ゾンビ召喚
よろしくお願いします。
とりあえず見てくれてありがとうございます。
「それじゃあジョニー君だね?早速始めようか、えーっと剣術の成績は‥5段階で3だね、魔術の成績は‥3だね、うんうん‥よく頑張ってると思うよ、どーする?将来兵士になりたいなら剣術コースでも良いだろうし、魔術師になりたいならもう少し頑張らないと魔術コースは辛いと思う、魔術コースを選ぶ子供たちはみんな4とか5とかの子ばかりだからねー」
俺の名前はジョニー!いま俺は学園の進路担当の美人教師と面談をしている、この学園は12歳で入学して3年間様々なことを学び15歳になると自分の将来を考えて進むコースを選択しなければならない、その選択したコースで更に3年間学んで卒業となる。
人気のコースは宮廷魔術師やお抱え魔術師など給金の高い職業につきやすい魔術師コースだが俺の成績だと少し厳しいようだ。
剣術コースと魔術コース以外にも色々ある、商人になれる商人コース、商売がやりたいなら商人コースもいいだろうな、俺のうちは普通の家だから特にコネはないけれど商人コースを選べば仲間も出来て人脈も広がるだろう。
様々な技術を学べる技術コース、剣や鎧を作る鍛冶屋になるための知識、建築や農業の知識、手に職をつけたいなら技術コースもいいだろうな、一人前になれば食いっぱぐれないだろう。
俺は‥いったい将来何をやりたいんだろうか‥全くもってやりたいこととか将来の夢とか、そういうものが全く無い‥進路の先生にどーする?と聞かれてもなんとも答えようが無い。
「先生‥俺は‥親にも自由にしていいって言われてます、でも特にやりたいこととか何も無いんです、俺は将来何になりたいんでしょうか?」
「うーん‥先生に聞かれてもなぁ‥親御さんも自由にしていいって言ってるならとりあえず剣術コースにしてみたら?兵士なら給金も安定してるし腕が上がれば休日だけ冒険者になってダンジョンで小遣い稼ぎも出来るよ」
「でも先生、俺‥剣で人とかモンスターとかと戦うのは無理だと思うんです、相手が防具を付けてて練習用の木剣でも相手に全力で斬りかかれません、ましてや血が出るとかちょっとキツイです」
「うーん‥じゃあ魔術コースは厳しいから商人か技術者はどう?」
「先生‥とくにやりたくも無いのにそのコースを選ぶのは本気でやりたい人に失礼なんじゃ無いでしょうか?俺はそんなこと出来ません!」
「うーん自分の意思があるんだか無いんだかわからないね君は‥じゃあ進級したあと厳しいかも知れないけど魔術コースにしてみるかい?」
「先生!明らかに落ちこぼれになるのが分かってて魔術コースを進めるんですか!?先生!!ほんとに俺のことを考えてくれてるんですか!?」
俺の魂の叫びに先生は狼狽えることなく机をバンッと強く叩いた。
「いい加減にしろ!進路が決まってないのは君だけなんだぞ!みんなはとっくに決まってるのに君のために私は残業してるんだ!今日は早く帰って限定販売のケーキを買って帰るはずだったのに!もうきっと売り切れだ!」
「そんな!先生!俺の進路よりケーキの方が大事なんですか!?」
「いや‥今のは失言だった、ついカッとなってしまった、忘れてくれ、もちろん生徒の進路が1番だ‥」
夕暮れ時、教室で美人教師と2人きり‥いつもはちょっと近寄り難いキツめの美人教師が少し申し訳なさそうにしてる姿を見て俺の中の何かが目覚めた。
あれ?この先生ちょっとかわいいぞ?緑色の髪がとても綺麗だ!
