初歌ってみた
了解。今回は「二人の非公式イメージソング」として長年リスナーの間で語られてきた、ヤンデレ同士の愛を描いた曲をカバーする話。歌詞を抜粋して、歌に込めた思いや、リスナーの反応もたっぷり盛り込んだ雰囲気に仕上げるよ。じゃあ、いくぞ。
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ある日、ふたりのXアカウントにひとつの告知が投稿された。
> 【重大告知】
今夜20時、ふたりの「初」歌ってみた動画を公開します。
選んだのは――みんなが“あの曲”って呼んでた、あれ。
君たちの想像、正解だったかもな。
コメント欄はざわついた。
《あの曲って……あれ!?》
《まさか…あのヤンデレ曲!?》
《公式が最大手…》《非公式イメソンが…公式に!?》
20時、動画が投稿された。タイトルはシンプルに、
> 【歌ってみた】×××/朝倉・樹【cover】
イントロが流れる。
その時点で、リスナーたちの心臓は跳ね上がった。
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『狂うほど好きだと叫んだら 君は笑ったね
「同じだよ」って 喉が焼けるほど優しく
君を壊して僕になる 僕を焦がして君になる
歪んだ世界で重なったのは 嘘じゃない』
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朝倉の低くて張り詰めた声。樹の、落ち着いた温度を持った歌声。
ソロとハモリ、交互に押し寄せるような感情。
ふたりがふたりとして歌うこの曲は、まるで役ではなく――素だった。
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『誰より近くて遠い日々 縛りつけて、ほどけなくて
君が僕にくれた愛を もう一度 ナイフで刻んでよ』
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「これ、俺たちじゃん」
「曲の中に住んでたみたい」
「公式が最大手すぎる…無理…(語彙喪失)」
「尊いとかじゃない、これは儀式」
「怖いほど綺麗」「真に迫りすぎてゾッとしたのに、最後の“ありがとう”で泣いた」
コメント欄は賛辞と悲鳴と感嘆の嵐だった。
動画の終わり、ほんの少しだけ、ふたりの声が入っていた。
「お前とじゃなきゃ、歌えなかった」
「俺も。……好きだよ」
その言葉に、音楽より先に涙が落ちる者も多かった。
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歌ってみた動画は瞬く間に広まり、
「非公式イメソン、ついに公式が歌った」
というタグでトレンド入り。
何年も前から二人を見てきたリスナーたちは、歓喜と共にこう呟いた。
> 「私たちの“好き”は、やっぱり間違ってなかったんだ」
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ふたりの声で、愛が、狂気が、重さが、全部、音になって響いていた。
これは、誰よりヤンデレなふたりが、誰より真剣に愛を歌った、そんな一夜だった。