続・私がヒロインの筈なのに…
皆様、『あれ、私がヒロインの筈なのに…』をお読み下さって有難うございます!
今作はその後日談です。
「リカちゃん、おはよーう」
「やぁ、リカちゃん。」
朝、4時30分。
私、香山リカの家に親友の藤咲カレンちゃんとその兄『カイト先輩』が家に来た。…早朝にも関わらず、2人ともキラキラした清々しい笑顔で。
いやぁ〜、やはり起き抜けに見る美人は絵になる。…眠気自体は依然としてあるけどね。
「おはよう。どうしたの?」
「ふふふ、この間、約束したじゃない?一緒にお弁当を作ろうって。」
あぁ…。
確かに、数日前に私はカレンちゃんと約束した。が、あの日以来何故か朝方に行う仕事を頼まれ続けたのだ。
例えば、(隣のクラスの)日直の仕事。風紀委員の手伝い。花壇の水遣り。喧嘩の事情聴取……
…花壇の水遣りは良い。それは、私が環境委員会に所属しているからで園芸部の代理としての仕事でも納得出来る。今考えてみると、何故私は風紀委員の手伝いをしていたのだろう?何故通りすがりに見ただけの喧嘩の事情聴取を、私が、朝方に、受けているんだろう?…日直に至ってはもはや意味わからない。
…はい。私は頼まれると断れ無い女です。
基本的にそういうのは全部カレンちゃんがはっきりと断ってくれていたから、断り慣れをしていなかったというのもある。…カレンちゃん、いつも有難う。
最近、狙っているかの様にカレンちゃんが隣にいない時に色んな人から話かけられている気がする。気のせいか?
…って、わけで未だにカレンちゃんとお弁当作りをしていないのだ。
「でも、カイトお兄ちゃ…。あ、違った。カイト先輩はどうしてここに?」
「あー、いいのぉ。ごめんねぇ、リカちゃん。私が間違っていた。是非カイトお兄ちゃんに戻してぇー。やっぱり、独り占めは良く無いなぁって思ったの。」
「え」
「あれから、カレンと話し合ったんだ。それで…やっぱり、昔の様に3人で仲良くしたいって。だから、僕からも「カイトお兄ちゃん」って呼んで欲しいんだけど良いかな?」
「…っ、もちろん!カイトお兄ちゃん!!」
sideカレン
風紀委員長、瀬野ヒロヤ…っ。あいつ、なかなか根に持つ奴ね…。他の奴らも…。
どうやら、最近兄除くいわゆる攻略対象キャラ達がタッグを組んだ様だ。…協力して私をリカちゃんから離そうとしてくる。
…てか、除かれる兄って一体何だ…
単体で来るなら、リカちゃんに近づけ無い様に対処出来るのだが…あいつらはそれぞれの権力を使って来る。それが厄介で仕方ない。
例えば…
「藤咲さーん。風紀委員がなんか呼んでるよー。」
「なんだろぉ?私、何か風紀違反しちゃったのかなぁ。ねぇ、リカちゃん一緒に来てぇ〜1人だと不安…」
「うん。いい…」
「あ、香川!ちょっと、話あんだけど…」
「あれ、佐々木?なんで、こっちの教室にいるの?…てか、ごめんね。私、今からカレンちゃんと一緒に…」
「藤咲は風紀委員長の所行くんだろ?知ってる。…お前さ、藤咲が校則違反してる様に見えるか?」
「カレンちゃんが校則違反なんてする訳ないよ!」
「だろ?じゃあ、大丈夫だ。…だから、お前はこっちに付き合ってくれ!」
「え、ちょっと佐々木⁈どこ行くの?」
「ちょっと、佐々木君!リカちゃんを何処に連れて行くつもりなのよ!」
あー、今思い出しても腹立つ。それから、あいつ(佐々木)リカちゃんに自分のクラスの日直の仕事を手伝わせて…それだけでも腹立つのに次の日の仕事までやらせたのよ…!?有り得ない!しかも、リカちゃんと佐々木。2人で作業したってどういうこと?ムカつく。…リカちゃん1人にやらせたらやらせたでムカつくけど、なんかどっちもムカつく。
いいえ、なによりもムカつくのは、やっぱり風紀委員長だわ。
あいつ、日直の仕事をしている最中に見た喧嘩(もちろん喧嘩の主は田浜先輩)の事情聴取にリカちゃんを“朝”呼んだのよ?完全に私に対する妨害じゃない!
…ふふふふふ。
そっちがその気なら私にも考え(権力)があるのよ…?
私は苦肉の策として、兄(権力)と協力することにした。他の男(攻略対象)に渡す位なら、兄に渡してリカちゃんの義理の妹になる道を選ぶわ…!
今はお昼休み。ここは焼却炉近くの裏庭。隣にカレンちゃんはいない。(ちょっと、佐々木とお話したいことがあるんだって!)
「よしよし、今ご飯あげるからねー?」
「ニャー」
私は朝カレンちゃんとお弁当を作った時の余りをポケットに忍ばせていた。
この子(猫)は最近になって仲良くなった子だ。日直の仕事の1つで、ごみ捨てをしてた時に見つけたのだ。
朝方呼び出されて疲れていた分この子に癒された。
「よしよしよし〜。あーもうほんと可愛いなぁ〜」
ご飯をあげるのと同時にそっと抱いてみる。良かった。嫌がられてないみたい!
「…そいつが人に姿を見せるなんて…。そいつ、人見知りなのに。驚いた。」
「え?」
…猫を抱きながら、上に視線を動かすとそこに少し驚いた顔をしてる志島先輩がいた。
「君、名前は?」
誰にも居場所を知られたく無いという志島先輩の要望により(流石は孤独を愛する男…孤独?…あれ、私は良いのか?)私と志島先輩との関係(猫仲間)はカレンちゃんにも秘密だ!
《志島ルート………?》
今の所、意識は志島先輩に向いています。初めて、ヒロインがカレンちゃんに秘密を作った相手です。そして、志島先輩は何か(恐らくカレン)を察しての確信犯。
田浜先輩は喧嘩してばっかwになってしまいました。特に奴ら(佐々木と風紀委員長)と協力してません。たまたまです。いけしゃあしゃあと利用されただけです←




