第14話「起床」
その頃美月は再び牢に戻されていた。
「まったく……あの男も何がしたいか分からないけど、
どうせなら檻の外にだしてくれたら……ってええええええ」
なぜか美月は全裸にされていた。
「ちょ、あの男……殺す……」
美月は手で体を隠しながらそう呟いていたらあの三人がずかずかと部屋に入ってきた。
「な!?」
美月と女の子が目が合った。幸いにも女が先頭を歩いており、なおかつ男二人はしゃべっていて美月を見ていなかった。
「はいはい~バックバック~早くあっち行け! って怒鳴ってみたり!」
女の子は男たちが部屋に入る前に追い払ってくれた。
そうして、一人で入ってきた
「なんで、裸なの? 服は? とか聞いてみたり……」
「それはいろいろあって……ってそんなことはどうでもいい!! 何か着る物よこせ……」
顔を真っ赤にした美月が怒りながら言った。
女の子は親切にも服を渡してくれた。花柄の派手な服だった。
やがて、冷静さを戻した美月が口を開いた。
「あんたどこかで会ったことある?」
「こんな状況でよくそんな事が聞けたね……って常識性を疑ってみたり。
この女の子は彩花と言って、以前夏輝の事を彼氏呼ばわりしたあの子だ。
美月もまさかあのウザそうな子が神剣使いだったとは思っていなかったようで、
驚きが隠せないようだ。しかも自分と同じ力を持っていたとなれば、なおさらだろう。
そこで、美月はこんな事を聞いてみた。
「あんた何レベル?」
「ん? 総合レベルは4。ライトマスター単体では4で、フラワーカルティヴェイトは5だよ。と自慢してみたり。」
「総合? 単体? フラワーカルなんちゃら?」
混乱した美月は1から教わった。
レベルに関しては最近、総合と単体で別れたそうだ。
まず、総合というのはその人全体の強さを表す
単体というのは能力個々の強さを表す
なぜ、このような事になったかと言うと総合だけでは強さに矛盾が発生するからそうだ。
「あと、総合はやや弱めに表示されると思うよ。
それと、フラワーカルティヴェイト(花を栽培する者)は花を自在に操る事が出来るんだよ。と自慢げに言ってみたり。」
「ふ~ん……って、そんなこと言ってる場合じゃなかった! ここから出してよ!!」
「いまさらかよ……って呆れてみたり。あ、男入れるわよ。っと呼んでみたり。」
そう言ってドアを開けた。
男たちはなんだ? なんだ? と言う顔をして入ってきた。
「今東……ん? そこの男の子は誰?」
美月は今東をしばらく眺め、隣にいた子に注目が言った。
「あ、はじめまして。僕西崎といいます。どうかよろしく」
西崎はとてもとても丁寧に挨拶をした
「なんだこの絵に書いたような礼儀正しさは! 何か気持ち悪……」
美月は西崎のとてもとても丁寧な挨拶に思わず本音を漏らしてしまった。
それを見た西崎は苦笑いをしていた。
そこに今東が割って入った。
「こらこら、口を慎んでください。この人はこう見えてこの機関のナンバー2ですよ。」
「はははは……そう言いながらも今東さん。あなたはナンバー4じゃありませんか。」
なんだこの2人は仲がいいのか?
という疑問を美月は抱いたがそれは置いとく事にした。
と言うより今東がナンバー4だって言う事の方が気になりそんな事はどうでもよかった。
「え? あんたナンバー4なの? レベル4で!?」
「失礼だな。私は正真正銘ナンバー4ですよ。」
「レベルがじゃなくて? 何か間違ってない? もし本当にそうだとしたら甘いわねこの機関……」
「間違っていませんよ! しかも機関甘いって・・・」
やがて、日が暮れるまで話していたが、
今東が説得してくれたのでここから出る事が出来た。
美月は初めて今東に感謝した。
そして夜になり、美月は急いでマンションに帰ろうと走っていた。
一刻も早く夏輝たちの誤解を解きたかったからだ。
そうして走っているうちにある事に気付いた。それを確かめるために美月は足を止めた。
そしてそれは確かだった。人気がない……
それは神剣使いのロンリネスによく似た現象だった。
いや、ロンリネスだろう。なぜかはわからないが美月は直感的にそう思った。
その時後ろから闇が現れた。美月は中からあの男が現れると思った。が、誰も出てこない。
まるでそれは逆に美月が招かれている様な、そんな感じがした。
この先に言っても良いのだろうか?そんな疑問が生まれた。
この漆黒の闇は1度入ったらもう2度と出て来れない。
そんな嫌な感じがしたのだ。
だがここで永遠と悩み続けても仕方がない。
ましてロンリネスなど仕掛けてきている。
これは絶対自分を呼んでいる。そう思い美月はこの闇へと足を踏み入れた。
なぜ、美月が裸だったのでしょう……
理由を述べてませんね。
まぁ、想像つきますかな……




