戦闘開始秒読み
端末の調子が悪くてまさか23回も同じ文を書く羽目になるとは思ってなかったでござる
「てめぇら準備はできたか⁉︎」
「おー!」
「気合い入ってるか⁉︎」
「おー!」
「お菓子は150円を守ったか⁉︎」
「……つまんね」
「はうあ⁉︎」
僕たちは今、最も人が集まるであろういつもの街に向けて歩いている。
おっさんが再確認に到来したすぐ後に高坂が執筆した記事が僕たちの家に届いた。
住所の登録とかはしてないのになんで届いたのかは謎だ。
それはさておき、気になるのはその内容だ。
その内容というのはルールの補足だった。
基本はデスマッチ。
つまりルール無用の残虐ファイトとなるわけだ。
相手を倒してあの黒い物体……キューブというらしい。
相手のキューブを奪うと自分のキューブに吸収され、一つのキューブに変わる。
キューブをなくした時点でその参加者は失格となる。
大会が終わる期日までに出来るだけキューブを奪って参加者を減らし、大会終了後に帰してもらえる四人の枠を奪った数で競い、上位四人が元の世界へ戻る権利を与えられる。
つまり悪人のキューブを狩っていけば自然と普通の参加者のみになっていくということだ。
わかりやすい。
そしてその裏面には僕と桜の記事がかいてあった。
異名登録をしたというどーでもいい報告だった。
もしこれが他の人にも読まれるのならばやめてほしいものだ。
「しかし……」
重い。
足がものすごく重い。
ナイフと銃だけじゃ流石に不安なので靴底にその辺で拾ったものすごく重い謎金属を仕込んで靴を武器状態にしている。
僕自信が武器として物を認識しないと能力は作動しないので、靴で自分を殴ってこの靴は鈍器になりうる武器だと体で覚え込んだ。
今だに頭が痛む。
だがお陰で蹴りを使える様になり、手数が増えた。
最終調整に榊と手合わせをしたとこがそれなりに動くことが出来た。
僕はこれだけ装備を固めて決戦仕様に姿を変えているのに対して、他の奴らが手ぶらなのは何故だ。
唯一エロガキが電池とスタンガンを持っているのみだ。
なんというか……緊張感が無い。
「ティフ……なんで何も持たずにいられんだ?」
一番攻撃力に乏しいであろうティフに質問を投げかける。
「そりゃ……あっしは壁ですし……」
「壁ですしって……死んでも痛いもんは痛いんだろ?」
「言っても無駄だぞ。そいつはドMだからな」
マタドーラの口から発せられる衝撃の事実。
「……‼︎」
榊が口をパクパクとさせている。
15歳には刺激が強すぎたか。
「そーだよー。色々あって死にまくった時なんか恍惚のひょーじょーで生き返るんだもんなー」
いつも通り適当な声で喋るエロガキだがどこかその声には哀愁のようなものが漂っている。
エロガキ……。
「人の性癖をそう簡単にバラさないで欲しい……」
いつもハイテンションなティフにしては珍しいローテンションだ。
でも確かに自分の性癖をバラされたら僕もああなると思う。
なんてったって僕は逆レ…………なんでもない。
「おい、そろそろつくぞ。気を引き締めろ」
シリアス口調になるアスタ。
……よし、気合いれていくぞ。




