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第80話 星形

ツンザンブレーン連邦の影響下に無い所まで来た私達は、一旦地上に降りて追手が無いかを確認した。



(みんな)!この辺に町や村は無さそうだし、まだ昼過ぎだけど今日はここで泊まる事にしよう。追手も無いようだし。明日からは3方面に別れるし、少しの間会えないだろうから今夜は皆でご馳走を食べよう。」


「「「「「「「賛成!!」」」」」」」


「じゃあ、この辺の魔物獲って来てもいいの?」

「ああ、ほどほどならな。それと、作って欲しいものがあれば食べ物でも武器でも言っておけよ。」

「やったー!じゃあ、ボクこっちー。」

「わたしはこっちー。」


皆バラバラに散って行った。なんか以前にもこんなこと無かったか?

私と家1号だけが残った。誰も何も言わなかったから、今のところ欲しい物は無いのだろう。


ゆっくりさせて貰おう。

ショーン達が仲間になるまでは、まだ大人のパーティって感じがあったけど、ララとロロが仲間になった辺りから元気もんが増えて来たな。



ん~ん、つい転寝してしてしまったなー。

!!!!!!

あ~あ、またか。その顔、分かりますよ。収納しているんですね、皆さん。

さっきの前にもあった感じって狩勝負だったかぁ。

全員そろって並んでいるが、何か褒めてほしそうな自慢したそうな表情をしている。


「私は程々にって言ったよね?誰が競争しろって言ったんだ?で、何体ほどなんだ?」

どれぐらい寝てたんだろ?まだ日は落ちてないから、2~3時間ぐらいだと思うんだけどな。

あの狩勝負の時は1人50体程度だったよなぁ。あの時は私もやったけど、今は1人500体は行くよなぁ。あの時とは武器も違うしレベルも違うか。


「数はそんなに獲ってないよ。今日は質で勝負したんだよ。」ロロが代表して答える。

質って・・・、しかも勝負って言ってしまってるし。

もういいか、今日で少しお別れだからね。大目に見ようか。


「質って、どういうことなんだ?」

「Aランク以上か、珍しい魔物限定!」

「皆も乗ったのか?」

全員頷いているし。いつそんな約束をしたんだ?

ショーンもカインもデルタも大人だろ?


「それで、誰が勝ったんだ?」

「それを兄ちゃんに今から判定してもらうんだよ!」


乗り掛かった舟だ。やってやろう。

「ようし、わかった。誰からだ?」

「じゃあ、ボクから。」


順番になるとそれぞれ獲って来た魔物を出した。確かに高ランクの魔物だし、1人100体も獲っていない。それでも15人でやれば1000体以上はあるんだよ、君たち。しかも高ランクの魔物が。


川を攻めたもの、飛ぶ系で纏めたもの、武具の素材で纏めたもの。木で纏めたもの。メタル系で纏めたもの。ドラゴン系で纏めたもの。美味しい魔物で纏めたもの。

それぞれが考えて獲って来たようだ。


その中でも一番目を引いたのが、星だった。


どういう原理かわからないが、どこから見ても星形に見えるのだ。

大きさは、大きい物で1メートルぐらい小さい物だと10センチぐらいなので、小さい物を手にも持ってみた。

右から見ても左から見ても上からも下からも。どこから見ても星形なのだ。

不思議な魔物だった。


「これを獲って来たのはソラか?」

「そうだよー。」

「じゃあ、ソラの優勝だ!」

ソラは皆から喝采を受けた。

ソラもご満悦だ。


「これって生きてたのか?鑑定したか?」

「生きてたよー。鑑定もしたよー。」

「何て名前の魔物だった?」

「こんなのと、こういうのと、こんぐらいのと、全部はじめにコスモって付いてたよー。」

たぶん、色と大きさが違うと名前が違うのかな?いつも通り難しい。


「強かったか?」

「まぁまぁだねー。」

へぇー、ソラがそう言うぐらいだから強いんだ。どういう風に生息してたんだろ?別にいいか、わからない魔物の方が多いからね。

食べれるのかな?


「それでね兄ちゃん、今日獲った魔物は全部持って行ってね。」

「お?いいのか?役立ちそうなものも結構あるし遠慮なく頂くぞ?」

「どうぞ。」

皆 笑顔で答えてくれた。


「今日の獲物は食べられる分だけ食べて、残ったら頂くな。」


全員で魔物1体分も食べられないが、色んな種類の魔物で食べたいものを解体して食べれる分だけ食べた。残りは収納。

ノアも果実酒の樽を出してくれた。


いつもは1時間程度の夕食が、4時間も5時間も続いた。楽しいひと時だ。


「さっきの勇者達って弱かったし全滅したよね。」

ヒナタが口火を切る。

「全滅ってことは無いだろ?何人かは逃げ延びてるだろう。」


なんか皆ニヤニヤし始めた。さっきの出発の時の感じに似てるぞ?

「デルタさんの指示でですね、主様が【盗む】を使いに行っていた時に勇者軍の退路に仕掛けをしてたんです。」

「え?」私が盗みをやっているのをニヤニヤしていた訳じゃなかったのか。

そうだよな、こいつらがそんな目で私を見る訳無かったよな。反省だ。


「どんな仕掛けをしたんだ?」

「全員で手分けして、土魔法を使い勇者軍の後方1キロの所に、高さ3メートルの塀を10キロに渡って作りました。念の為、カインさんの【結界】で強化と延長をしてあります。」

「勇者軍の逃げ道を無くしたのか!いつの間に・・・。」


デルタが変わって答える。

「タロウ様、そうしないと逃げ延びた者が原因で、タロウ様に更なる因縁を吹っ掛けられそうでしたからな。勝手ながら勇者軍の退路を断ってきました。今回勇者軍には魔物にやられて全滅してもらうのが一番ですからな。私達に、では無く。」

「そうか。デルタの指示か。」

勇者がやられるのが正解かどうかはわからないが、矛先を魔王軍に向けられるし私にとっては正解だろう。流石デルタだな。


「しかしいつも思ってたが、お前の見た目のギャップはひどいよな。美少年の見た目とジジィみたいな話し方、どうにかならないか?良い事を言ってるのに頭に入って来ない時があったぞ。やっと慣れて来たけど。」

「もう今更でございますな、うぉっほっほっほ。」

やっぱり違和感アリアリだ。


「先程、私の後任の幻獣王からも、勇者軍が全滅したことを確認しました。カインさん、手筈通りお願いします。」

「了解、ではデルタさんも一緒にノアさんに送っていただきましょう。」


「どこへ行くんだ?」

「退路を断った塀を消しに行って参ります。」

「なるほどね。わかった、気を付けて行ってくるんだぞ。」


カインが結界を解きデルタが杖で増殖された土魔法で塀を消しに行った。

もし魔王軍が残っていた時の為にと、ユニコも連れてノアと出て行った。

後始末といい人選といい、全部デルタの指示のようだな。ホントいい作戦参謀だ。


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