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愛しいあなたと  作者: 飴とチョコレート
第二章 高校生編
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黒い悪魔

【深夜テンションで二人配信中・雑談+まったりゲーム】


「で、このルートってさ、やっぱ……ん? ……え、ちょ、ちょっと待って、今なんか、なんか動いてなかった!?」


「……ああ、いるわ。動いてる。カサ、カサ……」


「ぎゃあああああああああああああああああああ!!!!!!やだやだやだやだやだ無理無理無理無理!!おい朝倉!そっち行った!おいそっち行ったってぇ!!」


「……」


(すっと立ち上がって、ノールックで影をたどる)


「お前すげぇな!? なんでそんな冷静なんだよ!?」


(カサカサカサカサ……ッ)


「……あ、いた。……よし」


(バシッ)


「うわっっっ!? え、ええええええええええ!? ちょ、ちょ、まじで!? 今、掴んだ!? 今、掴んだよな!?!?!?」


「ほら。生きてるぞ、まだ。動いてる。カサカサ、カサ……って」


(手の中でうごめく黒光りの悪魔。なお、朝倉の表情は完全ノーダメージ)


「うわあああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」


(椅子を蹴飛ばし、部屋の端に逃げる)


「待って待って無理!! お前、今なんて言った!?“カサカサ”って言った!? いやホラー演出やめて!?!?!?」


「……ん? だって、本当に“カサカサ”って音してるだろ?」


「分かるけど言うなよ!!なんで実況すんだよお前は!!!」


「……なんでそんなに怖がるんだよ。虫じゃん。ただの虫。カブトムシと何が違うんだ?」


「ぜんっっっっっっっっぜん違う!!!!!!!!!」


(机をバンと叩きながら、首をぶんぶん振る)


「何が!?足!?色!?触角!?いやもう全部無理!動きも無理!羽音も無理!存在が無理!!!」


「……?」


(本気で分かってない顔で、手の中のそれをしげしげと眺める)


「いやその顔やめて!?かわいい顔して地獄の所業すんのやめて!?!? “俺の彼氏、ゴキブリ素手で掴んだままこっち見る”って地獄絵図すぎるだろ!!!」


「だって……逃がしたらまた出てくる。どっか行ったら、もう寝れないじゃん」


「そりゃ分かるけども!!! 素手で掴む勇気あるやつ、地球上に何人いると思ってんだ!?いや、何人いてほしいと思ってんだ!?!?」


(コメント欄)


《朝倉こっわ》《手でいくの普通じゃない》《カブトムシと一緒にしないでくれ》《虫じゃない、敵だ》《樹さんの反応が人類代表で安心する》《それを“可愛い”って思う樹もなかなかだよ……》《ホラーと愛が同居してる配信って何……?》


「……じゃあ、捨ててくるわ。ちゃんと処理する」


「処理って……そのまま持ってくのやめろってえぇ……ティッシュ!ティッシュ使えよ!!」


「大丈夫だよ。手洗うし。ほら、あったかいぞ?」


「うわああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!」


(マイクがオーバーするくらいの悲鳴と、笑い混じりの地獄絵図)


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