ここからここまで頂きますわ♡
嗚呼!
凄い!
高級店ゾーンの一角に服や靴、帽子、宝石などのお店が立ち並ぶ
どこから入ろうか目移りしちゃう!
でも入るところは決めてるの
クレアさんオススメのお店に間違いはない!
わからない時は聞いた方が早いのです!
帝都中のお店を見て回る時間はないしね
さっそくお店に入って物色
やっぱり都会のファッションはオシャレ♪
足を見せない文化なので、スカートは全て長め丈
アール・デコやマイフェアレディ風
可愛い〜
カラフルだなー
白がない?
白が、1番好きなんだけど
カラフルなのが流行なのかもね
まずはクラルスから合わせていきましょう
クラルスのお洋服はパステルカラーのシャツ数枚
ダークカラーのポロシャツとチュニック3枚ずつ
同じくダークカラーのベスト3着
短パンはブラウンとダークグリーンを2着ずつ
チノパンもグレーとベージュを2着ずつ
後はネイビーのジャケットとスラックスのセットアップ
下着と靴下と、可愛かったのでジャケットと共布の帽子も買っちゃいます
靴はちょっと大きめな物を選び、先を詰めてもらう
お店のお姉さんと一緒にコーディネートしていく
クラルスのお洋服はフルオーダーメイドです
今までにどこぞの伯爵令息様に仕立てた〜とか、男爵令息様がお気に入りの〜とかいう説明を受けながら肖像画やデザイン画を見て決める
そのあとサンプルを当ててサイズを合わせて、型紙をとって裁断し、縫製へ
新品の子供服を着るのは王族、貴族や富豪くらいで、庶民はお下がりや、大人用を仕立て直して着るので、子供服に既製品は無いんです
人の子はすぐ大きくなるからね
龍人族のクラルスは人族の子供より緩やかに成長するので長く愛用できるでしょう
今回はすぐに必要だし、お金はあるから良いんです
私がお買い物したかったんです!
次!
ルシフェルには、ジャケットとスラックスのセットアップをネイビーとダークグリーンの2着
ネイビーはクラルスとお揃い
パステルカラーのシャツを数枚
ダークカラーのポロシャツを3枚
グレーとベージュのチノパンを1着ずつ
後は靴下を数枚
ベルトなどの小物
下着は店員さんに適当に選んでもらって
靴は普段用の履きやすいショートブーツと艶のある革靴
スタイルが良いから何着せても似合う〜
何でももサラッと着こなす〜
店員さん達の黄色い声が聞こえてきます
次は私の番!
「セレニティ、そろそろお昼だし一旦切り上げようよ。」
え?
自分だけファッションショーしてずるい〜
「クラルスも退屈してるし、先に今までの分の支払いをして、お昼を食べてからまた戻って来れば良いよ。」
クラルスを見るとミーティアの隣でうとうとしてた
わっ
退屈させちゃったかな
「ごめん。気づかなかったわ。子供には退屈だったかも。」
反省
「自分の服を選ぶときは喜んでたし、大丈夫でしょ。昨日からはしゃいでたし疲れが出たのかもね。」
お店の人は今までのリストを作っていてくれて、すぐに金額を確認することができたので、多めに金貨5枚お渡しして引き換え用の契約書をもらう
お店の人は、私達がお金を払えるか半信半疑だったようで、少しホッとした顔をされた
一見さんだったししょうがない
またお昼過ぎに来るお約束をしてお店を出た
***
お昼はパスタを頂きました
トマトソースやボロネーゼ、オイルパスタはあったけどカルボナーラやクリーム系は無かった
美味しかったけど
卵や乳製品は流通の衛生管理がまだ不十分なのかも
マヨネーズも無いし
食べてから宿に戻りミーティアにもミルミルをあげて、ちょっぴり休憩
「クラルスも寝たから、ミーティアも隣で寝かせて洋服屋に戻ろう。」
えー
「ダメよ。子供達だけを置いて行くなんて。」
「大丈夫だよ。」
ルシフェルは指先を切って血液をつーっと垂らし、使い魔を3体呼び出した
なんか、黒龍っぽい?
