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モニターに応募したら、系外惑星にきてしまった。~どうせ地球には帰れないし、ロボ娘と猫耳魔法少女を連れて、惑星侵略を企む帝国軍と戦います。  作者: 津嶋朋靖
第十六章

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通信回復

 ミールを抱えて中央通路を飛び続けていると、前方に傾斜路の扉が見えてきた。


 みんなが待っている第六層への傾斜路ではなく、第四層への傾斜路。


 扉を開いて傾斜路内へ入ると、そこにあった中継機は残骸となっていた。


 所々に、ヤギの(ひづめ)の痕が残っている。


 第三層への傾斜路に置いた中継機は無事だろうか?


 通信機のスイッチを入れた。


「こちら海斗。山頂基地応答せよ」


 ほどなくして、レイホーの声で返信が返ってくる。


 中継機は無事だったようだ。


『こちら山頂基地のレイホー。おにいさん、通信が途絶えて心配していたね。何があったの?』

「ヤギに中継機を破壊されたのだよ」

『ヤギに? そんな事だと思っていたね』

「今、僕は第四~五層の傾斜路から話をしている。通信が繋がったという事は、壊された中継機は一つだけのようだ」

『それで中継機は修理できそう?』

「いや。無理だ」

『そう。こっちに中継機の予備があるね。でも、運搬ロボが帰ってこないので送れないね』

「運搬ロボは、こっちで立ち往生していただけで無事だ。物資を受け取ったらそっちへ戻すよ」

『了解ね。他に必要なものは?』

「特には……あ! ちょっと待て。捕虜をそっちへ送ろうと思う。受け入れの準備をしていてほしい」

『捕虜がいるの?』

「そうだ。捕虜というより犠牲者だな。中継機に接続されていたクローンだよ」

『レム神に接続されていた人たち? 解放できたの?』

「そうなんだ。中継機を破壊したことによって、レム神との接続が切れた。だから、テントウムシでそっちへ……」

『ちょっと待って。その人たちを、地下施設から出して大丈夫なの?』

「え?」

『確か、エロジジイが言っていたと聞いたけど、接続者の接続が切れてから十時間以上プシトロンパルスが途切れたら、もう一度ブレインレターを使わないと再接続できないって』

「ああ……そんな事を言っていたな」

『逆に言うなら、接続が切れてから十時間以上はプシトロンパルスから隔離しないと、再接続されちゃうんじゃないの?』


 あ! その事に気がつかなかった。


「分かった。その事はジジイに確認してから決めるよ」


 通信を終えると、僕はミールを抱き抱えてみんなが待っている第六層への傾斜路へと急いだ。


「カイトさん。やっておくことって、山頂基地との通信のことだったのですね。あたしってば、勘違いしてしまいました」

「いや……いいんだ。僕も……気持ち良かったし……」

「そうですか。では、みんなには途中で敵と戦闘になったと言って、この辺りの小部屋でさっきの続きを……」

「いやいやいや! ばれたら、みんなが怒るだろう。特に、Pちゃんはこういう事に鋭いんだから……」

「いいじゃないですか。ばれたって」

「いや、マズいって……こういう事は《海龍》に戻ってからゆっくりと……」

「でも、カイトさんは、この作戦が終わったら、あの飛行機械でリトル東京へ行ってしまうのでしょう?」

「そうだけど……僕は君も一緒に来てくれると思っているのだが……」

「あたしもそのつもりでしたけど、カイトさんがいない時にハシモトさんが言っていたのです。飛行機械に乗るのはカイトさんとメイさん。それとアーニャさんとお爺さんだけだと……」


 なに?


「橋本君が、そんな事を言っていたのか?」

「はい」

「それなら、なおさら早く戻って本人に確認しないと」


 とにかく、こんな事は納得できない。


 ミールだけでなく、ミクもキラもミーチャも連れていけないなんて……


 僕は傾斜路へ向かって速度をあげた。

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