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異世界に転職しました  作者: Aries
第3章
43/202

水瀬はるかの決意

今回ちょっと卑猥な表現が入ります。

苦手な方はすみません。

 




「王子、何か御用でしたか?」


「呼び出してすまない。ハルカ、君に大事な話があってね。まずはお茶でも飲みたまえ。」


「はい。」


 アレクサンダーに呼び出された水瀬は王子執務室を訪れた


 執務室の横にはソファやテーブルなどが置いてある休憩室のような所があってそちらに通された


 ソファの向かいに座ったアレクサンダーは優雅にお茶を飲んだ


「どうだ?こちらの暮らしは慣れたか?」


「はい。皆さん良くしていただいて、とても感謝しています。」


「そうか。それは何よりだ。」


 アレクサンダーは水瀬を気にする事なくお茶の香りを楽しんでる


 勧められるまま口にする


(飲んで早く切り上げよう)


 お茶を出された後は人払いをされている


 2人っきりの気まずい空気に耐えられず水瀬はお茶を飲み干してしまった


 甘ったるい匂いがして不思議な味だった


「ハルカは聖王国を知っているか?」


「えっと、オズワルド団長にお聞きしました。聖女様がいらっしゃる国ですよね?」


「そうだ。ハルカにはそちらに行ってもらう事になっている。」


「どういう事ですか?」


「聖属性の魔法の手ほどきを受けられる。有り難く思え。」


「私1人でですか?」


「聖魔法を使えるのはハルカだけだろう?勿論、身の回りの世話をさせる者達を連れて行っていいぞ。まぁ彼方にもおるから心配せずとも大丈夫だ。」


「え?叶せんぱ、いは…」


(何?から、だが…)


 ティーカップが落ちていくのがゆっくりに見える


 カップは毛足の長い絨毯に沈んでいった


 体が痺れて声が…


「やっとか。効き目が遅いので心配したぞ。」


 水瀬が顔を上げた時にはもつアレクサンダーが隣に移動していた


「異世界人の体の作りに興味があってな。」


 そう言いながらアレクサンダーの手は水瀬の膝の上にある


「この服は実に良いな。異世界人はこのように足を出して、なんともふしだらな生き物だ。」


 制服のスカートは座ると膝が見えるのだ


「うむ。良い足をしてる。」


 膝を開かれ、内腿を撫でられ、体が泡立つ


「聖国で粗相がないように、確認せねば。クックック。」


 何を言っているのか、瞬時に理解してしまった


(立たなきゃ)


(立って逃げなきゃ)


「ちょっと見るだけだ。何もそんなに怖がる事は無い。」


「ひっ!」


 腰を浮かせると腕を掴まれソファに押し倒される


 アレクサンダーは水瀬にのしかかり、服の上からでもわかる胸の膨らみを掴み揉みしだく


「あっやっやめ、て…。」


「やめてやってもいいぞ?ハルカの代わりに他の者を連れてくるだけだ。」


「そんっなっ!あっ、たすけ、て!誰かっ…」


 一瞬見えた希望が絶望に変わる


「馬鹿め。王族の私室に入って来れる者などおらぬわ。トワコに手を出されたく無ければ良い声で鳴いて俺を楽しませろ。」


 バッと勢いよくブラウスの前を開かれてボタンが弾け飛んだ


 羞恥で肌が赤くなる


 腕を振り上げ抵抗するが、直ぐに両腕を捕えられブラウスを巻き付けられて動かない


 足で蹴ってやろうともがくが、アレクサンダーからすれば、ただばたつかせただけだった


 攻防虚しく、スカートがはだけて肌をより露わにしただけだった


「白く、美しい肌だ。さて、少し可愛げがあると此方も可愛がってやれるが…」


(流石は異世界人、っと言ったところか。俺の魅了(チャーム)が中々かからん。まぁ直ぐに従順になられてもつまらんがな。クククっ)


「このっ卑怯者っ!」


「クハハっなんとでも言え。直ぐに俺が欲しくて欲しくて堪らなくなる。」


 身体をよじるが純粋な力で敵うものではない


 白昼堂々と肌をさらされる


 羞恥と悔しさで涙が止まらない


 ヤダ!ヤダ!ヤダ!


