03 ギャルゲスキルはチートですか?
(特殊技能の詳細について、答えられないとはどういうことだ)
さっきまでは、ほいほいなんでも答えていたのにこいついきなり答えられないとかのたまってきやがりましたよ。
最初はあんなにびくびくおどおどしていやがったくせにものの数分でこのありさまですよ。
いまじゃ、仕事のできる秘書風な話し方しやがって。
本当何様だよ。
精霊だか妖精だか知らないがどちらが立場が上か教えてやる必要がありそうだな。
(はい、正確に言うと加護によって得ることのできる特殊技能は、加護を与える者の持つ特殊技能の劣化版なのですよ。それゆえ場合によっては、まったく異なるものになる場合もあるそうです)
(あるそうですっていうことは、誰かに聞いたのか?)
(私は加護を与えた経験が無いので経験のある友人の妖精に聞きました)
(え、もしかして自分が初めてなのか?)
(はい、初めてです)
ならしょうがないな。
自分もいろいろな意味で未経験だしな。
それを責めるのは酷ってもんだ。
(しかしそれは困ったな―)
特殊技能が何かも分からないなんて、それ自体があってないようなものだしな…。
でも、それじゃせっかくの転生チートがなぁ。
初めからないなら我慢できるがせっかくあるのに使えないなんて生殺しだ。
せっかく三つもあるのにな…
(あっ。でも、なんでお前は特殊技能が三つあるって分かるんだ?)
妖精の持ってる特殊技能全てが劣化して加護を受ける者に与えられるという可能性はある。
しかし、可能性としては低いだろう。
先ほどフランチェスカが加護によって与えられる特殊技能が三つあることを誇っていた。
もしフランチェスカが特殊技能を三つ持っていてその数を誇るなら、自分自身をほこるはずである。
何よりこいつは「詳細が分からない」という言い方をした。
これは、逆に概要ぐらいならわかっているのではないだろうか?
(はい、加護によって与えられる特殊技能については、各特殊技能の名前とその技能の及ぼす簡単な効果程度ならお教えすることができます。)
(充分じゃないか、さっそく教えてくれ。)
(一つ目は『察し力』ある特定条件下で天啓的に察することができます。二つ目は『好印象』で、第一印象から始まり、日常での会話まで多岐にわたって周囲の人からの印象が良くなります。最後は『超疎通』です。これは対象が使える意思疎通方法を使用してその対象と意思疎通することができます。そのさい技能使用者が本来なら使えない疎通手段であっても使用することが可能となります)
自分は衝撃を受けた。
なんていうかネーミングがそのまますぎだったり、思ったより特殊技能の効果が詳しかったり、さっきまでの動揺はなんだったんだとか思った事はたくさんあるが自分の頭の中を大部分を占めたのはある一点だった。
それってギャルゲスキルじゃね?ということだ。
『好印象』はそのまんまだが、『察し力』があればどういう発言をすればどの女の子のルートに入れるかが分かるのではないだろうか?
言ってしまうとどの選択肢を選べばいいか分かってしまうというスキルである。
さらに、『超疎通』一見ギャルゲには関係なさそうだがギャルゲにはロボット、宇宙人はたまたお化けなどのような女の子がたくさんいる。
そんな女の子達と彼女達の母国語などで会話できる。
これは否応にも好感度があがるだろう。
確かに物語の中の主人公が持つようなチートスキルは欲しかった。
だが、まさかギャルゲの主人公が持つようなスキルを手に入れてしまうとは…。
今回でようやくギャルゲスキル習得です。
主人公はスキルの内容を額面どおりに受け取りましたが本当にそれであっているのでしょうか?
それは、作者も知らない。
いきあたりばったりな内容でスミマセン。