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生骸屍肉  作者: 呉武鈴
20/29

沈霊唄賛 15

樟葉は気絶したミクを壁にもたれさせるとそのまま全裸の少女を見下ろしながら話している少年と甲冑を見た。



「しかし相変わらず下手だな」

「魂の定着は完璧のはずですが…」

「本当に?」

「全て参考書通りにやりました」

「じゃあそれが間違ってんだ。お前はわざと記憶を虫喰いにしたのか?声帯も不完全、心臓の位置は逆、内臓の通る順番は滅茶苦茶。かろうじて生きてるがこれじゃあ、すぐに死んじまうぜ」

「そうですか」

「『そうですか』って…お前には誇りはないのか?」

「ありますが、結果ですので」

「手伝ってやるから治すぞ」



物凄い不穏な会話をしているがとりあえず推移を見守るため樟葉も座る。

やがて話がまとまったのか甲冑が一歩、後ろに下がった。

「行くぞ、しっかり見てろよ」

そう言うと少年は少女に手刀を突き立てる。特に抵抗もなく、完全に入ったのを確認して少年は手を動かす。静まった空間に肉を掻き混ぜる音が響く。それに合わせて意識が無いはずの少女は痙攣をし、閉じられている目から涙が零れる。

「…これでよし」

やがて終わったのか、少年は手を引き抜く。少女の体に傷はなく、穏やかな顔をしていた。


樟葉は途中から目を反らし、携帯で時間を確認していた。亨が服を探しに行って、もうすぐ20分になる。裏庭からここまで5分もかからない。それに亨なら適当に死んでいる人間のローブを剥いで持って来るだろうと樟葉は考えていた。何かあったのかと思い、電話をかけようとするが圏外になっており、結局待つしか出来ないようだった。



その頃、亨は

「……」

「……」

真っ白の仮面をつけた男と対峙していた。

「……」

「……」

亨は足元にあった石を手に取ると何も言わずに思いきり男の顔面に投げつける。しかし男はそれをしゃがんでかわす。

亨は足元にあった石を手に取ると何も言わずに男の顔面に投げつける。

男はそれをしゃがんで避けたが、亨が続けざまに石を投げようとしているのを見て、その場から飛び退く。しかしその行動を想定していたのかフェイントをし、男が動くのを待ってから投げた。

「…っ」

流石に避けきれず仮面に当たるが傷はつかなかった。男が亨を見るとガッツポーズをしていた。



「ところで、お前はどうやって存在を保つつもりだ?」

「えっ?」

「そうなのか?」と言いたげな声色を聞いた少年は『俺がいない間にまともな書籍を読んでなかったな』と溜め息をついた。

「…『こっち』に来たら存在は保てねぇぞ」

「ではどうすれば?」

「人間と契約しろ。多少力が抑えられるが体は保てる」

「なるほど…しかし、誰とすればいいのですか?」

「んなもん自分で考えろ」

面倒くさそうに受け答える少年に甲冑は悩む。

「まぁ、普通は生き返らせた人間と結ぶもんだ」

「…そうなるとこの女ですね」

そう言って甲冑は少女の足を掴み逆釣りにする。その行動に少年は呆れ顔で溜め息をつくことしかしなかった。


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