表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
愛しいあなたと  作者: 飴とチョコレート
第二章 高校生編
114/136

嫌いな叔父

【とある豪華な配信者イベント会場。招待者・スポンサー・関係者が集まる中、朝倉と樹もペアで参加】


(ドリンク片手に立食していた朝倉の表情が、ふいにぴたりと止まる)


「……ん? どした?」


(その視線の先には、例の叔父。パリッとスーツに身を包み、スポンサー関係者に混じって談笑中)


「……おい、お前も来てたのか。

あいかわらず気味悪い格好してるな。いつまで女の真似事やってるんだか」


(数秒の沈黙。朝倉の笑顔が、静かに引き攣る)


「へぇ……久々に見たと思ったら、よくもまあ人前に顔出せたな。

恥って概念、お前の辞書にはないらしい」


(低い声で、笑ってすらいない。空気が一瞬止まる)


「てか、あれか。今日は“スポンサー様”って立場だから、勘違いして出てきたわけ?

自分が偉くなったとでも?」


(叔父が睨み返す。だが朝倉は、微動だにせず、むしろ一歩踏み込んで)


「お前みたいな中身のない人間が“教育”語って他人の人生こじらせて、

責任一つも取らず、周りに守られて老けていくだけの姿って──

あまりに滑稽すぎて、見てらんないな。なぁ、誰がここ呼んだんだよ」


(ざわめく周囲。スポンサー・スタッフが距離を取り始める)


「……おい、朝倉──」


(朝倉は軽く手をあげて制す)


「だいじょうぶ、暴れない。最低限のモラルくらいある。

でも俺は、“お前の口から何を言われても傷つかない”って宣言しに来ただけ。

その程度の価値しかないって、自覚しとけ」


(無音。叔父、怒りに震えながらも言い返せない。周囲の空気が完全に冷える)


(コメント欄【パーティーの公式生配信中】)


《ちょ、今の朝倉…?》《静かなのに怖いってなに》《一語一句が刺さる》《攻撃力の高い言葉の刃》《叔父、公開処刑》《スポンサーなのに空気》《朝倉、優雅な猛獣》


(朝倉、ふっと笑って、ドリンク置いて席を離れる。その後ろを、顔を引きつらせたままの樹が追う)


裏側スペースにて──


樹「……こえぇよお前……」


(朝倉、ふっと振り返って)


「大丈夫。理性で止めてたろ。言葉だけで済ませた。偉くない?」


「……こわいけど、すげぇ好き……」


「うん、それ今ちょっと褒められてるのかバグってるのかわかんねぇな。

でもありがとう、ちょっとだけ落ち着いた」


(コメント欄もざわつき続ける)


《え、怖かったけど美しかった》《あれが噂の叔父!?》《朝倉のスイッチ入った時の迫力やば》《でも樹もバグってる》《あんな口の悪い愛もあるんだ…》《二人とも愛が強すぎる世界線》


(数日後、配信で事件を振り返る)


「さすがにあれは本気で言った。止めてくれてありがとう」


「俺、止めたっけ?」


「無言で肩に触れてくれた。あれなかったらワイングラス飛んでた」


「……そこまでだったんだな……」


「うん。まだ殴ってないだけマシだった」


(コメント欄:

《やっぱり殴りかけてた》《理性あるのが朝倉のすごさ》《怖くてかっこいい》《一番の被害者はワイングラス》《樹の感覚が壊れてるのが一番怖い》)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