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愛情が生んだ奇跡

未来は、変えられるかもしれない。欲望のままに世界をいじったところで変わることはあり得ないが、純粋な気持ちに突き動かされた者なら、もしかしたら変えられるかもしれない。自分の思った未来を、最高の人生を、作れるかもしれない。1%の奇跡を信じて、俺は、絶対に、変えてみせるんだ。


何度目かの、白い世界。電車に轢かれたせいでバラバラになったはずの俺の肉体は蘇り、ちゃんと白い世界の真ん中で浮いている。

見渡す限り白ばかりの景色に一人女の子が入り込んでいる。魂だけかはわからない、最初の人生で死んだはずの清水美与子。

「美与子、教えてくれ」

こちらを向くことはない。2人とも無言の時間が少し続き、やっと口を開いたのは俺の方だった。

「俺は、何していいのかわからない。たくさんの人生を巡りすぎて、疲れた。もう、ここで終わりにしてもいいかもしれない。でも、いい人生には巡り逢えなかった俺がいる。お前にはっきり好きと言われて、嬉しかった俺がいる。だけど好きって気持ちが薄れてしまった俺がいる。こんなの、どうしようもないよ。戻れるなら、もしも戻れるなら、最初の人生に戻りたい!お前を好きだった俺に、戻りたい!最初っから、やり直したい!」

自分の心から深い闇が消えたような気がした。奥底から湧き上がる光の束が、何もかもを照らしてくれる気がした。

振り向かない美与子を、俺から出た光が包んでゆく。美与子は俺を恨んでいたかもしれない。俺のために頑張ってくれていた美与子を、一度は嫌ったりもしてしまった。今思えば、美与子がどれだけ俺を支えていたか。どれだけ俺に元気をくれたか。変わっていく俺を、元に戻そうと頑張ってくれていたのかもしれない。その気持ちに、俺も答えなければ。今度は、俺が美与子を助ける番だ。

そして、「あの頃」の気持ちが、蘇ってきた。

好きという感情が。とても深い、愛情が。

「こんなわがままでも、聞いてくれるか?」

最後の、問いかけをした。俺は、願いを込めた。

それに応えるかのようにゆっくりと振り返った美与子は、俺が見た中で一番の、笑顔を見せてくれた。

「もちろん、遊真!私にたくさんの気持ちをくれて、ありがとう!」

一瞬で、世界が消える。一直線に、一つの人生へと向かっていた。

最初の、宮戸遊真の人生へと。


光が見えた。生まれるんだ。誕生の瞬間は、何度目だろう。看護師に看取られて産声をあげ、父親に抱きかかえられる。

出生時刻は、予想とほぼぴったりと看護師は言っていた。産んだ母親の顔色は、良くなっていた。宮戸遊真は、2人の親の間の「可愛い男の子」として、育てられることになったのだ。両親は生きている。優しそうな目をした父さんと母さんが俺を見てる。

最高の人生に、巡り逢えたのかもしれない。

やばいですね、この小説グッドエンドになりそうです(←別にいいじゃねえか)。

とりあえずグッドエンドで終わらせるつもりですが、これからは鬱グロは無くなりそうですね、期待してた方々すんませんf^_^;)

ここまで読んでくれた人たちへ、最後まで、「偽りの絶えぬ世に」をお楽しみください。

ていうか最近この小説内容がグダってきてないか?っていうのが作者の感想でございます。

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