試食会
机にスープとクレープとサラダが並んでる
サラダはマーガレットさんがチャチャっとつくってくれてました
まずは、シチューそれぞれのお皿に入れてる
全体的に白いたべもの
「熱いので気をつけて食べてください」
皆さん進まないですね
猫舌さんかな?
私が作ったから1番に食べて的な?
見られると恥ずかしいですけど、我慢できませんのでお先です
「頂きます。」
じゃがいもさん、スプーンで崩れます
いい感じです
ルーにいっぱい絡ませてパクリ
ねっとり〜
ふぁ〜〜
素のスープが相当美味しかったし文句なしの味です
個人的にはマカロニを入れてチーズをかけて焼いたり、ご飯にかけちゃったり、次の日のクリームコロッケまで派生させたい
「う〜ん!美味しい〜!」
思わず心の声が漏れてしまった
そんな私をガン見してたマイク君もいつのまにかまぐまぐしてる
「う〜まぁ〜!すごいね!お姉さん!これ、僕大好き!!」
エンゼルスマーイル!!!
大好き頂きました!
「あら!美味しい。まろやかで、牛乳臭さが全く無いわ!」
「うん。いいね。新しいけど懐かしい味がする。パンにもよくあうね。」
大人組も好評で良かった
「あー!マリーねーちゃん人参残してる!せっかくお姉さんが作ってくれたのに…」
「うるさいな!ち、ちょっと冷ましてただけよ!」
「ねーちゃんがグズグズしてるうちに僕はデザートに行こーかなぁー」
「まちなさいよ!すぐ食べるから!…えーい!!!」
ぱくっ!
「あ?!ねーちゃんが人参食べた!!お母さん!ほら見て?」
「まぁ」
「なによ!人参ぐらいで大騒ぎしちゃって!…美味しいじゃない!ふんっ!!」
ツンデレさんかな?笑
「ほら、次の早く!」
みんなの生暖かい視線に耐えられなくなったのか早口で急かされた
「クレープはなんでも好きなものをのせて、包んで食べるものなの。色々載せるもの準備してるからちょっとずつ乗せて自分の好きな味を探してね!」
みんな、キョトンだー
とりあえず私はクレープの上にサラダを少しと、マーカスさんが作ったトマトソース、そしてボイルした腸詰、これをくるくる巻いて端っこからガブリ
う〜んまぁ〜
ピクルスとか、粒マスタードとか、ケチャップとかないかど全然関係なっすぃん!
もっちりのクレープ生地にシャキシャキお野菜とプリプリ腸詰が合う!
はっ!
全員の目が自分に向けられている
恥ず!!
「その組み合わせは美味しそうですが、かぶりつくのはあまり女性向きとは言わないですね…もう少し腸詰を細くしたらどうかしら?」
「そうだね、でも片手でチャチャっと食べられてボリュームも満点なのはいいんじゃないかな?中の具を変えたらどのシーズンにも応用が効くし、冒険者向けだね。」
大人組はビジネスモード突入して話し込んでる
「お姉さんこれすごーくおいしい!」
マイク!
キャワユイ
「ねぇねぇちょっと!早くこっちの甘い方!」
む!
「僕も甘い方食べたーい」
むむ!
しょうがない
「じゃあ今日は特別にフルーツをいっぱい乗せちゃおう!」
不満顔の2人をよそに、クレープをトッピングしていく
まずは生地をお皿にのせて
フルーツをのせて
生クリームがないのが悲しいけどこのまま包む
1番上にはフルーツで簡単にデコって
後は蜂蜜を上から煌めく滝のように流しかける
もはやこれは芸術か!?
「すごーい!きれいだね〜」
「す、凄すぎてどこから手をつけたらいいの?!」
「さぁさぁ!食べて食べて!」
いざ!!甘味!参らん!!
ナイフとフォークで断面を見せるように切ると綺麗に層になってる
満面のドヤ顔ですけど、何か?