‥そういえば先生のことよく知らないな‥聞いてみるか‥
「先生‥先生はどうして教師になろうと思ったんですか?」
「ん?私か?私はこの学園の卒業生でな、魔術師コースだったんだ、魔術師として研究がしたかったんだ、でもそんなに成績が良くなかったから宮廷に勤めるとかお抱え魔術師にはなれなかった、だから空いた時間で研究が出来る教師になったんだ」
‥結構しっかりとした理由で教師になったんだなこの人‥
「そうなんですか‥先生はすごいですね、ちゃんとやりたい研究とかあって‥ちなみに何の研究をしてるんですか?」
「ああ、私は召喚魔術の研究をしている、ちょっとした夢があってな、まぁ私の話はそんなところだ、それよりも今は君の進路だ、いま決まらないなら面談はまた今度だな、それまでに決めておきなさい」
「先生、魔術師コースを選んだら先生の授業受けられますか?召喚魔術とか習えますか?」
「ああ、もちろんだとも魔術師コースでも君の成績だと人気の攻撃魔術科目とか回復魔術科目は厳しい、だがあまり人気のないと言ったらアレだが補助魔術科目、魔道具科目、召喚魔術科目は君の成績でも選択できる、ただし攻撃と回復の生徒からは下に見られてしまうがな、ちなみに召喚魔術には特別な才能が無くても大丈夫だぞ!正確な魔術式方陣を書く必要があるから字が綺麗だったり細かい作業が苦じゃないなら向いていると思う、魔術師コースにするか?」
‥魔術師コースを選べば3年間この先生と一緒に過ごせるのか‥特にやりたいこともないし‥先生かわいいし‥いいかもな‥
『先生!おれ‥先生のことが‥好きなんです』
『ダメだぞ!私たちは教師と生徒だ!卒業するまでは我慢しろ!卒業したら私たちを縛るものは何もない!卒業式の後にそのまま結婚式だ!』
俺がボケっと妄想してると先生が不思議そうな顔をして再度確認してきた。
「おい!聞いてるのか?魔術師コースにするか?」
「‥先生‥こちらこそお願いします、おれ‥頑張って卒業します!」
決めた、先生と結婚なんて無理なのは分かってるけども3年間先生の姿を見れるならそれでいいや!そのあとはそのあと考えよう!
「んん?卒業?ああ、そうだな、じゃあ魔術師コースにしておくからな!それじゃあ頑張れよ!」
こうして俺は美人教師を見ていたいなんていう理由で進路を決めたのだった。
〜〜〜〜〜
数ヶ月後、俺は無事に魔術師コースへと進級した、成績はギリギリだったらしい、だけど召喚魔術科目はやはり人気が無いらしく、このクラスには俺を入れて9人しかいない、机が3×3の9個あり等間隔に並べられている、女が6人、男が3人、男は廊下側に縦に3人並んでいて俺はその列の1番後ろの席だった、ちなみに知り合いは誰も居なかった。
1番前に座ってる奴が後ろを見ながら俺と真ん中の奴に声を掛けてきた。
「おっす、はじめましてだよな?オレの名前はケビンだ、よろしくな♪」
なかなか明るくて爽やかな奴だな、いい奴そうだ、ケビンの挨拶に真ん中の奴が答える。
「あ、よろしく、ボクはダニエルです」
ダニエルは大人しそうな優しそうな雰囲気を持ってる奴だな、仲良くなれそうだ。
「よろしく!ジョニーだ!ギリギリの成績で進級してきたから足を引っ張るかも知れんがよろしくな!」
俺も自己紹介をして3年間よろしくと言い合った。
「ところで‥やっぱりアレか?召喚魔術師を目指すってことは目的はアレなのか?」
ケビンが召喚魔術師を目指す理由を聞いてきた、もしかしてケビンも先生が目的でここを選んだのか?どう答えればいいのか迷っているとダニエルは自信満々に答えた。
「もちろんだよ、ボクはサキュバスを召喚して欲望の赴くままイチャイチャするんだ!」
え?ダニエル?サキュバスって魔物じゃん、そんなの召喚出来るの?召喚したとしても生気を吸い取られて死んじゃうんじゃないの?
