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氷鉋聡美の事件簿  作者: 桂 ヒナギク
氷鉋 聡美、最初の事件!
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File 4

 いつも通り学校に登校する。

 学校では、臨時集会が行われていたが、私はそれには参加せず、事件現場に来ていた。

 小島先輩の死んでいた個室で、封筒を見付ける。

 これ、発見した時はなかったわね。

 私は封筒を手に取り、中を確認した。

 中には私宛の手紙が入っていた。

『聡美へ。聡美がこれを読んでいる時、俺は何らかの原因で君の前にはいないだろう。だから、ここにメッセージの残しておく。犯人は学校内にいる。そして、それは教師だ。後は自分で見付け出してくれ」

 教師……1040……そうか、分かったぞ!

 私は警察に連絡して、一連の事件が分かったため、直ぐに学校へ来るよう伝えた。

 そして、私は集会が終わった後、ある人物を屋上に呼び出した。

「俺に用事って何だ? てか、沼沢がいないが?」

「拓也は殺されました」

「ほう。誰に?」

「小島先輩を殺害した犯人にね」

「そうか。沼沢も刺し殺されるなんて災難だな」

「刺し殺される……なぜ知ってるんです?」

「そ、それは昨晩のニュースで……」

「なるほど」

「それより、小島と沼沢を殺したのは誰なんだ?」

「昨日、私は警察で事情聴取で現場の写真を見せられました。そこには、血文字で『1040』と書いてありました。当初、私はそれが何なのか、分かりかねてましたが、今日になってその意味が分かりました。この数字は、ダイイングメッセージで犯人の名前を記してあったんです」

「で、その犯人は?」

「それは貴方ですよ、真鍋 敏男先生!」

「はっ、ハハハハ! これは傑作だ! 俺が殺したって言う証拠はあるのか?」

 しまった。証拠がない!

 だがその時。

「証拠ならありますよ、真鍋さん」

 杉山刑事が現れた。その手には袋に入ったナイフを持っていた。

「これは沼沢 拓也が殺害された時に現場に残っていたものなんですが、このナイフから貴方の指紋が検出されました。これについて、ご説明願えますか?」

「くっ……」

 真鍋はその場に崩れた。

「真鍋先生、どうして小島先輩を殺したりなんか?」

「あいつは、俺の妹を薬物で自殺に追い込んだんだ。薬物と言っても、脱法ハーブだがね」

「どうしてそれを警察に相談しなかったんですか?」

「相談したさ。だけど、警察は自殺で処理したじゃないですか! 警察は一度自殺で処理したことは再捜査はしないから、だから、だから……!」

「詳しい話は署の方でしてもらいます。では」

 杉山刑事が真鍋に手錠をかけた。

「氷鉋さん、ご協力ありがとうございます。しかし、あれですね。あの意味不明な数字を解読してしまうなんて。では」

 杉山刑事は真鍋を警視庁へ連行して行った。

 私は学校を早退し、拓也の家を訪ねて、仏壇に線香をあげるのだった。


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