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異世界に転職しました  作者: Aries
第1章
21/202

トキメキ

 




 商人ギルドへ向かいながら今後について思案中


 女将さんが代わりに売ってくれるなら楽だなぁ〜


 毎月来ないといけないけど


 あ!


 見た目老けないし、ミーティアはゆっくりしか成長しないから怪しまれちゃうかな〜


 今度、ルシフェルを連れてきて運ぶのは任せようかな


 それともつくりかた教えて自分で作ってもらう?


 いやいや、シャボンの木がないと無理だ


 あれを説明するのはマズイ


 そのまま直接転移しちゃう?


 それもありかな


 あーお金を稼ぐって大変だな


 まぁ私はだいぶ恵まれてるけど


 大変だけど楽しい


 さてと、ソフィアさんは今日もいるかな?


 商人ギルドの中は空いてたのですぐに見つけることができた


 出来れば少しでも知ってる人が良いし、宿のお礼も言いたいからね


「ソフィアさん、おはようございます。昨日は宿をご紹介頂きありがとうございました。」


「おはようございます、セレニティ様。その様子だと、気に入っていただけたようですね。お力になれて幸いです。商品の確認でございますか?」


「はい。よろしくお願いします。」


「かしこまりました。では、こちらの部屋でお待ち下さい。」


 商談用の小部屋に通されたのでソファに座って待つことにする


 この、商品の確認というのは絶対にしないといけないわけでは無い


 初心者の商人に、確認した商品の需要や流通ルートなどのノウハウを教えてくれる、ギルドにもギルド会員にも両方にメリットがあるサービス


 ギルドは他よりも先に商品を見ることができ、商人はギルドに商売のアドバイスをもらえる


 昨日までは私もアドバイスをもらおうと思ったんだけどね


 ミーティアは大人しく寝ててくれているので抱っこ紐を外して横にねかせる


 石鹸のサンプルを出していたらソフィアさんがお茶を持ってきてくれた


「それで、早速ですが簡単で結構ですので商品の説明をお願いします。」


 オレンジの匂いの石鹸とゼラニウムの花の香りがする石鹸とシアバターのボディークリームの説明をして、実際に少し使ってもらうことにした


 今まで私がサンプルとしてお渡ししてるのは、乾燥の途中でひび割れたり、ホコリやゴミが入ったりした部分を取り除き、形が悪くなったものや、水晶の形にカットして遊んだ削りカスみたいなものなので、品質には全く問題ない


 石鹸をお手洗いで使って来たソフィアさんはうっとりしながら匂いを嗅いでる


 両方使ったのかな?


 匂いが混じってわからなくなりそうだけど、フルーツとフローラルだから混ざっても嫌な匂いではないか


「これは保湿クリームなので、こちらも是非お試しください。お風呂上がりに塗ると肌がしっとりします。」


 保湿クリームを塗ったソフィアさんは自分のお肌を確かめるように何度も何度も撫でてる


 お肌には保湿が大事ですからねー


 分かりますよ、その気持ち


「それで、こちらはおいくら程にされるんですか?良ければ是非、等ギルドでも仕入れさせて頂きたいです。何なら専売契約を!」


 ふむ


「販売価格は石鹸だとオレンジは800ベリル、フローラルの方は1800ベリル、クリームは…量にもよりますが5000ベリルっといったところでしょうか?」


「高いですね。貴族相手に商売をする気ですか?この質ならそれも可能だと思いますが…」


 ぼったくりな気もするけどクレアさんのお墨付きなのです


 ギルドが売るとなるともっと割高なんだろうけどね


「売れると思いますよ?まぁギルドに卸す気は無いんですけど。正直、石鹸はともかく保湿クリームの販売は思案中なんです。これ!というものがなくて…」


「そこを何とか!ギルドに卸しては頂けませんか?」


「うーん、そうですねぇ。ソフィアさん、貴女のことはとても好感が持てます。仕事柄、終始そのように振舞っているのでしょうが、田舎者の小娘相手にも丁寧に接して頂きました。とても感謝しています。」


「まぁ…そんな、そのように思って頂いて私も嬉しいです。」


「ただ、なんていうか…」


「なんていうか?」


「妥協はできません!…可愛くないんです!」


「か、可愛くない?!」


「はい!クリーム自体には問題ないと自負してます。しかし、容器が全然、全く可愛くないんです!!」


「はぁ…瓶のことでしたか。ですが、品質に問題ないなら、是非販売して頂きたいです。大事なのはなかみですよ?」


「いいえ、ソフィアさん!毎日使うものにこそ可愛いが求められると思います。たしかにしっとりするクリームではありますが、この容器にはなんていうか…そう!トキメキ!!トキメキが無いんです!!トキメキは大切なんです!!!トキメキを無くした女は…」


