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【第2話】白い世界

 衝撃が走ってから体感としては瞬きをしたのと同じぐらい。

 それほどの瞬間に俺の周りの風景はガラッと様変わりしていた。


 しかし右側から唐突に訪れた衝撃の記憶は残っている。残ってはいるのだが痛みはない。痛みだけでなく傷一つない。

 あれだけの衝撃だ。無傷なんてありえない。どんな奇跡でもかすり傷程度はできるだろう。


 となると奇跡以上のことが起こっているのか……


 そう思えるには理由がある。

 この周りの風景だ。


 真っ白


 真っ白なのである。

 壁も建造物一つない無の空間。それでいて色もない。


 空もなければ、地面もない。

 立っているのか、浮いているのかも分からない


「ここはあの世ってやつか?」


 試しに思ったことを口走ってみたがどうやら声は響くみたいだ。

 歩こうとも試してみたが歩いてる動作は確認できるが前に進んでいる実感はない。

 そういやカバンはどこにいった?


 手ぶらなことに気づき意味もなくカバンの心配をしてしまう。

 本当に意味のない心配だ。


 死んでいるのか生きているのか何もわからない状況なのに頭だけは冷静だ。

 冷静だからといって解決策が出てくるわけでもない。

 焦っても仕方のないことだけはわかる


 ただそれだけだ。


 しかし前方に人影が見える。

 何時からいたのか急に人影を認識した。


 最初からいたのか、急に現れたのか分からない。

 何かあると頭が認識した途端にそれを識別できた。


 果たしてそれは人なのか。

 頭の輪郭。体の輪郭。手足の輪郭は認識できる。


 雰囲気からしてそれはヒトであるとわかるのは

 それが胡座をかいているからである。


 胡座をかいてこちらを見ている。観ている。診ている。


 妙な視線に冷や汗が止まらない。


 こんな場所でも汗はかくんだなと思い、嫌でもその視線を受ける。





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