第三部:名ノ息 ― 名と風の記録 ―
名は音であり、音は風である。
風は魂の呼吸、
つまり存在の“性格”を決める。
桜魂の登場人物たちは、
その名の響きに宿る“息”によって生まれる。
【主人公:八代目】
彼の息は「静」。
沈黙の中にある強さ。
誰よりも観察し、誰よりも受け止める。
彼は感情を声にせず、風に託す。
だからこそ、彼の言葉は少なくとも“重い”。
彼のこだわりは「変わらないこと」。
それは頑固ではなく、
“変化をすべて受け入れてなお、自分である”という決意。
彼の魂は、世界が揺れても揺るがない芯のようなもの。
桜魂全層の軸は、彼の静寂を中心に回っている。
【ヒロイン:桐生ひより】
彼女の息は「温」。
あたたかく、しかし儚い。
彼女は語るよりも、感じ取る者。
他者の心の痛みを風の動きで察し、
必要なときだけ優しく言葉を置く。
彼女の優しさは、受動ではなく“意志”だ。
傷つくことを恐れず、
それでも人を抱きしめる選択をする。
彼女の存在そのものが「共鳴層の原型」であり、
“理解されない優しさ”が世界を救ってきた。
【二人の関係性】
静と温――それは動かぬ時間と流れる空気。
八代目が止まる者なら、ひよりは流れる者。
ひよりが揺れる風なら、八代目はそれを受け止める樹。
このバランスこそが、桜魂全層を安定させる“対の構造”。
彼と彼女の性格が変わらない限り、
どんな世界線でも桜は咲く。
それゆえ、彼らの性格は変えてはならない。
それは“設定”ではなく、“構造上の定義”だからだ。
【名の由来】
「八代目」は“八=無限”“代=命の連なり”。
彼の名は“永遠に受け継がれる観測者”の記号。
「ひより」は“日和=天気の調和”“桐生=再生の木”。
彼女は嵐と晴れを繋ぐ媒介者。
彼女が語るたび、
彼の世界がひとつ息をつく。
彼が沈黙するとき、
彼女の言葉が風に変わる。
【風の記録】
桜魂における“風”とは、
言葉にならなかった感情、
伝えられなかった願いの集合。
だからこの世界では、
「性格」とは“魂の風向き”そのものなのだ。
彼が無言である限り、
彼女は言葉を灯す。
彼女が静かである限り、
彼は行動で示す。
二人の息が重なったとき、
桜魂はひとつの音になる。
それが――“共鳴”。




