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第87話 分身の実験

「ユニコは何のギルドに入ったんだ?」

「色々迷ったんですが、ベッキーに弟子入りして服屋ギルドに入ろうかと思ってるんです。」

「却下。」

「えっ?どうしてなんです?」

「ベッキーとは必要以上に関わりたくないんだよ。」


「それなら問題ありませんわ。弟子入りするのは私だけですし、ベッキーの見張りにもなりますわよ。タロウ様があんなに服の事に興味を持ってらしたと知ったので私も作って差し上げたくなりましたの。いけませんか?」

「おーけー。」

そんな事をそんな顔で言われたら断れませんよ。ココアがなんか睨んでるけど関係ないさ。

全力で許可いたします。興味を持ったのは服ももちろんだが、主にパンツでしたが。


翌日はリクもまだ帰って来てないのでココアと様子を見に行くだけにした。

ユニコにはベッキーの所に行くように言って、私とココアで町を出た。

いつも移動に馬車を使ってるが、私も走れば負けないぐらい早いのだよ。

ココアにはブレスレッドに変化してもらい隠蔽+偽装の指輪を填めて走った。


まずはコーネライ湖だな。ヒュドラがどんな奴か見に行ってみよう。

昼前にはコーネライ湖に到着した。

いいな、この隠蔽+偽装の指輪。魔物すら出会っても気付かないぞ。一度も戦うことなく着いたよ。


到着するとココアは人型に戻り、2人で様子を見る。確かに辺りは毒が充満している。

周りの木々も大半は枯れてしまっているし、湖は毒沼の様になってしまっていて魔物ですら生息できないだろう。


「酷いなこれは。早く討伐しないといけないな。」

「左様でございますね。確かにその通りだと思います。」

「どこに居るんだろうな。サーチしてみるか。」

サーチすると赤い点が2個確認できた。


「2体だけ?そうだろうな、これだけ毒だらけなら魔物もアンデッド系ぐらいしか居れないよな。その2体が気になるが。」

「主様?その魔物はどの辺りに居るんでしょうか?」

「あの左に出っ張っている岩の向こう側に居るようだ、見に行ってみるか。」

「かしこまりました。」

「先に言っておくが、もし戦闘になっても仲間にはしないからな。こんな毒々しい奴なんて仲間にできないからな。」

「そうですね。」

「もし間違って仲間にならないかって言ったら大変なことに・・・」

「「御意!」」

私の額が3回光った。


「えっ!?」

2体のドラゴンが寄って来る。

え?なんで?今、会話には入ってたけどココアとしゃべってただけだし、すごく遠かったよ?(【那由多】教えてくれ。)

――【クロスランド】が発動されました。

(それはわかるよ、仲間になってしまったんだから。会話はココアとだし、距離も凄く遠かったし、あいつらに聞こえないぐらいでしゃべってたんだぞ?)

――この周辺には魔物がいませんので声が良く透ります。声は聞こえていたようです。距離は関係ありません。『キーワード』が大事なのです。


どんな地獄耳だよ!聞こえるのか?この距離で!確かに隠蔽+偽装の指輪もあったので普通にしゃべってたよ。周りもすっごく静かだよ、生きてるのはこいつら2体と私達だけだから。でも、聞こえるとは思わないじゃないか!

あーあ、また増えちゃったよ。今日はココアもいるから絶対キラキラだよなぁ。もう無いんですけど。名無しでいいんじゃない?


