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第4話 部屋会と違うの?

「それで、話の内容なんだけど」


 佐倉は喋りながら、ポテチやクッキーなど沢山のお菓子とジュースを机に並べ始めた。


「話すことなど何もなくてよ」


「それよりも普通にホームパーティみたくして、親睦を深めた方がいいよ」


「話の内容なんて大方、『同盟を作ろう』のような内容でしょう? そしてあわよくば日本、せめて日米主導の同盟を築いてこいと、上に言われている。そうではなくて?」


 エリスの、核心をぶち抜く鋭い指摘に、佐倉は目を丸くする。


「なんでそこまで知ってるの!?」


「当然。というより、分かりやすすぎますわよ。もう少し根回しなどなさった方がよろしいわ」


「そ、そういわれても。なーんだ。そこまでバレてるんなら頑張る意味ないじゃん」


「そもそも、頑張る気はあったのかしら…………」


 彩吹の顔には「この子大丈夫かしら」という心配が滲み出ていた。


「特に話すことが無いのであれば、解散でいいと思うが」


「ナーシャさん、そんな寂しい事言わずに。せっかくお菓子買ってきたんだから食べて遊んで帰ろうよ。あ、クラーラさんは、コーラとお茶どっちがいい? あ、コーヒー買っとけばよかったかな。しまったなあ私コーヒー飲めないから忘れてた」


「あ、いや。お茶で……いい」


「あ、そう?」


 佐倉はクラーラから時計回りに回って、紙コップに飲み物を注いでいく。因みに佐倉自身はコーラだ。


「グリーンティ。日本から茶葉を取り寄せて飲んだことはあるけれど、ペットボトルは初めてですわね」


「そんないいの買えないよ」


「わたしは好きだよ、ペットボトルのグリーンティー」


「クロエは飲んだことあるんだ」


「そもそも、もうちょっといいもの準備しときなさいよ。ここには尉官や佐官、王族の方までいらっしゃるのだから、せめて紙コップは辞めなさい」


「いきなり言われて放り込まれたんだから、グラスとかティーセットとか用意できなかったの。そんなにいうなら川口さんが用意してくれたら良かったのに」


「普通は、こういうフォーマルな場でお茶会はしないのよ……」


 頭を抱える彩吹をよそに、佐倉は持ってきたポテチやらチョコ菓子やらの袋を開け始めた。


「ねえ、もっとまともな……もう、なんでもないわ」


「ええー。おいしいからいいじゃん」


「日本のスナックは私も好きよ」


「確かに美味しそうだ」


「たまには、こういうのもいいですわね」


「ほら、三人もそういってるし」


 クロエ、ナーシャ、エリスを味方につけたつもりで、佐倉は「いいでしょ?」と上目遣いで彩吹に抗議した。


「もうあきらめたわよ…………」


「あ、そうなの? じゃあ、お菓子でも囲みながら世間話でも。…………そうだねぇ、せっかく国際色豊かな組み合わせなんだし、皆の国の事とか、家族や友達の事とか知りたいな」


 佐倉が持ち前のマイペースで場の流れを持って行ってしまったが、良い感じに「学級会」が始まった。

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