「あ〜!そっちか!オレはキャットウーマンを召喚してモフモフするんだ!」
え?ケビン?キャットウーマンも魔物じゃん、結構獰猛って聞くけど‥襲われて死んじゃうよ?
俺が驚いてると2人は「お前はどうなんだよ?正直に言えよ!」って目で追及してきたので仕方なく正直に話すことにした。
「いや、俺は召喚魔術の先生が美人だから3年間楽しく過ごせるかなぁって‥」
俺の言葉にケビンは「先生か、たしかに美人だな、なるほど」と納得し、ダニエルは「先生狙いか、険しい道だな‥だが応援するよ」と言われた。
召喚について全然知らなかったから2人に色々教えてもらえた、サキュバスとキャットウーマンを初心者が呼び出す場合はいきなり成体のモンスターを呼び出すのでは無く、子供の弱いモンスターを呼び出して一緒に成長していく方法を取るらしい、なるほど!勉強になるな‥。
男3人が仲良く話していると真ん中の1番前に座ってる水色の髪の女の子が振り向いた、お?結構可愛い子だぞ!
「男子最低!」
その女の子は俺たち3人の会話が聞こえていたんだろう、軽蔑の眼差しで言われてしまった、その子だけでは無くクラスの女子はみんな俺たち3人を軽蔑の目で見ていた、その眼差しにケビンは更に爆弾を投下した。
「お前らだってどーせイケメンのインキュバスに迫られるとかワイルドな狼男に壁ドンされたいとかヴァンパイヤに噛まれてしもべになりたいとか考えてんだろ?素直になれよ」
その言葉にほとんどの女子は図星だったのか一瞬ウッて怯んだが真ん中の1番前の子はケビンに言い返してきた。
「はぁ?なにそれ?そんな不純な動機で召喚魔術科目に来るわけないじゃ無い!そんなのあんたら男子だけよ!」
「お前以外は図星って顔してるけどな!じゃあ教えてくれよ!お前はなんでここ選んだんだよ!」
「はぁ?そんなの決まってるじゃない!あの尊いマリアお姉様が担任だからよ!」
その言葉にケビンはニヤリと笑った、そして俺の方を見ながら「ジョニー!ライバルが出来たな!あの女も先生狙いだとよ!」と言い放った。
水色の髪の子が「そんな変態と一緒にしないで!私とお姉様はもっと純粋なものなの!アンタなんかお姉様が相手にするわけないじゃ無い!」と言って俺を睨んでいる。
初対面なのに変態呼ばわりされちゃったよ、ちょっと待ってよ‥俺は先生が美人だよねとしか言ってないよ?睨まないでよ‥怖いよ‥。
進級初日が始まってすぐにちょっと可愛いと思った女の子と謎のライバル関係になってしまったのだった。
〜〜〜〜〜〜
俺がヘビに睨まれたカエルの様に動けずにいると教室に先生が入ってきた、助かった。
「みんなおはよう!全員居るな!私が担任で召喚魔術を教えるマリアだ!よろしくな!早速だが出席を取るぞ!名前を呼ばれたものは返事をする様に!」
先生は自己紹介をしてからクラスの出席を取っていく
窓側から順番に呼ばれるみたいで俺は最後になるみたいだ、順調に進んでいき真ん中の1番前の子の順番が来た。
「じゃあ次、フレデリカ!」
「はい!!お姉様!!」
先生に名前を呼ばれて元気に返事をした、へーあの子の名前はフレデリカって言うんだ‥結構かわいい感じなのに仲良くなれそうも無くて残念だな。
「フレデリカ!お姉様と呼ぶのはやめなさい!マリア先生と呼ぶように!じゃあ次!」
女子の名前が全て呼ばれケビンとダニエルも呼ばれて次は俺の番だ。
「じゃあ次、ジョニー!」
俺は緊張しながらも勇気を振り絞って元気に返事をした。
「はい!お姉様!!」
笑いを取りに行ったが一瞬だけ静かになった教室、スベったか?と思ったが静かになったのは一瞬だけですぐにクラス全体がクスクスと笑い出した、先生が来る前のやりとりを知らない先生はポカンとしてたしフレデリカは真っ赤な顔でものすごく睨んでいるけどウケて良かった。
「ジョニー!君にお姉様と呼ばれる筋合いはない!フレデリカは小さい頃から知り合いなんだ!ちゃんとマリア先生と呼ぶように!」
よかった、思ったより怒られなかった、みんなが笑ってくれたおかげだな、みんなありがとう。
先生の点呼も終わり、初日なのに早速授業に入るらしい、もう少しなんかクラスの雰囲気を柔らかくしようよ!俺は勇気を出して手を挙げた!