「…女は?」


「枯れていくのです」


「?!」


「まぁ持論ですが」


 年齢が気になるお年頃であろうソフィアさんには酷な話かもしれないけど、ここは譲れないのだ


「だから妥協はあまりしたくありません。もう少し足を伸ばして探そうと思います。」


 まぁまだ1都市目だしね


「そ、そんなっ」


 ごめんね、ソフィアさん


「ソフィアさん。改めまして昨日は良いお宿をご紹介頂きありがとうございました。こちらはささやかながらお礼です。受け取って下さい。」


「?!」


「ギルドの方にこのような事を言うのは心苦しいですが、こちらは使ってしまったので売り物にはなりませんし、お気になさらないでください。上司の方には、個人で育児の片手間にやっているので、ギルドに卸せるだけの量産ができないと断られた。とでも仰ってください。」


「…はい」


 さっきよりちょっと声のトーンを落として、なるべく聞かれないように気をつけたから大丈夫でしょう


 ソフィアさんはまだしぶしふって感じだけど


 ノルマとかあるのかな?


 それとも個人的にクリームを気に入ってくれたのかな?


「そういえば!忘れるところでした。木漏れ日亭の女将さんが、相談があるので今日お暇だったら夜に会いたいと仰ってました。私は戻りますので、ご返答お伝えしますよ?」


「マーガレットさんがですか?そうですね、今晩は予定がないので仕事終わりにお伺いします。とお伝え頂けますか?」


「了解です。では、失礼します。お茶ご馳走さまでした。」


 そう言って商人ギルドを後にした




 ***




 さてさて面談も終わったし、食材を買って帰ろう


 持って帰るお肉とか卵とかも欲しいし


 家具も見たいんだけど、お昼までに帰らないといけないから後回しにしないと


 まだマルシェもやってるので色々見て回ろう!


 野菜類は自分で作れるけど、見たことない異世界の食材があるかもしれないし!


「いい野菜はいってるよ!見てってくれ!」


「さぁさぁ!こっちも新鮮な果物が安いよ!」


 活気があって良い感じ


 卵だ!!


 ささっと鑑定して鮮度を確認


 うんうん!


 朝採れの新鮮な卵!


 これは買いでしょ!!


「おじさま、卵下さいな!2ダースお願いします。」


「お!お嬢さん、まいどあり!だけどそんなにいっぱい買って食べきれんのかい?」


「大丈夫ですよ!みんなで分けるので!」


「そーかい!ありがとな!お嬢さんみたいな別嬪さんに買ってもらって鼻が高いぜ!オマケしとくからまた買いにきとくれ!」


「わ!ありがとうございます。また来ますね!ふふふ。」


 やった!


 ラッキー♪


 バックに入れるフリして卵はそっと、割れないように亜空間へ


 後は、お肉とー牛乳ないかなぁ


 チーズとか乾物とかもあると良いなぁ〜


 楽しくて頬が緩む


 るんるんで歩いて、お買い物は滞りなくできた


 マルシェの皆さんとても親切で良い人達ばかりで良かった!


 どこに何が売ってるか、どの店がオススメか教えてくれるし、オマケしてくれるし、試食もさせてくれたし短時間で色々見て回れた!


 お土産もいっぱい買えたし、大満足です!


 さて、もうすぐお昼だし木漏れ日亭に戻らなきゃ







「おい、見たか?あのお嬢さん!めっちゃ可愛いかったなぁ!!」


「天使だ!天使!!」


「あんな娘が嫁に来てくれたら最高だよなぁ。」


「何言ってんだアンタ達!子持ちだっただろ?若いのに意外と苦労してんのかも知れないねぇ。」


「子供も可愛いかったわぁ〜美人なのに気取ってなくてとても良い子だったし、また来てくれると良いわね!」


「うちの息子の嫁に来てくれないかしら〜私もあんな娘が欲しいわぁ〜」



 セレニティがニコニコするだけでマルシェの活気が上がりちょっとした経済効果があった


 かな?





トキメキ、大事ですよね!

個人的には化粧品の容器が可愛いとテンション上がりますw

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