気配はわかっているようだが、2体にも分かるように隠蔽+偽装の指輪を外す。

「お前達、ヒュドラとラドゥーンで間違いないか?」

「「はい。」」

「もう従者になってるんだよな?指輪を付けてる私が確認できたみたいだしパーティか従者ってことなんだろう。」

「「はい。」」

「わかった。なってしまったものは仕方が無い。名前を考える。お前達は、雄か?雌か?」

【鑑定】すればわかるんだけどね。もう儀式みたいなもんだ。


「どちらも雄です。」

「ヒュドラは毒を消せないのか?それって出し続けてるように見えるが。」

「左様です。儂はずっと毒を出し続けています。自分の意思でも止めることはできません。」

ダメじゃん!そんな奴やっぱり仲間にできないよ。何か方法は無いか?名付けの時がチャンスだと思うんだが。んーーー。思いつかない。


「お前って首何本あるの?」

「9本です。」

「全部本物?だよなぁ。」

「全部本物ですが、不死の首が1本ありますので他の8本がやられても余程の事が無い限り再生できます。」

死なない、毒を出し続ける。ダメだ、解決方法が思い浮かばない。

反転魔法とか無かったか?精気を出し続けるんだったら良い龍になるのにな。


「仕方が無い。まずは名付けをして人型になれるように念じろ!後の事はそれからだ。」

「「御意」」

「あと、料理と解体もうちは必須だからな。ちゃんと念じろよ。」

「「御意」」


そういえばなぜキラキラネームなんだ?ソラもココアもキラキラネームって知らないはずだぞ?可愛い系の名前って言われて始まったんだよな。じゃあ、キラキラで無くても可愛ければいいはずだ。


毒が無くなることを祈って浄化でジョーカー。お、いいかも。もう一人は18人目だから18は野球のエースナンバーだしエースだな。


「よし!決めたぞ。お前はジョーカーでお前はエースだ。」

2体のドラゴンは淡く光って覚醒した。

ココアもご満悦の様子。キラキラで無くとも良かったんだ。もしかしたら入ってるかもしれないけどね。


名前: ジョーカー

年齢: 1876

種族: 竜族 (フェニックスドラゴン)

加護: 佐藤 太郎の加護

状態: 普通

性別: 男

レベル:58

HP 2971/2971 MP:3263/3263

攻撃力:2772 防御力:2841 素早さ:2564

魔法: 火(3)・水(9)・土(4)・風(4)・雷(4)・氷(2)・闇Max・回復(3)・蘇生(1)・聖(1)

技能: 牙Max・翼(2)・剣(2)・槍(7)・ブレスMax・料理(2)・遮断(3)・回避(5)・解体(3)

耐性: 熱・風・木・水・雷・身体異常

スキル:【変身】4【痛覚無効】Max【高速移動】9【高速水中移動】7【無限再生】5【竜眼】7

ユニークスキル: 【状態反転】

称号: コーネライ湖の主


名前: エース

年齢: 1954

種族: 竜族 (ゴールドドラゴン)

加護: 佐藤 太郎の加護

状態: 普通

性別: 男

レベル:59

HP 3001/3001 MP:2884/2884

攻撃力:2801 防御力:2736 素早さ:3219

魔法: 火Max・水(3)・土(7)・風(9)・雷Max・神聖(4)

技能: 牙Max・翼Max・剣Max・槍(3)・ブレスMax・料理(2)・遮断(3)・回避(5)・解体(3)・錬成(5)

耐性: 熱・風・木・水・雷・身体異常

スキル:【変身】4【痛覚無効】8【超高速移動】4【再生】5【竜眼】Max

ユニークスキル: 【金】

称号: ザンザ山の主



おお!やったぞ!覚醒して進化したらヒュドラじゃ無くなったぞ!儲けたぞ!

