04 呼び名
目標は一週間に1~3話投稿することです。
そして、失踪や打ち切りENDを迎えないことを切に願っております。
ご意見、ご要望がありましたらどしどしお願いします。
まさかギャルゲスキルを手に入れてしまうなんて…。
え、童貞のお前にはピッタリだろって?バカ野郎。
もし自分がこの特殊技能を使ったらどうする。
問答無用でハーレムルート突入だぜ。
童貞にハーレムルートを望むなんて身が重過ぎるだろ。
そもそもハーレムなんて優柔不断男の末路だろ。
自分はNoといえる日本人だ、だからきっとハーレムにならずに済むはずだ…きっと。
しかし、ギャルゲスキルの元の技能っていったいどんな技能だよ。
だが、今はそれよりも重要な事がある。
(なぁ、この特殊技能って魔法なのか?)
(いえ、魔法と違って特殊技能は魔力を基本的に使いません。それは、あくまで技能だからです。ですが、自らの意志を持って使うタイプの特殊技能は使うと疲れます。その点においては確かに同じですけど、特殊技能の疲れは赤ん坊のころなら実感できるでしょうけど成長するとしなくなると思います)
(あ、そうだ今自分がお前と意思疎通しているのってもしかしてその『超疎通』のおかげか?)
(おそらくですが、それであっていると思います)
なるほど道理で疲れるわけだ。正直眠い。
しかし、こうしてさっきまでの話を考えてみるとさっきから「あっ」ってなって、無駄に察しが良くなっているのは全て技能である『察し力』に起因しているとみて間違いなさそうだな。
(あの、少しよろしいでしょうか)
(あぁ、なんだ)
(先ほどから気になっていたのですが、私はあなたの事をなんとお呼びすればよろしいのでしょうか?その…人間にとって長い付き合いになるでしょうから…)
おおおおぉぉぉぉおぉ、呼び名か。
こんな大切な事を忘れていたとは情けない。
そういえば自分の名前はなんて言うんだろう。
前世の名前で呼ばせるのはちょっと避けたいな。
別に前世の名前がドキュンネームだからとかじゃないよ。
前世の名前は「勇斗」っていう普通の名前なんだけど、なんかこの名前に飽きたですよ。
後、彼女ができないような名前からはおさらばしたいような…。
嘘です。すみません。
本当の理由は別にあります。
だってせっかく呼び方を聞かれているんですよ。
女の子(まだ男の娘という可能性はあるが)に好きなように呼んでもらえるんだよ。
先生、お兄ちゃん、あなた、ご主人様、いろいろあるんだよ。
その選択肢を捨ててまで名前で呼ばせるなんてかなりもったいないだろ。
異論は認めん。
ついでに前世では、弟に『兄さん』と呼ばせていた。
その理由は、あるアニメで主人公が義妹に自分のことを『兄さん』と呼ばせていたことに起因している。
子供心にその『兄さん』という言葉にグッときちゃいましてねー。
それ以来、弟に頼んでそれまでのお兄ちゃんから兄さんに変えてもらったんだ。
妹と弟は違うだろ?とかいうツッコミも受け付けないからな。
いろいろ考えたがやっぱりこれだな。
(よし、今度から自分のことはマスターと呼べ。そして、自分もお前のことをフランと呼ぶことにする。分かったなフラン)
(はい、了解しました)
(違う、こういう時はイエス・マイマスターだ。分かったなフラン)
(イエス・マイマスター)
ピロ~ン
これが自分とフランとのある種の主従関係が結ばれた瞬間だった。
そしてこの時微かに鳴った音に自分は気付くことは無かった。