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虚偽恋ごっこ  作者: 萌
6/22

好きって何ですか?(5)


「すいませーん。塾遅れましたー。」

「石田、中原、お前ら今日は部活だったのか?」

「はい。」

「うむ。勉強も運動も文武両道にしてやっていきなさい。・・・・そしたら俺のようには後悔しないから。」

「先生!?」


ーーーー先程のことなんて全くなかったかのように、瞬は平然と授業を受けていた。

俺も別に変わりなく、平然としていた。

こんな事は2人きりになればいつものことだ。瞬とああいうことをするのは慣れている(体はなかなか慣れてくれない)。

・・・・そういえば、こういうことをし始めたはいつだっけ?


「あぁ。」


あの事件以来か。

・・・・にしても、あれからもう2年近く経つのか。早いものだ。

あいつの時間は止まっても、俺らの時間は止まらない。

「会いたいな・・。」

ふと、口からそんな言葉がポツリと出た。

「ん?石田。誰に会いたいのか?」

そんな声がし、前を向くと、先生が教科書を持って俺の前に立っていた。

「あ・・!いえ、ただ、この教科書に出てくる人に会いたいな。って、ほら!先生、この人です!これ!!」

と、一生懸命 教科書に指を差し、何とか先生を納得させた。

「そうか。前向きな勉強の取り組みだ。」

「・・・・はい。」

後ろでかすかに瞬の笑い声が聞こえた。

なぜこんなにも運が悪いのだろうか。

ここのところ、先生に注意されてばかりな気がする。(半分以上は瞬の所為)

やばいなぁ・・。今、中学2年の6月だろ?あんまり内申に響くような事はしないように心がけないとな。

よし。と、ネガティブ思考を無理矢理ポジティブ思考に換えたところで、グッと顔を上げた。

「なんだ石田。やる気満々じゃないか。部活の後で疲れているのに、偉いぞ。」

「・・・・。」

わーい、褒められた。




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