緑色のカバン
ともみちゃんは、ときどきお母さんと一緒におじいちゃんの家にいきます。
おじいちゃんの家には古いものがたくさんあっておもしろいのでよく探検をします。
とくに納屋はお気に入りです。
床を歩くとギシギシという音がします。
ここには竹のカゴやザル、金属の大小さまざまな鍋、古い木の箱、缶などいろんなものがあります。
今日も納屋を探検していると、古いカバンをみつけました。
緑色でちょうどランドセルとおなじくらいの大きさです。
旅行にもっていくときのカバンのような箱型です。
棚からおろしてみました。
開こうと思っても、どうやって開けたらいいかわかりません。
いろいろさわっているうちに、パチンという音がしてフタが開きました。
フタを持ち上げるとほこりのにおいがしました。
宝箱にぴったりだと思ったともみちゃんはそれをもらって帰ることにしました。
中をきれいにして、布を貼って、ビー玉やどんぐり、石をいれてみました。
他にいれるものはないかなあと探していると、去年海でひろったサンゴや貝があったので、それもいれることにしました。
ともみちゃんが持ち上げると、カバンの中は大さわぎです。
ガラガラ、ザワザワ、ゴロゴロと音がします。
おもしろいので、何度もカバンをゆすってみました。
でも少し気になってカバンを開けてみました。
すると、底の部分に白い粉がありました。
なんだろうと思って見てみると、サンゴや貝が少しけずれたようでした。
ピカピカだったどんぐりはキズがついていました。
ビー玉も少しキズがついていました。
石は少し白くなっていました。
ともみちゃんは、中のものを洗ってみました。
石は元の色に戻りましたが、それ以外のもののキズはなおりませんでした。
ともみちゃんは、石は強いんだなあと思いました。