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佐倉楓を探して 5
「……そうですね。ありがとうございます」
私は閑散としたリビングを見た。
私と喧嘩をするアスタさん。
それを見てケタケタ笑うティフさん、気にすることなく食事をとったり観戦したりするエンドール兄弟。
私が放つ技に、アスタさんが撃つ攻撃に目を輝やかせるメアさん。
そして、うんざりとしつつも暖かく見守っている楓さん。
今は亡き、欠けてしまった二人を取り戻し、あの時の光景をもう一度。
もう一度この目に納めるために。
「それでは、お願いします。お馬鹿なあの人を頑張って探し出しましょう!」
「おうともさ!」
「うむ。とりあえず奴を連れ戻すことから始めようではないか」
私は二人の顔を見た。
二人の顔は一切の曇りがなく、そして何より頼もしかった。
「それでは行きましょうか。旅の始まりです」




