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神の器  作者: 紅きtuki
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第6話 「敗北」

「ねぇ、夏輝なつき。神剣の事を教えてよ」

美月みずき今東こんどうから神剣の事を聞いてからどうやらそのことに興味をもったらしい。


「はぁ? 何だよ急に……まぁいいけど、あと俺はあまり詳しい事は知らないからな、それでもいいなら教えるけど」

夏輝は頭をかきながら言った


「いい! 全然いい! 知ってること全部教えて!」

美月はうれしそうに答えたと同時に夏輝は紙を渡した


美月はこの紙は何かと聞くと、夏輝は表と答えた

どうやら神剣のレベルについて詳しい事を書いてるようだ。


レベル0(ノースキル、無能力)、神剣が使えたらこのレベル


レベル1(アピアスキル、微能力)、美月のように剣がわずかに電流を帯びるなど、どんな能力か判断できる段階。


レベル2(ウィークスキル、弱能力)、能力に慣れてきたらこのレベル。


レベル3(コモンスキル、普能力)、平均的な強さで神剣使いのほとんどがこのレベル。


レベル4(プラクテイカルスキル、強能力)、戦闘ではこのレベルが実用的。


レベル5(ストレングスキル、超能力)、このあたりでレベルの差が大きくなる。


レベル6(リミットスキル、極能力)、火や電流を起こすなどの能力ではここが限界、神剣使いの約9割はレベル6以下。


レベル7(スキルアペックス、聖域)、レベル6の者が10人集まったとしてもレベル7には勝てない、落とした神剣を手で拾わず、手にならワープさせたりできるようになる。


レベル8(スキルマスター、王域)、現在数百人しか確認されていない、神剣を2本以上扱える、だが同時には無理。神剣の形を自由に変化させられる。


レベル9(ゴットウエポンマスター、神域)現在数十人しか確認されていない、神剣を同時に2本以上扱える


レベル10(レジェンド、伝説)今まで過去に14人確認されている、そのうちの2人はレベル11と言っても過言ではないほどの実力を持っていた

これは機関に属している者だけのデータである。それぞれの機関が協力してこのデーターを導き出した。


次に神剣を他の人に渡したらどうなるかが書いていた。神剣を渡したところで能力は使えない。しかし渡した神剣使いと受け取る神剣使いの、

能力が一緒なら問題なく扱える。これは神剣を破壊された者にも有効である。


最後に神剣使いが死んだらどうなるかが書いていた。答えは簡単なことだ、神剣もろとも消滅する。

だが、死んでも神剣が残るという異例がある。これは理屈や原理はわからないがおそらく体が消滅しても、心が生きているからだという。詳細は不明。

マグスマスター(奇跡を起こす者)などが奇跡を起こすなどすれば不可能ではないかも。


紙の裏にこんな事も書いていた。

神剣は昔、心剣と呼ばれていた。昔と言うのは約1000年前の話だ


美月は神剣には歴史があるんだと感心した


「なんで夏輝がこんな紙を持ってるの?」

そう言えばそうだ。美月が神剣の事を教えろと言うのがわかっていたとでも言うのか


「それは機関からもらったものだ」


美月はふーんとうなずき、納得がいったようだ。

その時、夏輝の携帯が鳴った、どうやら機関から連絡が入ったようだ。もちろん美月も携帯は持っている、機関持ちで。だが美月には来ていない。

そのことを夏輝に聞くと、機関のメンバーにはランクがあり、一定の条件を満たすとランクが上がるらしい。

で、美月に連絡が来なかったのは単純な話、ランクが低いからだ。

まったく次から次へと……と言いながら美月はため息をついた。この短期間で知らない事をたくさん教わってきたので疲れているようだ。


「この近くで、神剣使いが暴れてるそうだ。それを止めてこいってさ」

夏輝はめんどくさそうにそう言った


「何で、私たちが? 迷惑だな」

美月は納得がいかないようだ


「本来、神剣使いの目的は普通の人間の監視と安全を守る事だ。俺はそう教わった」

こちらも納得がいってないようだ


なにはともあれ、美月たちは現場に向かうため裏路地を走っていた。

美月は裏路地に落ちているゴミにつまずきながら、暴れている神剣使いの事を考えていた。

神剣使いが暴れている? いったい何のために?夏輝は一般人の監視と安全を守る事って言ってよね……

なんか、矛盾してない!? そんな事を考えながらとうとう現場に着き

美月たちが見たものは、ひとりでに暴れる神剣だった。周りに水を撒き散らしながら周囲を飛び回っている。


「水……?」


「あぁ、水だ、水……そうかあの剣の持ち主はウォーターマニピュレート(水を操る者)か! これだけ分かれば犯人も大体絞り込める」


「ちょっと誰が犯人だって?」


と話かけてきたのは水玉模様の服に水玉模様の靴下、水玉模様のリストバンドに水玉模様のネイルアート

そして水玉模様のパンツが見えそうなぐらいに短い水玉模様のミニスカートを履いた

全身水玉模様の14歳くらいの色白の少女だった。そんな水玉姿の少女に急に後ろから話しかけられて美月と夏輝は驚きが隠せない様子だ。


「だ、誰?」

美月は驚きながらもすかさず聞いた


「あの剣の持ち主だし」

少女もすかさず答えながら、暴れている剣のもとへ近寄った。


夏輝は「お前が犯人か!!」と叫び、剣を出し剣に炎を纏わせながら斬りかかった。

