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氷鉋聡美の事件簿  作者: 桂 ヒナギク
氷鉋 聡美、最初の事件!
1/4

File 1

 私は氷鉋ひがの 聡美さとみ。東京の私立高校に通っている。

 昼休み、私は弁当を食べるため、屋上へとやって来た。

 屋上には何人かの先客がいた。

「聡美──!」

 彼氏の沼沢ぬまざわ 拓也たくやが手招きをしている。

 私は彼の隣に着き座った。

「待った?」

「いや、今来たとこ」

「そう」

 弁当箱を開ける。中身は冷凍食品を解凍したものだった。

 私は弁当を食べる。その隣で拓也も食べ始める。

 食事を終え、教室へ向かう私たち。

「聡美、明日休みだし、映画でも見に行かない?」

「何見るの?」

「ル○コナはどう?」

「それ見たかったのよ。行くわ」

 教室の前に映画を見に行く約束をして別れる。

 拓也は隣のクラスに入って行った。

 私は教室に入り席へ着く。

 授業開始までは後十分くらいあった。

 授業始まる前にトイレへ行っておこうか、そう思った私は女子トイレへと向かう。

「うわああああ!」

 女子トイレに隣接する男子トイレから男子生徒の悲鳴。

「どうしたの!?」

 私は男子トイレに駆け込んだ。

「こ、小島先輩が……!」

 私は男子生徒が指差す個室の中を見た。そこには、制服を着た男子生徒が血塗ちまみれで死んでいる姿があった。

 死んだのは、小島こじま 孝之たかゆき。本校の三年生だ。生前の小島はあまり評判がよくない。

「現場保存よ。貴方、ここを出てくれる? それと先生たちにこのこと伝えて」

「あ、ああ……」

 男子生徒はトイレを出て行く。

 私は携帯を取り出し、一一〇番通報をした。

 警察が到着し、捜査が始まる。

「君、ここは男子トイレじゃないか?」

「そうですね」

「何で女の子なのに男子トイレに?」

「悲鳴が聞こえたから入ったんです」

「ということは、第一発見者ってのは他に?」

「ええ」

「なるほど」

 刑事が仲間の刑事に第一発見者を捜すよう指示した。

「それじゃあ君はもう出ていなさい」

「はい」

 私は男子トイレを出ると、女子トイレに直行する。我慢していたからだ。

 個室で用を足した私は、男子トイレを見る。

 入り口は立ち入り禁止の黄色いテープで封鎖されていた。

 入ることは出来なさそうなので、諦めて教室へ戻る。

 クラスメイトたちは帰りの支度をしていた。

「氷鉋さん、一斉下校だって。理由は分からなかったけど、職員会議でそう決まったらしいよ」

「実はね──」

 私はクラスメイトの耳元で囁いた。

「え!? 殺人事件!?」

 驚くクラスメイト達。

「殺されたのは小島先輩よ」

「あの有名な小島先輩?」

「私、死体見ちゃった。血塗れだったわ」

「そうなんだ。それより、帰ろう?」

「ごめん。拓也と帰る」

「あっそ」

 クラスメイトは教室を出て行った。

 私は支度をすると、拓也のクラスへ移動した。

「拓也、帰るわよ」

「待って。今、準備する」

 拓也の帰り支度を待ち、一緒に下校する。

 校門の前にはパトカーが数台止まっている。

「何か遭ったの?」

「学校で殺人が起きたのよ」

「殺人!?」

「小島先輩が殺されたのよ。血塗れだったわ」

「小島先輩が!? 早く犯人見付かるといいね。てか、俺たちで見付けて警察に突き出してやろうぜ?」

「あ、それ面白そう」

 交差点に差し掛かる。

「じゃあ、また明日」

「じゃあね」

 私は拓也と別れ、自宅へと歩いて行く。



 To be continued...

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