わーいやっと甘いものが食べれる〜
うん。美味しい。美味しいけど、やっぱ生クリームとかチョコソースとかさぁ
欲しいわけよ
言わないよ
そんなの言ってしまったらむせび泣くように食べているお2人に失礼でしょう
大人組はかなり引いてるね
それでもちょっと食べてる
デイジーさんの目がくわっ!!って開いた
わぁーはじめてみたぁー
立ち上がろうとしたところをマーカスさんにとめられてた
グッジョブ!
マーカスさん!!
「セレニティさん?この蜂蜜はどこで手に入れたのかな?できればこれもうちの料理に使いたいんだけど」
「蜂蜜?蜂蜜は貰い物です。大事なものだから少しずつ食べさせるように言われてたんですけど、ちょっと調子に乗って使いすぎました。」
反省
「では、こちらは卸すのは無理でしょうか?」
「そうですねぇ、ご好意でいただいたものですし、卸すほどの量は難しいかもしれません。」
アピトたちが集めてくれたものだけど、月に1リットルくらいしかとれない
その中からおすそ分けしてもらってるので、たまになら持ってこれるかもしれないけど、定期的に卸すのはキツイな
「そうですか、残念です。」
もの凄く残念な顔をされたけどこればかりはしょうがない
シチューはそのまま食べたり、パンにディップして食べたり、楽しんでもらえたようで何より
朝食のスープを多めに作っておけば、夕食は具の補充だけで済むので一手間減る?とマーカスさんは考えてたので、そういう時は鳥や豚などの肉をキノコなどと炒めてから混ぜるとボリュームがでるとアドバイスし、料理談義に花が咲いた
砂糖は手に入りにくいとのことだったので、次回来るときに砂糖と乳製品との交換を提案しました
牛乳は今回は私が購入したものを使ったけど、マーカスさんの知り合の酪農家が、乳製品も取り扱っているとのことで、牛乳と一緒に生クリームやチーズも次回までに購入してくれるって!
やった!
今後の宿経営だが、女性専用にすることを提案してみた
沢山お客様が来るのは素晴らしいことかもしれないけど、冒険者の男性はなんか荒れた感じの人が多くて、このお宿の景観にそぐわない
勿論、そうじゃない男性もいるけどね
女性の同伴者はOK
女性1人でも安心して泊まれる宿
コンセプトとしては良いんじゃないだろうか?
夜が心配だけど、賄い付きにして女性冒険者を雇ってみたらどうかな?
賄いが美味しければ需要はありそうだし
冒険者ギルドにも話をして、女性冒険者に伝えてもらえたらと思う
「それならクエストを依頼するのはどうかな?」
マリーちゃんからのご提案
クエスト?
「そう。お姉さんの石鹸を使ってもらって、感想をもらうだけのクエスト。依頼料は安くても、お風呂がタダで入れるし、部屋の感じもわかるし。もしかしたら食堂でご飯を食べて帰ってくれたり、そのまま泊まってくれるかもしれないじゃない?そしたらこっちにもメリットがあるし、口コミで少しずつ良さが伝わらないかな?」
「ふむ、なかなかいい考えかも!」
すごいなマリーちゃん
ナイスアイデア!
今の時間ならギルドにも人は少なさそう
買い物ついでに行ってこようかな
「女性冒険者限定のクエストか、なかなかいいアイデアだね。女性のおしゃべりは侮れないからね。」
「まぁあなた、有意義な情報交換ですよ?ふふふ。セレニティ様、今から行って参ります。人数は5名くらいでしょうか?」
「そうですね、パーティで受ける場合も想定して、5名から10名くらいで依頼しましょう。買い物ついでに私が行ってきます。戻りは少し遅くなるかもしれないので、プリンはオヤツに皆さんでどうぞ。」
「良いんですか?」
「はい、もちろん。ついでなのでお気になさらず。行ってきます!」
ちゃちゃっと用意して、早速冒険者ギルドへいざ!!
「「「「行ってらっしゃいませー」」」」