「ん?どうした?ジョニー?」
「マリア先生!これから一緒に3年間先生と過ごすんです、先生と仲良くなるために先生に質問があります、先生のことを教えてください」
俺の言葉にフレデリカは振り向き睨んでたがマリア先生はまぁいいだろう、なんだ?と促されたので質問した、フレデリカは俺の質問で急に目の色を変えた。
「マリア先生のタイプの男性はどんな人ですか?」
「ふふふ、ジョニー!そんなことを知りたいのか?まぁ良いだろう、私のタイプの男性は居ない!強いて言うなら伝説の勇者様だな、これは私の研究している内容にも繋がる、50年前に異世界から召喚された勇者様の話はみんな知ってるだろう?勇者様は異世界から召喚され魔王を倒した、その後異世界に戻ったが今の平和な世の中は全て勇者様のおかげだ、私はその異世界に興味があるんだ、いつかは異世界召喚を自力で成功させ異世界の話を聞いてみたい、だから私のタイプは勇者様ってことになるかな」
その言葉にフレデリカはウットリとした目でマリア先生を見ていた。
「他に何か質問はあるかな?」
マリア先生の言葉にクラスのみんなは好きな色はなんですか?とか好きな食べ物はなんですか?とか聞いていた、そうして質問タイムは終わり授業に入っていった。
〜〜〜〜
マリア先生の召喚魔術の授業が始まった、召喚魔術は魔法陣を描き、魔石を触媒にして、魔力を対価に召喚する。
召喚出来るものは様々だが基本は大きい魔法陣で強力な魔石を使い魔力をたくさん流せば強力な存在を召喚出来る、熟練の召喚術師はドラゴンを呼び出して力を借りたり精霊や悪魔を呼び出して力を借りたり出来るらしい、ケビンとダニエルみたいにサキュバスとかキャットウーマンとか魔物も召喚出来るらしい。
まずは魔法陣を描くのを習っていく、何を召喚したいのかを想像しながら教科書に書かれている魔法陣を紙に書いて行く、前の2人はサキュバスとキャットウーマンを想像しながら描いてるんだろうなぁ‥俺はどうしようか?