その時、少女が水を纏い夏輝の炎を防ぐと大音量の水が蒸発する音と共に周りにものすごい蒸気ができ、視界を奪った


「くっそ、見えねぇ」

夏輝は無駄と分かりながらも周りの蒸気を手で振り払いながらそう言った


その時どこからともなく少女の声が聞こえてきた


「私は水を操る事が出来るし、それは蒸気と化した水も同じ事だし。今の状況がわかるよね、これ以上君が攻撃を仕掛けるというのなら

この空気に漂う水で溺死させるし。だからおとなしくしてほしいし」

少女は脅すように強くそう言う


「な!?……わかった……おとなしくしよう」

少女の脅しで夏輝は青い顔をし、降参を認めた


この時美月はショックを受けていた。

仮にも自分を助けてくれた男が、このわけもわからないファッションをした少女にこんなにもあっさり負けたのだ。

それに犯人の能力を聞いた時、たかが水を操る力に自分も夏輝も負けるはずもないと絶対の自信を持っていたからなおさらだろう。


「ふふふ……夏輝がおとなしくしても私はどうかな!! 水は電気をよく通すよ、あんたに防げるかな!!」

美月はプライドを守るために少女に攻撃を仕掛けた


「!?」


そして自分の出せる最大の力で少女に一直線に放電した。


「ふふ……どうだ! ……!?」


何と少女は無傷だった。その事実に美月は驚きが隠せない顔をしていた、そして何が起きたのかもわからなかった。


「な、何をしたのよ!? 何であんたは無傷なわけ!? ほんとに水を操る力!?」

戸惑いながらそう聞く


「何で驚いてるの? 意味わからないし……」

少女は嫌がらせではなく、本気で分からないようだ。

その事を美月は嫌がらせだと捕え、さっきまでの戸惑いを忘れ、少女にやみくもに攻撃を仕掛けた

少女は顔に疑問を浮かべながら美月の攻撃を受けていた


美月の攻撃はしばらく続いたがそのうち力尽きて、攻撃は止まってしまった。


「もう終りなの?」


美月はなすすべなくなり、この状況にびくびくしていた。その中で「もう終りなの?」

などと言われてしまってはプライドもずたずただろう。

そんななか、冷静さを取り戻した夏輝が口を開いた


「俺に何をしようがお前の勝手だが美月には何もするな、もともとここまで連れてきたのも俺なんだ。

だが二つ聞かせてくれ、水をばらまき神剣を暴走させた理由と、美月の攻撃をどうやってふさいだかを教えてくれないか? 

あいつはこれがわからないと夜も寝れなさそうだからな」

無事に帰れるか分からないがこんなジョークを言ってみた。


その時、美月は何も言えなかった。降参すると言った夏輝を無視し敵に攻撃、

しかもそれを打ち負かされ、無駄に体力を消費して逃げる力も失い

どうしようもなくなった自分をかばってくれたのだ。

誰がどう見ても自業自得だが、夏輝はそんな自分をかばってくれた、そのことは

悔しくもあり、うれしくもあった。美月はそんな複雑な心境で黙りこんでいた。


「ん? 暴走? あれは自分の神剣の修行をしていただけだし、あとここには夏輝君との戦闘でたくさんの蒸気があったから

とっさにその蒸気を使って電流を私から反らしただけだし」

少女は夏輝の名前を知っていた。というのもさっき美月が一瞬夏輝の名を口にしたのだ、

少女はそれ聞き取り、推理して今ここでそれを口にしたのだ。

あの状況で、この冷静さ。それだけでこの少女の実力が只者ではないと言う事を物語っていた。

そんな事にはきずく気配もない美月と夏輝。


「修行!?」

美月と夏輝は同時にそう叫んだ……美月は声が小さかったみたいだが。


「うん修行、だから周りに人がいないところでやってたし、なのに急に襲ってきてどういうつもりだし?」


それからというもの美月と夏輝は少女の誤解を解き、少女も美月と夏輝の誤解を解いた。

それから、何事もなかったかのように少女は去って行った。

少女の名は雨野あめの 葉乃愛はのめ

属している機関は龍門機関ろんめんきかんだそうだ


美月と夏輝は龍門機関が恐れられてる理由が少しだけわかったような気がした。



時は過ぎ、落ち着きを取り戻した2人は改めて話をしていた


「そう言えば夏輝、昨日私に渡した紙は機関からもらったものだったんだよね。

あの時は納得してたけど、よく考えたらあんたからは何も教わってないよね!」

美月は夏輝に問い詰めた。


「そんなことより……あの女何だったんだろうな? 修行っていつの時代だよ。」

夏輝は無駄だとと思いつつ大胆に話をそらした


しかし美月がこの話題におもいっきり食いつき、真面目に考えているところを見ると

どうやら、こんな作戦がうまく行ったらしい。


「あ……君たちは昨日の……」


話をすれば目の前に本人が現れ出した


「そうだ、今から一緒にこない? 手伝ってほしいし」


美月と夏輝はおもいっきり、疑ったがこの水玉模様の少女はこう見えて

龍門機関の一員である、二人は龍門機関の事とこの雨野 葉乃愛の事が少しは解るんじゃないかと思い葉乃愛に着いて行くことにした。

葉乃愛ちゃん……

機械天使と言う小説も書かせて貰っているんですが、そちらにも葉乃愛と言う子が出てくるんです。

自分で考えた名前の中でも特に気に入っているので、使い回ししました。

まぁ、性格はぜんぜん違うんですけどね。どちらも水関連なんです。

元々、水の神様の名前を無理やり漢字したのが、元ネタなんですけどね。

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