言訳を考える
こんにちは、yasukeでございます。
タイトルの別名は、私が小説で心掛けていること その3でもあるのですけど、それはともかく、マンガにせよ小説にせよ基本的に作り話である以上、内容を正当化する言訳をあれこれ考えるのに頭を悩ませた経験は皆さん共通しているかと思います。
最近は昔と異なり何でもアリな時代なので、それこそよくこんな正当化の言訳を考え付くものだ、と感心したくなる程です。
個人的にムチャクチャな設定を説得力あるものにしている典型的な成功例だと思うのがガールズアンドパンツァー(以下ガルパン)で、戦車と女子校生というのはなかなかに思いつかない荒唐無稽極まる話ですけど(これまでミリタリーと美少女は結構あったが、あくまで正規の軍人であった)、果たしてこの設定を説得力ある内容へと正当化するのに如何なる言訳が考えられたのか。
まず、女子の嗜みの一つとして茶道や華道などと同じく戦車道という、もうこの時点で破綻している設定を考え付き、それを更に正当化するため萌えよ!戦車道学校を参考にすると、歴史上では第一次大戦によって人類史上類例のない犠牲が生じたことにより女性に頼らざる面が増え、結果女性の社会進出が加速した他、機関銃や飛行機、戦車といった近代兵器による戦闘を非道で野蛮な行為と非難し、その結果騎士道精神の再浮上によって男たちが戦車から引き離されることとなり、一方で余剰となった戦車が格安で民間に払い下げられ農業トラクターなどに使われ荒れた土地の復興に貢献した他、スポーツ用途にも駆り出されるようになり、かなり端折るがその後英米を中心に戦車競技が確立され、日本ではそれが古武道と結びついて戦車道へと発展し女子の嗜みへと昇華していき現在に至る……
という訳なのですが、どう考えても成立する筈のない設定を如何なる言訳を用いて説得力あるものにするか、という典型例と言えましょう。
実は拙作IOMも同様の論理であり、戦争で多くのレーサーが、技術者が還らぬ人となり、その結果モータースポーツの灯火は消える寸前、その灯火を絶やさぬため比較的安価で開催も容易な二輪レースに希望を掛けることとなり、更に男子は復興の労働力となることが優先され、結果少女たちに戦後のモータースポーツの希望が託される……というのが正当化のための大まかな言訳でございます。
また、これも一種の言訳なのだが、ある種のチートを正当化するため、女子選手が乗る以上男子では許容、或いは黙認されていた些細な問題も解決することが要求され、結果史実以上のスピードで二輪が進化していく……という設定をこれから盛り込んでいく予定。
因みに母体が宍戸重工なのも、重工ならばかなりの技術力があり、それが二輪に反映されていると考えれば説得力があるとの判断から。
また、舞台が広島なのは、嘗て戦前の一時期、宍戸兄弟によってSSDというバイクが作られ販売されており、当時世界的にも遜色ない性能だったと言われていたことや、宍戸兄弟は国産車によるマン島制覇を夢見ていたことなどから、もしもあのまま消滅せず生き延びていたら……というのが物語の骨格の一つにもなっており、そのためには宍戸重工を設定し、友好的買収によって生き延び現在に至る、と言う設定を加える必要があった訳で。
因みに宍戸重工のモデルは当時世界の最先端を行く技術力を誇る数少ない日本企業の一つだった日本製鋼所。
時代的には1950~60年代なのですが、ヘルメットやレーシングスーツなどは90年代から21世紀相当が登場してもいいよな、とか、マシンは90年代相当くらいでもいいかな、とか考えているので楽しみにしていただきたく思います。
拙作IOMを是非とも宜しく。
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