「ヒュドラじゃ無くなったな。これで連れて行けるぞ。もう毒は出さないんだよな。」

「はい、もう出しません。逆に回復系を多く取得しました。取得したばかりでまだまだですが、これから役に立って見せます。」

「おお、頼むぞ。」


「エースのユニークスキルってキン?カネ?」

「キンです。生物で無いものなら何でも金にできます。」

「おお!大金持ちじゃん!別に困ってないけど。」

「それではお役に立つことはできませんなぁ。残念です。」

「いや、そんなことは無いぞ?お前も龍だから馬にもなれると見た。馬車を引っ張ってくれると助かる。」

「おお!なれますとも!」

「まずは、人型を見せてくれ。」


淡く光って人型になる。

どちらも180ちょっとの身長で、ジョーカーは赤髪エースは金髪。容姿は勿論美形で、どちらも細身だがナヨっとはしていない。もう説明もしたくないぐらいの男前です。


しかし、フェニックスドラゴンとゴールドドラゴンって凄過ぎませんか。あなた達。

ただ、ステータス通りだと、うちの中堅かやや下だな。


「お前達って兄弟なの?なんかそういう話も聞いたんだが。」

「はい、兄弟です。私が兄です。」とエースが言う。

順番、逆だったね。ま、いいか。結果オーライです。


「この湖もこのままにしておけないな。私の小判は屋敷のクリーンからまた溜めてるから、私の小判を使おう。ココアのは海で使ったからな。屋敷でクリーンを使った時より溜まってると思うぞ。今は毎日2枚に溜めてるからな、1枚でダメなら2枚目を出せば何とかなるだろう。」


小判にクリーンの魔法を込め一斉開放。

死んだ魔物や動物や植物が生き返ることは無かったが、毒はすべて浄化され綺麗な湖に戻った。周囲の毒も死骸もすべて無くなった。いつもながら半端ないです小判の威力は。

1枚で済んだよ。

これからまた生物が生まれればいいなぁ。


「得意な武器を聞いておこうか。」

「私は剣です。」とエース。

「私は槍です。」とジョーカー。

「エースは剣だな、はいこれ。ジョーカーは槍だな、はいこれ。ジョーカーに渡した槍は、今仲間でブーム真っ最中の伸縮自在の槍だ。使い熟せなければ普通の槍にしてやるからな。」

「ありがとうございます。使い熟して・・・なんですか!この攻撃力は!凄い物をいただいてしまった。」

「まだまだ驚くのはこれからかもな。」


亜空間収納の指輪、短刀、小判、偽装+遮断の指輪を2個、飛行・分身・透明の指輪。

渡して説明してやる。最後に注意をしておく

「偽装+遮断の指輪の一つは必ず付けておけよ。魔物ってバレないようにしてくれよ。変身も絶対町中でやったらダメだぞ。偽装+遮断の指輪を付けておけば大丈夫みたいだが油断するなよ。」

「了解です。しかし素晴らしいものばかりですねぇ。どれか1つでもあれば絶叫するぐらい喜ぶのに何個あるんですか!凄いです。」

「確かに同感だ!主殿の従者になれて幸せですぞ!」


「名前をまだ言ってなかったか。タロウだ。それでまだ聞きたい事があるんだ。」

「おお、タロウ様ですか。聞きたい事とはなんでしょうか?」

「お前達に前の姿の爪か牙か鱗って無い?」

「むー、ございませんね。鱗ならもしかしたらあったかもしれませんが、さっきの魔法で無くなったと思います。」


「そうか、前の姿には変身できないか?」

「それはできます。」

「1つ試したい事があるんだがいいか?」

「なんでしょう。」

「まず変身してみてくれ。」


2体の龍が淡く光って覚醒前の姿に戻る。

「爪の先でもいいから分身の指輪を付けてくれ」

それぞれのドラゴンが分身し、4体のドラゴンになった。


「どっちが本物だ?手を上げてくれ。」

本物が手を上げる。


「そっちだな。じゃあこっちを斬るぞ。」

分身のドラゴンを斬った。斬られたドラゴンはそのまま倒れたが、倒れたまま消えない。


「よし!予想通りだ。解体はできないようだが、達成確認には使えそうだ。消すタイミングが重要だがな。」

分身のドラゴンを収納して出してみた。大丈夫まだある。収納した後に指輪を外させた。

収納の中で無くなる感覚があった。指輪の方が優先度が上のようだな。


「よしいいぞ。実験終了だ。人型に戻ってくれ。」


淡く光って人型になる。

【鑑定】でも偽装は完璧だ。あとは町に戻ってカード発行か。その前に聞いておこう。


「お前達、浮遊大陸ってどこにあるか知ってる?」

「「えっ?」」

エースとジョーカーは顔を見合わせて、同時に上を向く。上を指さして

「今はこの真上です。」

「へっ?」

ココアも一緒に見上げる。


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