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生骸屍肉  作者: 呉武鈴
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双方思奸 3

一通り町を歩いて、ララは疲れていると勝手に判断した樟葉は駅前の喫茶店に入っていた。

「ここのケーキ、美味しいんだよ。私の奢りだから好きなの頼んでいいわよ」

「いいよ、自分の分は自分で払うから」

「円は持ってるの?」

「少しだけなら」

ララの言う少しと樟葉の少しは桁が一つ違うのだがそんなことに気づかない樟葉は「いいから奢らせて、そのお金はお土産でも買うためにとっときなさい」と言った。

「あれ、そこにいるのは樟葉さん?」

席に着く前に声をかけられその方向を見てみるとそこにはポニーテイルの少女が一人で座っていた。

「久しぶりね、忍ちゃん。今日は一人?」

「妹がお手洗いに行ってるよ。ところでその娘は誰?また変なことに首突っ込んでるの?」

「アンタは私をどんな目で見てるのよ。この娘は私の友達でわざわざ会いに来てけれたの」

部外者を危険に晒すわけにはいけない。更にこの忍という少女は昔からこっちの事情に首を突っ込もうしてくるのだ。現状を知ったら間違いなくマズイことになると樟葉は考えた。

「…初めてまして忍さん。ララと言います」

そのことを察したララは特に否定をしない。

「おぉ〜、日本語ペラペラなんだ」

忍がわりとどうでもいいところに感心した。

「祖母が日本人だったから」

「なるほど」

「あれ、樟葉さんと…誰?Who are you?」

お手洗いの方から忍を少し幼くしたような少女が歩いてきた。学校指定のセーラー服にツインテイル、一部マニアがいたら写真でも撮りそうだがここにはその類はいない。

(あんず)ちゃんも久しぶり、この娘は私の友達のララよ」

「はじめまして、ララ・クラフトです」

「あっ、ご丁寧にどうも。紹介にありました杏です」

忍とは違い出来た妹だと感じたララだが、姉が適当だからこそしっかりしていると思い直した。


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