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生骸屍肉  作者: 呉武鈴
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児命殺画 2

「俺が撮影を手伝い始めたのは―」

「んなこと聞きたくない」話を始めて数秒で少年は聞くことを拒絶した。

「いきなり話の腰を折るなっ」

「そんなこと聞いて誰が喜ぶんだよ」

「誰にも話す気はない」

「まぁとにかく抜けるとことかその連中の情報を言え」

「…分かったよ」

「短めにな」

「…つまり俺は金の為にそいつらの手助けをしていた。そんな中俺は地方から配属された樟葉に会った。アイツはどんな時だって『自分の正義』に一直線だった」

「アパートじゃぐうたらしているとこしか見たことないけどな」

「そんなアイツを見て俺は気づいたんだ。『あぁ―』」

「『あんなダメ人間に関わっちゃいけないな』ってか?」

「…いちいち変な事を言わないでくれるか?」

和宏は少年を睨むが少年はわざと目線を反らし目の前のパフェを食していた。

「戻すが『あぁ…俺は何をしてんだ』ってね」

「犯罪者の手助け」

「…忘れかけていた事を思い出した。国民を助けるとゆう目的を」

「忘れる程度の志じゃなぁ」

「殴るぞ」

「殺すぞ」

店内で殺気だつ両者の雰囲気に入ってきた若いカップルはたじろぎいそいそと帰って行った。

「とにかくだ、樟葉のおかげで俺は足を洗えた」

「良く生きてられたな」

「身元とか全部偽名使ってたからな」

「保険を使ってたってか、藤堂修(とうどうおさむ)」少年がその名を言った瞬間和宏は鳩が豆鉄砲くらったような顔をしたが、すぐに軽く笑う。

「今更驚かんが何でしってんだ?」

「秘密だ」


二人がマンションに帰って来ると樟葉が玄関で腕組みしながら待っていた。

「アンタ達何処行ってたのよ?」

「アイス買いに言ってた」「へぇ〜…じゃあ何で手ぶらなの?」

「コイツがその場でさっさと食べちまった」

少年は横にいる和宏を指差しながら言った。

(合わせろよ)

(任せとけ)

二人は樟葉にバレないように一瞬でアイコンタクトを交した。


準備を整えた一行はすぐに行動に移さず問題の倉庫に行ってからどうやって侵入し証拠を手に入れるか討論していた。

「だから夜遅くにこっそりと入っちゃえばいいのよ」

「アホかっ。夜はアイツラが活動してる時間だ」

「その場でそいつらと証拠を同時に手に入れられるのよ」

「リスクが大きすぎるだろうが!!」

「かといって朝は鍵ぐらい掛ってんじゃねぇか?」

「そうだが…」

「じゃあ明日の11:00に現地集合ね」

「場所しってんのか?」

「知らない」

「じゃあその時間にここに集合でどうだ?」

『了解』


そこは見渡す限りの錆び付いたコンテナばかり置いてある寂れた倉庫街だった。「どの倉庫?」

「第2倉庫だ」

その中に樟葉たち一行はいた。それぞれが上下服は闇に紛れやすいように黒基調にしており腰のポーチには拳銃、警棒、カメラなどが入っている。しかし少年だけは黒一色の帽子を被っている。

「アレはどうする?」

少年が指差した先に本来とはかけ離れた色に髪を染めている見張りに雇われたのであろう少年が5〜6人たむろしていた。

「ヤッちまうか」

「たとえ社会のお荷物だろうができそこないの屑野郎だろうと簡単にヤるとか酷いこと言わないの」

「お前も充分酷いな」


カランカラン

「あ?」

曲がり角の向こうで空き缶が落ちたような音がした。その音に気付いた少年達はアイコンタクトをし、頷いた。

「テメェ見てこいよ」リーダーであろう髪を赤に染めた少年がボウズ頭の少年に指図をする。

ボウズ頭の少年が角の向こうに消えた瞬間


バキッ


「がっ!?」

少年達の後ろで何かが砕ける音と呻き声が短く響いた。

「あっ?」

少年達が振り向いた先には倒れたまま動かない仲間の姿があった。

「どうした!?」

長髪の少年が仲間に近づくが、刹那に何かに吹っ飛ばされる。

「なっ…?」

「グフッ!?」

更には角からボウズ頭の少年が鼻血を吹き出しながら吹っ飛ばされている。

「……」

急な出来事に半ば呆然としている少年達は後ろから強烈な一撃を後頭部に喰らい意識を落とす。

倒れた少年の後ろには樟葉と少年が立っていた。

「意外に簡単に終わったねぇ」

「馬鹿で助かったな」

曲がり角の向こうから和宏が姿を表す。服には赤い液体が付着している。

「こっちに二人来てたらどうするつもりだったんだよ」

「アンタならチンピラ4〜5人に囲まれたって勝てるでしょ」

「イッテェ…」

やがて長髪が目を醒ましたので尋問したが倉庫の内部と一味については全くしらなかった。

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