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休み明け、私は学校に登校した。
私は例の現場へ行ってみた。
「聡美、おはよう」
拓也が現場から出て来た。
「何か見付かった?」
「警察が全部持ってったみたい」
「そりゃそうでしょうよ。取り敢えず、聞き込みしない?」
「そうだな」
私たちは小島先輩のクラスへ移動した。
「小島の最近の様子? 分からないな。俺、小島とはあまり関わってないからな」
他にも何人かの生徒に話を聞いてみたが、事件に進展は無かった。警察も聞き込みでは何も得られなかったであろうことが窺える。
「あ!」
「どうした?」
「教師に聞き込みしない?」
「グッドアイデア! それなら何か得られるかもな」
私たちは職員室へ移動し、小島先輩の担任教師、真鍋 敏男に声をかけた。
教師は小島について、素行の悪い不良だ、と述べた。
「小島先輩に何か変わった様子はありませんでしたか?」
「さあな。俺はあいつが死んで清々してるよ」
「そうですか」
何も得られなかった。
私と拓也は職員室を出た。
「どうする?」
「取り敢えず、授業に出ましょう。もう始まるわ」
私たちは教室へ行き席に着いた。
……。
…………。
………………。
放課後、私たちは小島先輩の自宅を訪ねた。
居間に白装束に身を包んだ小島先輩の遺体が横たわっている。
「孝之のためにありがとうございます」
小島先輩の母親が会釈をする。
「いえいえ。それで、先輩に何か変わったことは?」
「警察の方にも話したんだけど、あの子の外での様子のことはよく分からないのよ。聞いても何も喋らないしね」
「そうですか……」
「彼に恨みを抱いている人物に心当たりは?」
「そう言えば、あの子が亡くなる前の晩に貴方達くらいの男の子が訪ねてきたわね。その時、あの子はいなかったんだけど、用件を訊いたら帰って行ったわ」
「そのこと、警察には?」
「今思い出したことだから、警察にはまだ」
「そうですか」
「取り敢えず、おばさんはそのこと警察に通報しておいて下さい。では」
私たちは小島先輩の家を後にした。
「怪しいのは、おばさんの話にあったその男の子ね」
「取り敢えず、今日はもう遅いから、また明日な」
「そうね」
私は拓也と別れ、帰路に就いた。
コツコツ、背後から足音が聞こえる。
「誰!?」
振り返ってみると、フードを被った怪しい人物が立っていた。
手元にはナイフ。
狙われている、そう直感した私は一目散に逃げ出した。
怪しい人物が追いかけてくる。
恐らく、事件の犯人に違いない。
「お巡りさん──っ!」
そう叫ぶと、怪しい人物は踵を返して逃げていった。
警告かしら。燃えるわね。