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氷鉋聡美の事件簿  作者: 桂 ヒナギク
氷鉋 聡美、最初の事件!
3/4

File 3

 その日の朝、私の携帯に電話がかかって来た。

「もしもし?」

「もしもし? 私、警視庁捜査一課の杉山と申しますが、沼沢 拓也さんの件でお電話させていただきました」

「拓也? 拓也がどうしたんですか?」

「実はですね……大変申し上げにくいのですが、沼沢さんがお亡くなりになったんです」

「え?」

「ですから、貴方の恋人である拓也さんが、何者かにナイフで刺し殺されたんです。つきましては、身元確認をお願いしたいので、これから警視庁の方へおいでいただきたいのですが、お時間は大丈夫でしょうか?」

「……分かりました。これからお伺いします」

 私は着替えを済ませると、警視庁へ向かった。

 拓也の身に何が?

 警視庁に着き、霊安室を杉山という刑事と共に訪れた。

 台の上に拓也が横たわっていた。

「拓也!」

 だが拓也は何も答えないし目も開けない。

 拓也は杉山刑事の言う通り死んでいるのだ。

 私は事情聴取のため、取調室に入った。

「遺体の側に血文字でこんなものが書かれていました」

 刑事が見せた写真に、1040という数字が血で書かれていた。

「これについて、何か思い当たることはありませんか?」

「さあ……分かりません」

 1040……一体、どういう意味なのだろうか。

「そう言えば……このダイイングメッセージ? とは関係ないんですけど、先日、拓也と一緒に小島先輩の事件を調べてたら、何者かに襲われたんです。たぶん、それが犯人だったんじゃないかと思うんですが……」

「その人物の顔は見ましたか?」

「夜で暗かったし、フードを被っていたので顔までは……すみません」

「いえいえ、少しでも情報が分かっただけでも助かります。それから、危険なのでこれ以上事件に関わらない方が懸命ですね。あとは我々警察にお任せ下さい」

「分かりました。もう帰っても?」

「はい」

 私は警視庁を後に、自宅へと戻って考え込んだ。

 1040……何かのパスワード。それとも暗号?

 ダメだ。いくら考えても分からない。

 私はベッドに横たわった。

 眠りに就き、夢の中で拓也に出会う。

「拓也?」

「血文字は……え……だ」

 聞き取れなかった。

 立ち去ろうとする拓也。

「待って!」

 追いかけようとする私だが、なぜか足が重くて動けなかった。

「はっ!」

 目が覚め、起き上がった。

 窓の外を見ると、もう夕方だった。

 私はカーテンを閉め、階下へ降りた。

「お母さん、お腹空いた」

「冷蔵庫に牛丼が入ってるわ。それ食べて」

「分かった」

 私は冷蔵庫を開け、牛丼を取り出し、レンジで温めて食べた。

 1040……どういう意味よ?


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