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愛しいあなたと  作者: 飴とチョコレート
第二章 高校生編
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ギャルピ

「そういえばさ、朝倉の話なんだけど」


配信画面に映る樹は、ソファにだらっと腰かけて、リラックスモード。コメント欄はまったりした空気。


「アイツのインスタとか、たまに見るとわかると思うけど……自撮り、やたら上手くない?」


《わかる》《角度完璧》《盛れすぎ》《プロの構図》《背景すら計算されてる》


「でしょ。最初は、まあモデルだし、他撮りは慣れてるから当然か〜って思ってたんだけど、自撮りまでガチで上手いとさ……何か裏にあるんじゃないかって思うじゃん」


「で、本人に聞いたの。『なんでそんなに自撮り上手いの?』って。そしたらさ」


「『高校の友達のギャルたちに教わってる』って」


《ギャル!?》《お前高校にギャルの友達いたの!?》《いや、想像つかない》《黒豹とギャルの組み合わせ!?》《そこから教わってたのかよ!》


「俺もびっくりして『仲いいの?』って聞いたら、普通に“メイク研究会”みたいなノリで放課後つるんでるらしい。“そっち界隈のトレンドを知るための時間”なんだと。あいつの中では」


「それでさ、ギャルピとか、今っぽいポーズも色々教わってるんだって。“目の横でピースするやつ”とか“斜め下から撮ると目が大きく見える”とか、“あざとい手の位置”まで、細かく」


《ギャルピ習得してんの!?》《朝倉ギャルピとか想像つかん》《あの顔でやってるの!?》《見たい!!》《それは映えの暴力》


「しかも加工も研究してんだって。『あの白いつぶつぶの顔周りのフィルターは?』って俺が聞いたら、『あれは美白になって盛れる』って即答されたからな」


《プロすぎる》《白つぶつぶフィルター名前知らんけどわかる》《あれ盛れるの!?》《朝倉詳しすぎ》《なんでそんな知識あんのよ》


「ギャルの子たちから、『これ使えば?』っておすすめされて、どんどん試して、ちゃんと“盛れ方”を比較してんだって。光の当たり方まで調整してるから、もう完全に研究者」


「俺、『もういいじゃん開き直ってギャルになれよ』って言ったら、『いや、俺は黒だから。ベースが違う』って真顔で返された」


《黒のカリスマ》《黒ギャルではない》《黒豹って言われてる理由わかった》《盛れのために努力してるの偉い》《ギャル師匠の元で学ぶ朝倉、最高》


「でもなんか、そういうの聞くと……あいつって、自分を高めるためにいろんなジャンルの努力してんだなって思った。ギャルのトレンドも、ちゃんと“取り入れる努力”してる」


「そのへんの男子が“プリクラで盛れない〜”って言ってる間に、あいつは“どう盛れるか”を探しに行ってる。そりゃ勝てねぇわ」


《意識の差》《もはや別ジャンル》《盛るために走る180cm》《プリクラ界の王》《努力の美人は無敵》《朝倉、最強》


「今度、朝倉に“盛りテク講座”してもらう配信とかやるか……? いや、俺が受ける側になっちゃうけどな。ガチのやつで」

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