この召喚魔術科目では最初に召喚した存在と契約を結び、3年間ずっと一緒に授業を受けるようになる、だから最初が肝心だ、でも特に思いつかないのでなんか身の回りの世話をしてもらう執事みたいなのを想像することにした、洗濯とか料理とかしてもらえたら楽だもんな♪
筆で魔法陣を描いてゆく、丁寧に丁寧に描いてゆく、魔法陣を描いているとどんどん筆から魔力が吸い取られていくのがわかる、クラスのみんなも息も絶え絶えだ。
「そこまで!!今日はここでストップだ!続きはまた明日だ!最初の魔法陣は1週間ほどかけて描いてゆく!」
ストップがかかって助かった‥もう魔力は残りわずかだった、俺はたいして魔力量は多くないから辛かった、片付けをして初日は終わりとなった。
〜〜〜〜
毎日のように魔力を使って魔法陣を描き続けて1週間、やっと完成した、1メートル四方の大きさになったけどかなり綺麗に描けたと思う。
クラスのみんなも大体同じくらいの大きさの魔法陣だ、みんなと比べても俺のは綺麗な方だと思う。
「よし!みんな描けたな、じゃあ次は魔石を選ぶ、このカゴの中から好きな色の魔石を選ぶように!ちなみに選ぶ魔石の色は自分の髪の毛の色と同じか近いものを選ぶといいぞ!髪には魔力が宿っているからな!」
ほほう!髪の毛と同じ色か‥俺の髪の毛は暗めの茶色でダークブラウンだ、ちょうど同じ色の魔石があったからそれを選んだ。
1週間かけて描いた魔法陣を机の上に広げる、その魔法陣の真ん中に茶色の魔石を置いた、これで準備は完了だ、教室を見渡すとクラスのみんなも準備が出来たようだ、いよいよ召喚が始まる。
「よし!みんな魔法陣の上に魔石を置いたな、じゃあまず私が見本を見せるからそのあと1人づつ順番にやってもらうぞ、それじゃあ始める」
マリア先生が自分の魔法陣で召喚を始める、両手で魔法陣の真ん中の魔石を包むように握って魔力を込めてゆく、すると魔法陣が光出してポンッと小さな爆発が起きて煙が出た、その煙の中に何かがいる、緑色の太ったトカゲ?いや、羽があるな、ドラゴンなのか?あれは何だろう?見たことない。
「どうだ?これが召喚魔術だ、しっかりとした魔法陣が描けていれば魔石に魔力を流すだけで答えてくれる、紹介しよう!これが私の相棒の召喚獣!カーバンクルのカー君だ!」
「キュイイイイーーー♪」
カーバンクルのカー君は魔法陣からパタパタと羽を羽ばたかせてマリア先生の頭の上に乗っかって挨拶をする様に鳴いた。
「今回は手本を見せるために魔法陣を使って呼び出したが私とカー君はもう契約してあるから魔法陣が無くてもいつでもどこでも私の魔力を対価に呼び出せる、ちなみにカーバンクルは幻獣種で普段は幻界に住んでいる、それでは女子から行こうか!フレデリカ!やってみろ!」
指名されたフレデリカは「はい!」っと元気に返事をして魔石に魔力を注ぎ始めた、魔石の色はフレデリカの髪の毛と同じ水色だ、なんかブツブツと「お姉様と同じ幻獣種‥お姉様と同じ幻獣種‥」と小声で言っている、先生の手本と同じように魔法陣が光出しポンッと小さな爆発が起きた、煙で見えないが成功したのか?
煙が晴れるとそこには空中を飛ぶように泳ぐ赤い小さな魚がいた、ふっくらと太って背びれと尾びれがなんかヒラヒラしてる魚‥あれは‥金魚かな?
「フレデリカよくやった、それは水属性の精霊だ!かなり強力な相棒になるぞ、そのまま魔力を流し続けろ、フレデリカの魔力を気に入ればそのまま帰らずに居てくれるはずだ、魔法陣が閉じても帰らずに残ってくれれば契約成功だぞ!」
フレデリカはそのまま魔力を流し続けた、「クッ」と少し苦しそうにしている、やがて魔法陣から光が消えて魔法陣が閉じたがその魚はフレデリカの周りをクルクルと嬉しそうに泳いでいた、どうやら成功のようだ、すごいな‥。
「この子が私の召喚獣‥?」
その魚はクルクルとフレデリカの周りを回ったあとフレデリカに頬擦りした。
「よろしくね!」
フレデリカは嬉しそうに魚を撫でている、魚もなんだか嬉しそうだ。
フレデリカが成功して勢いがついた女子たちはどんどん召喚を成功させていった、全体的に可愛らしい男の子が多いのでみんな欲望に忠実のようだ、1人だけひときわ可愛らしい男の子の妖精を召喚した生徒は「グフフ‥」と邪悪な笑顔を浮かべていた、全員優秀なようで失敗する奴は誰も居なかった、先生も感心していた、そして男子の番になった。
「それでは、次はケビン!やってみろ!」
「はい!」
ケビンは魔法陣に魔力を込め始めた、頑張れ!ケビン!みんな成功させてるんだ!キャットウーマンよ!ケビンの想いに答えてくれ!!
