をおんぶするとさっさと出て行った


「意外と重い〜。」


 幸いにも誰とも会うことなく水瀬の部屋に来ることができた


 アレクサンダーが人払いをしてたのもあるが、異世界人達に接触する者を減らすため、この辺りに立ち寄る者は少ないのだ


 ベッドに下ろして起きるのを待った


 置いて行っても良かったがなんとなく見ていた


 自分が初めて式神を使って、人を助けたことに少し興奮していた朝比奈はそのまま待った


 ここに来て数分くらい経った頃、執務室の方は目覚め出したようだ


 事が起こってから水瀬を助け出してここに帰ってくるまでに30分くらい


 朝比奈は僅か5分で考え、決断し行動を起こした


 瞬時の決断が水瀬を救ったのだ 


 朝比奈はクモッチを通してアレクサンダーの様子を見ていたが、彼のクズかりように呆れてクモッチを呼び戻した


 クモッチが帰ってくるのを待っていたら、水瀬が起きたので、朝比奈はちょっと話をしてみる事にしたのだが、それは失敗だった


 嫌なものを見せられた挙句、中々に不愉快な思いをした


 そしてより不快な気持ちになっただけだった


「あーマジでやな感じぃー。」


 蜘蛛型式神は不安そうに朝比奈を見つめている


「いや、クモッチは悪くないよ。逆にお手柄っしょ!ありがとね〜。」


 そう言って蜘蛛型の式神を送還した


 何と無くだが意思疎通できるようだ


「げっ残り3%じゃん!マジムカつく〜。」


 朝比奈は正義感が強い訳ではない


 最善を尽くしたとまでは言わない


 だけど自分なりに頑張って助けた


 なのに、助けられて当然という顔で、何でもっと早く助けなかったのか、などと言われるなんて思ってなかった


 感謝されたかったわけじゃない


 でも少し労って欲しかったのだ


 朝比奈は自分の気持ちがハッキリせずに、もやもやした


「…うん。考えてもわかんない事は考えるだけ無駄だっしょー!魔力操作(じゅうでん)すっか!。」


 立ち直りが早いのも彼女の長所である






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