表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界に転職しました  作者: Aries
第1章
30/202

幸せな食卓

 





 帰ってきました


 数日ぶりの我が家


 朝、マルシェで色々買って買って買いまくって、蕾の仕立て屋(テーラーブルジェオン)に寄り、残りを受け取ってから帝都を出た


 マダムには昨日の事をお話ししたけど、ずっとニコニコしてたから悪く思われては無いみたい


 良かった


 その後人気の無いところで空に転移して北祈りの祠へ


 わざわざ封印の地から入ったのは十六夜の謹慎がまだ2日残ってるから


 お家立ち入り禁止にしたけど、ただいまは言いたい


 直接家に入ると会えないからね


 北の祈りの祠は海に面しているので、人族にはあまり使われておらず、教会の手も回っていない


 常時、人がいる他の祠とは違って、たまーに魔族の国の人々が海を渡ってやってくるくらいで、人目につきにくいのです


 メンテナンスついでにクラルスとルシフェルの登録をして顔パスで通れるように


 野生の魔物達はしょうがないけど、私を手伝ってくれてる子達には、間違って襲ったりしないようにお披露目した


 上位精霊達には現状を報告してもらい、十六夜の不機嫌以外は問題なかったという事だったので、一先ず安心


 当の本人は良い子にしてたよ?って顔でスリスリしてたので撫でて、ただいまを言った


 お留守番ありがとう


 引っ付いて離れない十六夜を引き剥がし、明後日のお昼にいつもの丘に来るように言って別れた


 それから家のお掃除と買ってきた物の収納、部屋のレイアウトなどをして各自過ごし、晩御飯は簡単に済ませて2人にお風呂の入り方を教えた


 外側で体を洗ってから湯船にゆっくり浸かって温まる


 お湯はみんなで使うからこの中で体を洗ったり、石鹸を入れたりしないように


 まぁそれだけなんだけどね


 2人とも最初は不思議そうにしてたけど、ルシフェルは湯船をとても気に入ったみたい


 割と長風呂してる


 クラルスは最初は泳いだりして遊んでたみたいだけど、肩まで浸かって30秒くらいでギブアップして上がってきた


 ホカホカになったクラルスの髪の毛を乾かして、寝かしつけた後こっそり準備に取り掛かる


 今日と明日とで終わらせてしまわないと


 いそいそと取り掛かった




 ***




 翌朝、朝食後は洗濯をして、畑でその日食べる野菜や果物を収穫した


 収穫作業はやっぱり楽しい


 乙女の箱庭(サンクチュアリィ)で色々な野菜をちょっとずつ作ってるので量は少ないけど、シスルーがお世話をしてくれているのもあってとっても良い出来です


 お昼は採れたて野菜のサラダとチキンソテーとパンとスープ


 パンはマーガレットさんに分けてもらったもの


 美味しいんだけど、ふわふわのパンが恋しい


 小麦粉を入手したので時間がある時パンを作ってみたいな


 昼食が終わってからはクラルスのお昼寝タイムを利用してもう少し作業を進める


 その後はルシフェルとクラルスは一緒に運動


 って言ってもクラルスが風雅と遊んでるのをルシフェルが見守るだけなんだけどね


 ルシフェルはクレアさんとクラルスの教育プランを練ってる


 私はトマトケチャップ作り


 採れたてトマトを湯むきし、ミキサーがないので魔法で粉々にして漉して、弱火にかける


 温まってきたら、塩、砂糖、摩り下ろしたニンニクを入れ、一煮立ち


 ハーブはお好みで


 酸味が強めがお好みの方はリンゴ酢を入れると良いですよ


 ハーブ強めと、甘めの2種類に分けて仕上げてしまう


 次はマヨネーズ


 卵の黄身にオリーブ油をちょっとずつ垂らして混ぜて混ぜて混ぜて…


 もったりしてきたら今度はお酢


 ひたすら混ぜる


 お酢は乙女の箱庭(サンクチュアリィ)です


 便利なスキルだな〜


 お酢の木は低木で黄色の手のひらサイズの実がなった


 果実を絞ってできたお酢は、実の色の濃淡によって酸っぱさが違ったので使い分けができそう


 塩胡椒で味を整えて完成


 ニンニクやハーブを入れても美味しいんだけど、何にでも入れちゃうと臭いが気になるので、あえてこのままで


 マヨネーズは衛生管理が難しいって聞いたことあるし、亜空間にしまい我が家だけで楽しむことにしましょう


 後は余ったお酢にお砂糖、塩胡椒、ハーブときゅうりやカブ、ニンジンを入れてピクルスに


 これは時間経過した方が良いので冷蔵庫へ


 さてと、今日の晩御飯はせっかくケチャップとマヨネーズを作ったのでこれで何か作りたい


 ポークチョップ…


 ピザ…


 麻婆ナス…


 いまいちピンと来ない


 お昼はパンだったし夜はご飯が良いなぁ〜


 お昼の鶏肉の骨で出汁を取りながら考える


 そう言えばクラルスはお昼のサラダを残してた


 やっぱり野菜を子供に食べさせるのは難しい


 ピーマンとかニンジンとかタマネギとか


 私もピーマンが美味しいと思ったのは大人になってからだし


 あ!