「うおおおーーーーっこい!こい!キャットウーーーーマーーーン!!」
ケビンの魂の叫びに応えて魔法陣が光出して爆発した!ものすごい煙で魔法陣が見えない!しかし煙の中には何かが確かにいる!召喚は成功のようだがキャットウーマンは来たのか?
煙が少しづつ晴れてくる、シルエットが見えて来た、あぁ!人型じゃない!耳が長い!ウサギっぽいぞ!煙が晴れて姿があらわになった、現れたのはおでこから角が生えた子ウサギだった、あれはたしかホーンラビットって言うかなり弱い魔物じゃないか?ケビンは呆然としている!
「‥そ、そんな‥キャットウーマンじゃない?ホーンラビット?‥成長すればバニーガールみたいにナイスバディの人型になるのか?‥」
ケビンは混乱している!多分だけどバニーガールにはならないと思うぞ!ならないよね?
「いいぞ!ケビン!角の色が赤い!希少種のホーンラビットだ!そのまま魔力を流し続けろ!」
マリア先生が檄を飛ばす!ケビンは希少種?と混乱しながらも一応魔力を流し続けている、魔法陣から光が消えてホーンラビットが残った、契約成功のようだ。
ホーンラビットはケビンと見つめ合っている、ケビンよ‥本当に良かったのか?むしろ魔力を流さずに失敗してやり直した方が良かったんじゃないかと思うが契約成功してしまったなら仕方がない、先生の希少種という言葉に運命をかけた様だった。
「次!ダニエル!やってみろ!」
「はい!」
ダニエルはサキュバス狙いだったな!ケビンが少し残念だったからダニエルは成功してほしい、そしてサキュバスを俺もエロい目線で眺めたい!頼むぞダニエル!
ダニエルが同じように魔力を込める、ポンッと爆発し煙の中からコウモリが出てきた。
「いいぞ!ダニエル!コウモリは悪魔系統の証だ!成長すれば頼りになる悪魔になるぞ!」
マリア先生の言葉にダニエルは喜びを爆発させた!
「やった!成功だ!やった!やった!」
魔法陣が消えてコウモリが残った、きっとこのコウモリが成長するとナイスバディのサキュバスになるんだろう!良かったな!ダニエル!お前は俺たちの希望だよ!
ナイスバディのサキュバスに生気を全て吸い取られても本望だろう、まぁ友達として死ぬ前に止めないとな!
「次!ジョニー!やってみろ!」
「はい!」
とうとう俺の番が来た、なんだかんだでクラスの誰も失敗していない、やはり魔術コースはみんな優秀なんだと実感する、俺だけが失敗するわけにはいかない、気合を入れて魔石に魔力を流し始めた。
「こい!俺の世話をする執事のような召喚獣!いやまてよ?せっかくだからメイドの方が良いのか?男より女の方が良いか?やっぱ執事じゃなくてメイドでお願いします!こい!こーーーーーーい!!」
俺の魔法陣が光出した、俺はどんどん魔力を流して行く‥‥
魔法陣は俺の魔力を受けてどんどん光を強くする、ちょっとみんなより長い気がするけど失敗とかじゃないよね?
