表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

好意の代償

作者: 桂野耀里

向かいから幸せそうな男女が歩いてくる。

私はそっと視線を外し、左腕に手を当てる。

ズキリと傷が痛む。


好きな男がいた。

優しくてカッコいい人。

好きだと伝えたかった。

それを同じサークルのメンバーによって潰された。

その女は私が好意を持っていることを良しとせず、引き下がるよう迫った。

私が拒否すると、隠し持っていた包丁で私の腕を切りつけた。

直後に駆けつけた彼に、自分で切っていたから包丁を取り上げたと宣った。

違うと言っても信じてもらえず、傷の手当てで病院に連れていかれ、心療内科を勧められた。

その後、女と彼が付き合い始めたと人伝に聞いた。

私はサークルを辞めて大学も授業がある日、それも開始ギリギリにしか行かなくなった。

学部が違うから顔を合わせる機会は少ないけど、苦い思い出のある場所に長く居たくなかった。


傷は完全に塞がっている。

だけど、こうやって思い出す度に切られたところが疼く。


あと、どれくらい痛みに耐えればいいのだろう。


記憶を断ち切るように腕を抑えて足早に立ち去った。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