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異世界に転職しました  作者: Aries
第1章
27/202

帝都観光

 





 さあ宿はどうしようかな


 1人づつか2人づつか、みんなでか


 せっかくならみんなで同じ部屋に入りたいな〜


 良さげな宿に入ってみたけど、なかなか空いてなくて3件くらい見て回って諦めました


 クレアさん!


 お願いします!


 検索、検索〜


 クレアさんがみつけてくれたお宿は超高級旅館で、星がたくさんついたロイヤルスイートみたいなとこだった


 こんなとこ本当に泊まれるんだろうか…


 異世界(こちら)はお金を払えば誰でも、という訳ではない


 帝国はそこまで酷くないが、身分によって入れない所もあるし、一見さんお断りの所もある


 だから何ですんなり宿泊できたのか謎


 対応は全部ルシフェルがしてくれたんだけど、きっと何かしたに違いない


 悪魔は人を惑わせたり、唆したりが得意だしね!


 その辺を追求したかったけど、そんな事はどうでも良くなるくらい素敵なお部屋でした


 凄い〜


 シャンデリアがある〜


 エントランスを抜け、リビングがあり、ベットルームは2つ


 私の方は3〜4人寝れるくらい大きな天蓋付きベッドとソファとテーブル


 ロ、ロココ〜


 お姫様の部屋みたーい!


 なにこれ〜


 超可愛いんですけど〜


 気分はマリーアントワネットです


 このいっぱいあるクッションは何に使うんでしょうね〜


 もう一つの方は落ち着いた感じの部屋で、ダブルサイズのベッドが二つあった


 貴族とその従者が使う部屋なんだって


「姉上、帝都でどこに行くんですか?」


「どこに行くかは決まってないのよ。気になったお店に入って、好きに買い物しましょう。お家の家具や小物も欲しいし、クラルスのお洋服も揃えたいし、十六夜達にもいっぱいお土産を買って帰りましょう!2人とも何でも好きなもの買って良いわよ!」


「お土産!はい!いっぱい買うです!」


「じゃあ今からは食材の買い出しと、日用品とかも見たし、後はお酒欲しいわ。」


「もう昼過ぎだから生鮮野菜は難しいよ。先に日用品を見て、明日のマルシェに行く?」


「野菜は作ってるから大丈夫。魚も湖でとれるし、欲しいのはお肉や乾物、加工品ね。お酒は調理用にワインが赤と白、数本ずつあれば良いの。」


「成る程ね。酒は瓶じゃなくて樽で買って欲しいな。」


「良いけど、そんなに飲むの?」


「勿論飲むよ。まぁ精霊、聖獣は酒好きの蟒蛇が多いんだ。自分だけ飲むのも気がひけるし。」


 …!


 十六夜に?!


「そっか!じゃあいっぱい買って帰ろう!」


 なんか嬉しいね


 お土産ってそういう気持ちが嬉しいよね!


「じゃあ行こっか!」


「はい!」





 ***





 好きなもの買って良いって言ったんだけど、これはちょっとダメじゃないかなぁ


 まだ早いと思うんだよね


 明らかにサイズがクラルスよりも大きいし


 クラルス…


 クラルスは今、駄々をこねてます


 私が護身用の短剣や剥ぎ取り用のナイフを見ようと、武器屋に入ったのが良くなかった


 クラルスはブレイスにあげた剣に似た長剣を見つけて、これが欲しいと言いだした


 確かに、見た目カッコいいし作りもしっかりとした中級者向けの良い剣です


 何でも買ってあげるって言ったけどね〜


「クラルス、他のにしようよ。それは無理だと思うよ?」


「姉上!良いんです!これが欲しいんです!」


 うーん


 おもちゃを欲しがる子供にしか見えない


 おもちゃなら良かったんだけど…


「クラルス、その剣を買うのは構わない。けど剣を持ったからって、お前が強くなるわけじゃないよ。そもそも持ち上がらないだろ?」


「うううっ…でもっ!」


「セレニティ、面倒だし買ってあげたら?どうせ使えないけど。部屋に飾るのは自由でしょ。」


 そうね〜


 飾りなら問題ないかな


 クラルスはルシフェルの一言で余計に意地になってるし


「おい、何の騒ぎだ?」


 凄い厳ついおじさんが奥から出てきて此方をジロリと睨んだ


 声が大きいし、顔が怖い!