「うおーーーー!!!」
俺はそんなに魔力量は多くないけどここは気合を入れてよりたくさんの魔力を流し始めた、魔法陣は光続けている。
‥‥‥
‥長いな‥まだ?そろそろ魔力が切れそうなんだけど?もしかして失敗?やばいかも、なんか気持ち悪くなってきたかも‥ちょっとこのままだとやばい!一回ストップしよう!
「ジョニー!魔力を止めるな!止めたら呼び出せたとしても契約出来なくなるぞ!流す魔力は弱くても良いから
流し続けるんだ!」
え?もう止めちゃいましたけど?
そう思った瞬間魔法陣が爆発した、今までのみんなと比べても最大の爆発だ!煙も教室中に充満している。
「ゴホッゴホッ‥どうなった?何も見えない!失敗しちゃった?」
煙が晴れてきた、机の上の魔法陣の上に何かがいる、シルエット的には‥人型だ!やった!成功か?魔力止めちゃったけどそこにいるってことは契約も成立したんだよね?
煙が晴れてくると同時に教室になんか温泉のような腐った卵のような匂いが立ち込めてくる、あれ?誰かオナラした?
煙が晴れて俺の召喚したものの姿が見えた、机の上の魔法陣の上にボーッと虚な目で突っ立っているゾンビがいた、なんかステッキみたいな物を持って朽ちた紳士服のような物を着ている、お爺さんのゾンビ?そしてものすごい悪臭を放っている。
「クッ!ちょっと‥これは臭いがキツイな!まて!カー君!バリアの魔法を頼む!」
マリア先生の召喚獣のカーバンクルがなんか魔法を使ってくれたのか?部屋に充満していた臭いがだいぶ和らいだ。
「ジョニー!ゾンビはちょっと召喚獣には向いてないぞ!知能も無いし意思の疎通も出来ない!契約を切って送還術で送り返しなさい!」
マリア先生がそうアドバイスしてくれた、そうか、送還術ってのがあったな、俺だけ失敗したけど仕方がない、また次頑張ろう。
召喚した本人なら魔力無しでも送還できる、俺は送還魔術を唱えた。
「それじゃあお爺ちゃんゾンビ!呼び出しちゃってごめんねー!ゆっくりと墓場でお眠り下さいねー!」
『‥‥マ‥バ‥‥マ‥ボウ‥ザマ‥』
送り返そうとするとなんかそのゾンビが呻き声を上げた、苦しいのかな?ホントごめん!すぐに返してあげるからね!
「まて!ジョニー!なんか様子が変だぞ!何か喋ろうとしているみたいだ!ゾンビが喋るなんて聞いたことがない!少しだけ待て!」
マリア先生がそう言うので送還術を唱えるのを少し止めた、へー!ゾンビって喋れないんだ?なんかいつも『ウー』とか『アー』とか言ってるイメージあるけどねー?
少し待つとお爺ちゃんゾンビは数回咳払いして虚な目で俺をしっかりと見て喋った。
『‥ま、魔王さま‥し‥しゃーるでございますだ‥お呼びですかぁ‥? ‥え?‥晩ごはんはまだか?‥イヤですよ魔王さまぁ‥晩ごはんは昨日食べたでしょ〜』
そのお爺ちゃんゾンビはそう言ったあと、また虚な目で虚空を見つめてボーッとし出した。
教室になんとも言えない沈黙の時間が流れる、先生も複雑な表情だ、喋ったは喋ったが意味不明の言葉だ、魔王さまとか言ってるし!あーとかうーとかと声を出すゾンビと同じ普通のゾンビだ、それがわかったからもう送還して良いだろう。
「先生、良いですか?」
俺が先生に確認を取ると先生は複雑な表情を浮かべて「うむ‥では送還してくれ‥」と言った、俺は今度こそ送還術を唱えた。
お爺ちゃんゾンビは送還術の光に包まれて消えていった。
読んでくれてありがとうございました。
短編のつもりでしたが長くなったので連載にします。
5話ぐらいでたぶん終わります。
頑張って完結させます。