 誰か!


 助て!!


 お母さん!お父さん!




 ***




「目〜覚めたっすか?」


「…朝比奈、さん…?私…」


(夢?)


 起きたら自分に充てがわれた部屋のベッドの上だった


(夢だったんだ)


 自分の体を抱きしめ安堵した直後、ブラウスのボタンがない事に気付いた


 思い出してゾッとする


 肩がガクガクと震えてきた


 みるみる顔色が青ざめていく水瀬に朝比奈は言葉をかけた


「自分から誘惑しに行ったのかと思ったんすけど、違ったんすね〜とりあえず、助けてっつーんで、助けてみましたけど。」


 冷水をかけられたような気持ちだった


「…自分からなわけない。」


「えーだって王子じゃん?玉の輿っつーの?」


 もっと暖かい言葉が欲しかった


「何で、私ばっかり。」


 ボロボロと涙が頬を伝った


 なんで自分ばかりこんな目にあうのか


 水瀬は電車に乗れば痴漢にあい、道を歩けば変質者にあい、高校ではセクハラにあっている


「パイセンマジで言ってんの?おめでたいっすね〜?」


「なんで…私は被害者なのよ?薬まで盛られて…」


「パイセンが2人っきりになったからっしょ。自分の不注意じゃん?」


「私はっ、呼ばれたからっ!」


「被害者ぶってっけど、スキ見せたんはパイセンっしょ。みんなに愛想振りまいてぇ気〜持たしてぇ、いざとなったらお断り?タチ悪いっす。」


「そんなっ!!」


「男なんてみーんなああいう事考えてんすよ?こっちじゃ奥さんが何人もいるのが普通ーって言ってたっしょ?ここでは女はローポジなんすからウチらの価値下げるような事はやめてほしいっす。」


「だってっ…ううっ…だってっ!!なんでそんなこと言うの?!」


「4人いる中でなんでパイセンが選ばれたのか考えたらどうっす?まさか自分が1番の可愛いからとか思ってるっす?マジウケる〜。」


「なっ!そんな事っ!!失礼ね!!」


「うわっもしかして図星〜。引くわぁ。あーあー助けて損した。せっかく本ちゃん前に助けたのに。もうちょい見ときゃ良かった〜。お礼も言われないし。」


「何それ…見てたの?いつから?!なんでもっと早くた…ちょっと待ちなさいよぉ!!」


「イメチェンっすか?鬼ギャルはキャラ被りっすよー。」


「あ!っちょっと!!」


 言い終わるやいなら部屋からそそくさと出て言ってしまった


(なんなの?!)


(見てた?)


(なんでもっと早く助けてくれなかったの!!)


(ちょっと性格悪くない?)


(…お風呂に入ろう)


 早く洗い流したかった


 洗い流して忘れたかった


「ふふっふふふっあははははっ」


 お風呂場にある鏡を見て水瀬は爆笑してしまった


 鬼ギャル


 上手いこと言うじゃん


 水瀬の髪は乱れて、ブラウスはボタンは止めず裾をお腹のあたりで結んでるだけ下着もおへそも見えてるしスカートのウエストは腰まで下がってる


 でもまぁ似合わなくはないかな?


 水瀬はるかはお風呂で色々な事を考えた


 思い返すと震えが止まらない


 悔しかった


 男にいいようにされて


 なにも抵抗できなかった


 後輩に諭されるなんて


 もっと強くならなきゃ


 自分の身は自分で守れるように


 足手まといにならないように


 誰かを守れるように




(…朝比奈さんにお礼言わなきゃな)








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