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ある日の出来事 〜恐怖の同級生〜

作者: 神名代洸

僕はもう全てにおいて投げやりになっていた。仕事も失い、恋人も失った。

失意のどん底に落とされた。

きっかけはそう、あの日の出来事だった。



その日はいつものように仕事をしに出かけた。だが、なぜかお得意先から苦情の電話が入るは彼女からのメールには怖いと書かれているやらおかしな日だった。

お得意先の方は何とかなったよ。

でもね、彼女の方は…。

おかしいよね。怖い話なんかメールした覚えないのにさ、彼女怖がっちゃって僕からのメール見てくれなくなったんだよ。

電話をかければ何とか出てくれるけど、未だにそのよくわからないメールは届くらしい。


僕はそんなことしたことないし、携帯は基本肌身離さずに持っているから誰かが触るなんてできないはず。

あっ、でもずっとは無理だ。

風呂に入る時はさすがに防水じゃないから持ってけないや。

チャンスがあるとすればその時だけかな?だと言う事は身内?…ないないありえない。

じゃあ誰?

分からない。

その時は分からなかったんだ。

パソコンとリンクさせられてる事に。

携帯内容はダダ漏れだ。

僕は全く気がつかなかった。

気付いたのは友人。

たまたま僕の携帯を手にしていじった時にわかったらしい。

どういじったらわかるっての?

ハッカーか??

「ないない。それはまじない。だって俺んちパソコンないからさ。」

「あっ、そうだったね。忘れてたよ。でもさ、よく分かったよね。パソコンもないのに。」

「あっ、パソコンがないから逆に携帯いじり回してて、気が付いたらいろんな事が出来るのに気が付いたってぇの。いいっしょ?」

「あんまし変な事やんなよ。ヤバイからさ。」

「わぁってるって。大丈夫大丈夫。」


友人は、笑いながら喋る。大した事ないみたいに。十分大した事だと思うんだけど。


彼女の事もダダ漏れだったようで、デートの約束だったり、2人の会話だったりが見られていたようだ。気持ち悪い。


この手の犯人の予想は大体ついている。同級生で影が薄かったあいつだ。

あいつってのはクラスで1人浮いてたやつのことだ。奴と言っても女子だけどな。



でも卒業してからもう5年も経つ。

ありえないだろう?

僕のことが好きだなんてこと聞いた事もなかったのに。まぁ、あったらあったで嫌だけど…。

僕は奴のことは何とも思ってなかった、って言うか知らなかったし。

そもそもがクラスが違って接点などない。

なのに何故かいつも僕の目の届く範囲に奴はいた。

気味が悪いったらありゃしない。

僕が何かしたか?

そんなことした覚えは全くない。

じゃあ何で?

疑問が頭をよぎる。

ただ、奴は何も喋っては来ないんだ。遠くから見てるだけ…。

ほんと嫌になる。

どこかに行ってくれって。


そしたらさ、ある日突然来なくなったんだ。全く顔を見なくなった。

それからしばらくして奴が事故にあったと人づてで聞いた。亡くなったと。

正直ホッとしたよ。ある意味もう見ることはないからさ。

そう思ってたのにその日は違ったんだ。ちょっと蒸し暑い日でさ、ムシムシしてた。

たまたま車で通勤した日だったんだけどラジオをかけていたはずなのに突然ラジオが入らなくなった。車に乗ってもう何年も経つからそろそろ壊れたかと思ったのだが、普段あまり聞くことはないので放っておいた。

だけどね、ある場所を過ぎると普通に入ったんだよ?おかしいよね?

その場所は普段奴が立っていた場所だったのだ。震え上がった僕はアクセルを踏んで早く移動しようとしたんだ。でもね、なぜか後ろが気になってミラー越しに後ろを見てみたんだ。すると後部座席には奴が。


「ヒーッ?!」


怖くて悲鳴をあげたが、密閉された空間内では声は外には届かない。

慌ててブレーキを踏んで車を止め、車から転がり落ちた。

再度見た時には奴はいなかった。

ただ後部座席の一部が濡れていたんだ。


怖いったらなかったよ。

しばらくはその場から動くこともできなかったよ。でもさ、いつまでもその場にいるわけにはいかないから仕方なく恐る恐る車に乗ったよ。でも奴は現れなかった。

緊張しっぱなしのドライブだった。

自宅に着くと慌てて車から飛び出し、自宅のドアを開けたんだ。そこにいたのは…奴だった。

恐怖以外なかったよ。

でも一瞬で消えてしまい、二度と現れることはなかった。

奴は一体何がしたかったのだろう…。


今でもよくはわからない。

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