 おじさんはクラルスの方に向かうと、目の前にしゃがみ込んだ


「坊主、その剣は坊主が自分で選んだんか?」


「お、おじさん!ぼくっ自分で見つけたんです!」


 おじさんは、ふむっと顎に手を当て剣を抱いて離さないクラルスを見下ろす


 あわわ


 クラルスが怒られる!


 助けないと!


 止めに入ろうとしたのに、ルシフェルに邪魔された


 何で?!


「坊主、選んでくれたのは嬉しいが、強くなりたいならまずは自分に合った得物を選ばにゃならねぇ。わかるか?」


「……。」


その剣(そいつ)は確かに良い剣だ。それを選んだ坊主の目に狂いはねぇ。だがな、さっきその兄ちゃんが言ったように良い剣を持ったからって、良い腕がねぇと使いこなせん。使われねぇなら剣が可哀想じゃねぇか?」


「…はい。」


「坊主はこれからうんと鍛錬を積んで、強くなるんだろう?そんならその時また買いに来てくれ!お前さんに合うもっと良い剣を準備して待っててやる!!」


「本当に?もっといいもの?」


「ああ!このダンブルク、約束は守る!!」


「はい!ありがとうございます!」


 わっ!


 クラルスが自分から剣を話しておじさんに返した


「おめーら!ちんたらしてねーでこの坊主に合う練習用の武器を選べ!子供にこんなもん売りつけるんじゃねぇ!!」


 店員さんに檄を飛ばす厳ついおじさん


 店員さん達がいそいそと準備しクラルスの腕の長さを図り、いくつか見繕ってくれる


「あんたらも、子供のわがままを一々聴いてんじゃねぇ!親ならダメなもんはダメだとガツンと注意しな!」


「「っ、はい!!」」


 ぽけーっと見てたら怒鳴られてビックリ!


 お、親じゃあないんですが…


 まぁ保護者ですけど


 …はい


 …すみません





 ***





 クラルスに続いて、次はルシフェルの欲しいもの


 お酒


 瓶じゃなくて樽で売られてる酒場とかにも卸すようなお店です


 ルシフェルは樽を1つずつじっくり選んでる


 もちろん瓶も売ってます


 私お勧めのものを数本選んでもらって終わり


 ワイン赤、白、それぞれ5樽と瓶を10本、エールを5樽


 樽は私がすっぽり入るくらい大きい


 私が料理に使う分と、蒸留してみたいので余分に買ってみたけど買いすぎかな?


 蒸留酒はまだないんだ〜


 召喚された人達は若い子が多いから、お酒の造りかたとか知らなかったのかも


 ガラスがの流通も少ないからね


 透明で大きななガラスは希少価値が高く、貴族の装飾や錬金術師の道具、薬品を入れる容器などに優先的に使われている


 そのうち庶民にも広く流通するようになるでしょう


 私は待てないので自分の分だけ作っちゃいます


 買ったものは宿に届けてくれるみたい


 武器も同じく調整した後届けてくれる


 結局武器屋では練習用の木刀を数本、新人向けの片手剣、両手剣、槍、弓と矢、剥ぎ取り用のナイフ、ルシフェル用の剣や槍、私用のショートソードなどを購入


 厳ついおじさんはダンブルクという名前で、ここの工房主


 クラルスが選んだ剣はダンブルクさんが作ったものだった


 ダンブルクさんは、木刀に装飾を施した『カッコイイ木刀』をクラルスに用意してくれた


 厳ついのに優しいおじさんでした


 この人は絶対酒好きだと思ったので、良い酒が置いてある酒屋を紹介してもらったんです


 お酒を選んだ後は、加工食品を取り扱ってるお店でベーコンやハム、干し肉、キノコの干したもの、ドライハーブなどを購入


 小麦粉は薄力粉と強力粉をそれぞれ2袋


 20キロくらいあるからしばらくもつでしょ


 後は大鍋や足りない調理用具、雑貨や日用品などを見ながら街をブラブラ


 クラルスは見たこと無いものばかりですぐ何処かへ駆け出して行ってしまうので、私とルシフェルに手を繋がれ、囚われの宇宙人状態


 今日はお昼も遅かったし屋台でお好み焼きみたいなものや串焼きやお菓子を買食いして回った


 帝都は1日で回れるような広さではないけど色々見て回れて、大満足で宿に戻った


 宿に戻ってお風呂に入ろうとしたら、メイドさんがきて、全身ゆで卵のように、とぅるとぅるにされた


 いや〜


 極楽じゃ〜


 お風呂上がりにみんなで談笑してたら、お茶と軽くつまめる程度のサンドイッチ、フルーツを出してくれた


 至れり尽くせりのサービスです








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