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物書きな僕ら  作者: まさるしー
6/6

エピローグ

[読まれないピリオド]

結局、現実でのピリオドなんてこんなもんでしょうね。

君との出会いも毎日も刺激的で楽しかったです。

文章に起こそうと思って日常を過ごすとあんなにも風景が変わるんですね。

だから、終わりが来るその時だって、劇的に終わるもんだと信じて疑っていませんでした。

あるいは永遠にそれが続くもんだとばかり思っていました。

君が、突然ノートを僕のところに取りに来なくなった。

「彼氏が嫉妬するからごめんね」

たった一言、最後のそのメールは読んですぐに消しました。

泣いたり、怒ったり、僕らの性別が同じだったら今も友達でいられただろうかな?なんて考えてもいません。

メールを消せば君の決断がなかった事になる期待はしませんでした。

しばらく、君が話しかけてくれるのを校門で待っていた記憶はございません。

投げつけられたピリオドを僕が代わりに打っておきます。誰も見ないと知っていますが。


ノートを新聞の束に紛れ込ませて捨て去ろうとする手を止める。大きく息をはいて中学の卒業証書と共に押し入れの奥深くに沈めた。


あれから15年。あの日を0歳からやり直せるほどの時間が過ぎた。

段ボールの奥から出てきた古ぼけたノートを見て感傷に浸る。今ならどんなピリオドを打てるだろうか?


今では僕にも妻がいます。今度産まれてくる子供の名前に、君の名前をつけようかと過ったけど、

「嫁が嫉妬するからごめんね?」


書いてみて、自分がすごく根に持っていることに笑えてきた。

ねぇ、実花?あの日の僕ら真剣に向き合っただけ。謝らなくていいんだよ。

今さら届ける術もないけれど、君の幸せを願う気持ちを何度もグリグリと書きなぞってこのお話を閉じるよ。


納得いかないお別れ体験。

それを乗り越えていくお話を書きたくて書いてみました。


少しでもなにかを感じていただければ幸いです。

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