 そうだ!


 今晩のメニューはアレにしよう!


 晩御飯用のお米を炊く下準備をし、洗濯物を取り込む


 お日様のいい匂い


 危険察知し突然オート防御が展開した


 なに?!


 ビックリした〜


 泥だらけの駄目犬こと風雅が飛び込んできたのだ


 せっかくの洗いたてお布団が台無しになるところだった


 危なかったー!


 風雅!


「こら!!」


 汚される前に洗濯物を亜空間に収納し、風雅を丸洗いしてたら、今度は泥だらけのクラルスが飛び込んできた


「元気があって良いですが、洗濯物に泥を付けてはいけません!家のお庭は走っちゃダメっ!」


 尻尾をお股に挟んでクンクン言いながら反省っぽいことをしてるけど、3日も経たないうちにまた同じことをするんだ


 この駄犬は


 ルシフェルは何してるのかしら!


「クラルスも先にお風呂に入ってきなさい。」


 風で泥や砂を軽く払いお風呂に連れて行く


 ルシフェルはちょうどお風呂の準備をしてた


「洗ってあげてね!」


 1人でゆっくり入りたそうにしてたけど、押し付けて出てきちゃった


 私はご飯の用意しないとだから


 まずはタマネギを微塵切りしてミルミルバターで炒め、透明になってきたら細かめに切った鶏肉を入れてパリッと焼く


 そこに凄く細かく微塵切りしたピーマンを入れて、ケチャップを投入


 酸味を少し飛ばして、ご飯を入れて、塩胡椒で味を整えケチャップライスの完成


 ニンジンはお花型にカットしスープの具に


 じゃがいもは塩茹でして潰し、水に晒したスライスタマネギと薄切りにしたハム、キュウリ、りんご、マヨネーズで混ぜてポテサラに


 今日はメインに卵を使うのでゆで卵は入れなかった


 ヨーグルトを少し入れると、しっとりするしカロリーも抑えられるんだけど、無い物はしょうがない


 卵に少し牛乳を入れ良くかき混ぜ、熱したフライパンに注ぎ、ちょっと混ぜて半熟になってきたとこでケチャップライスを入れて手早く形成


 よく見るラグビーボール型の定番の形


 オムライスです!


 ジャジャーン!


 ケチャップでハートを描いて完成


 ど定番のオムライス


 ポテサラ


 スープ


 今晩のメニューです


 ランチメニューっぽいのは気にしないで下さい


 ランチョンマットも作ったので、テーブルセッティングもいい感じ!


 2人もお風呂から上がったので、冷めないうちにみんなで頂きましょう


「セレニティ、前から気になってたんだけど、食べる前のそれはお祈りか何か?」


「ああ、此方ではそういう風習はないのね。私の故郷ではご飯を作ってくれた人や作物を作ってくれた人に感謝の気持ちを込めて、食べる前に手を合わせて『頂きます。』食べた後は『ご馳走さまです。』って言うのよ。」


「へーそうなんだ。」


「ルー兄様、僕たちもやるです!」


「そうだね。じゃぁ頂きます。」


「いただきます!」


「どうぞ、召し上がれ。」


「姉上、これは何ですか?」


「これはオムライスよ。卵のお料理。こっちはじゃがいものサラダ。」


 恐る恐るスプーンを入れるクラルス


「卵の中に何か入ってます!」


 恐る恐るだけど口に入れるクラルス


 お野菜は大丈夫かな?


「ふわわぁ〜卵トロトロで中はあまくて…」


 ほっぺにお米をつけてうっとりしてるクラルス


 ケチャップは成功みたいですね!


 でもそんなに慌てて食べなくても大丈夫よ?


「姉上!僕これ大好きです!」


 かき込むようにモリモリ食べてくれてる


 ふふふ


 でも食べ方はこれからちゃんと教えて行かなきゃね


「スプーンはグーで持っちゃダメよ、こう、ちゃんとできるかな?」


「こうです?」


「そうそう。その方がカッコイイわ。」


「えへへっ。」


 できることが増えてくのらは楽しいよね


 褒められると嬉しいし


「オムレツの中にライスが入ってるんだね。意外と合うね。こっちもまろやかだけど酸味もあって美味しい。初めて食べた。」


 ルシフェルもポテサラを気に入ってくれた


 男の人ってポテサラ好き多いよね〜


 なんか幸せだな


 自分が作ったご飯を食べてくれる人がいて


 一緒に食べて


 美味しいって言ってくれて


 なんか、ちょっと、泣きそう


 ふふっ


 幸せな食卓ね〜







ポイントが徐々に上がってきて毎日嬉しいです。

いつも読んで頂きありがとうございます。

評価、ブクマ頂きますと凄く励みになります。

是非よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