ルシフェルは黒龍の素材で呼び出された悪魔なので末端に多少の影響が出てるらしい
ミニ黒龍
可愛い〜
「手のひらサイズだけど、1匹でBランクの冒険者数人を蹴散らすくらいはできるし、何かあったら知らせてくれるから、その時はすぐ戻れば大丈夫。」
「うーん。」
「行かないなら僕がセレニティに似合う服を選んでくるけど、自分で選びたいんでしょ?頼むのが遅れると、帰る日もずれるよ?」
うーん…
結局は押しに負けて買い物に戻ってきてしまった…
さっと選んで戻ろう
…なるべく
本日2度目の来店
今度は店長さんが出迎えてくれた
すーごくキャラが濃いマダムです
「ようこそ蕾の仕立て屋へ。私は店長のカメリアでございます。さぁさぁ!早速奥様のドレスをお選びしましょう。ご要望は何なりと!一同、誠心誠意お勤め致しますわ!」
マダムカメリアは奥からどんどん良い生地やレース、リボンを持って来てくれた
なんでも買って良いって素晴らしいね!
いや〜洋服屋さんで、
ここからここまで頂きますわ♪
とか言ってみたいって思ったこと無い?
大人買いですよ
まずはコーラルピンクやラベンダーなどのパステルカラーのワンピース
春らしい色合いに、レースやリボンを可愛くあしらったAライン5着
ジャンパースカートは作業もしやすく厚手のものを2着
ローブモンタントはグットガールな長袖のロングスカート、ダークグリーンでシックに
ミモレ丈のスカートはふんわりなサーキュラーとガーリーなフレア
丸襟、パフスリーブのパステルカラーブラウスが数枚
フレアスリーブのチュニックが数枚
ベージュとグレーのチノパン
ネイビーのジャケットとワンピースはルシフェル達とお揃い
などなどなどなど
どっちも似合うよなんて言われたらどっちも欲しくなっちゃうじゃん?
そもそもどっちも良いなと思って聞いてるし
そういうどっち付かずの回答は1番良く無いです
ただ、ルシフェルが私に選んだワンピースは、悔しいけど凄く似合ってた
センス良いな
お直ししてる間にクラルスとミーティアのお迎えに行ってもらった
あまりお昼寝しすぎると夜眠れなくなってしまう
その間に、下着を選ぶ
お姉さんとマダムが目にも留まらぬ早業で色んなところを採寸し、数枚を見繕ってくれた
下着は近年の帝国の努力や異世界人達の知識によりつけ心地が改善されて、色や形も華やかになったんだって
帽子や靴は服に合わせたものを取り寄せるので、気に入ったら追加で買って欲しい、とのことだったのでお任せした
宝石などの装飾品は2日で仕立てるのは難しいだろうから、もし揃えるなら三軒先のアダルマンの店がおススメと教えてくれた
せっかくだし、後で行ってみようかな
ミーティア用のロンパースとスタイが欲しいと伝えたら、もうお伺いしてますと言われた
私が自分の服を選んでる間にルシフェルが気を利かせてくれたらしい
なんとも仕事のできる悪魔です
おしゃべりしながらルシフェル達を待った
マダムは貧乏子爵家のご令嬢で兄姉も多く、小さい頃から刺繍や裁縫をして自分のドレスを仕立てていたそうです
ご主人は幼馴染の男爵令息だったけど、三男なので家督は継げず、最初は結婚を許してもらえなかったんだって
でもご主人は頑張って起業し、店を構えるまで至りマダムを迎えに来てくれたんだって!
お二人とも社交界に居たこともあり、噂には敏感で、流行を取り入れたスタイルは評判も良く、下級貴族や裕福な商人などを相手に商売をしているらしい
なんでこんな話になったかというと、お店の名前の由来を私が聞いたからで、ご主人はマダムの事を『綻びかけた蕾のようで、手折ってしまいたくなるほど美しい』と仰ったそうです
角砂糖を口いっぱい頬張ったような甘くて喉が乾くような気持ちです
マダムはまだラブラブのようでなによりです
仕立てに2日欲しいとのことだったのでまた受け取りに来る約束をしたんだけど、明日のお昼過ぎに一度宿にお伺いしますと言われた
調整かな?
たくさん買ったしね!
急ぎで申し訳ない
快く了承し、購入の手続きを行った
急ぎの仕事なので、多い分は手間賃も含めてお針子さん達へ、と言ってもう5枚金貨をお渡しした
今は社交シーズンではないので仕事もそんなに忙しくないから逆に有難いと、お気持ちが嬉しいと、マダムはとても喜んでた
いや〜金貨10枚( 200万ベリル ≒200万円)は流石にやりすぎかなぁと思いましたが、オーダーメイドしたスーツが安くて10万円くらいと聞いたので1人50万ベリル以内の4人分にさせて頂きました
そんな買い物してみたいという願望も込めて