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第77話 アイスゴーレム

宿に戻って、ユニコを紹介した。


リクには収納を渡してなかったので、ロロと色違いのバングルにしてやった。小判も渡して魔力を溜めておくように言っておく。


食事中に、地元のユニコに聞いてみた。

「ユニコ?この辺りに氷系の魔石を持つような魔物はいないか?」

「もちろん、おります。」

「どっち方面に行けば会えるんだ?」

「ここからでしたら北へ向かえばどっちに行ってもおりますが、大きな魔石の魔物と言えば アイスゴーレムや、ブリーズニードル、ブリザードドラコン辺りが有名ですね。」


やっぱ、ドラゴン居るんだ。どこにでもいるね。

「アイスゴーレムがいいな。誰かが作ったもんかもしれないけど、ゴーレムも魔石が大きかったから。」

「確かに守護者として、ダンジョンの入り口を守っております。」


「「「「「「ダンジョン!!!」」」」」」」


「そこにしましょう。」「そこがいい!」「絶対!」「そこしかない!」「ダンジョン―!」


お前達、どんだけダンジョン好きになったんだよ。まあ、ダンジョン内なら魔石も取れるだろうし、いいかもしれないが。


「そのアイスゴーレムは、なんでダンジョンを守ってるんだ?」

「申し訳ありません、わかりません。もう100年以上は守っているはずですから。」


「それと、北の勇者の情報は持って無いか?」

「あぁ、一度来ましたが、返り討ちに致しました。」

こっちの勇者も弱いのか?召喚された勇者は強いんじゃないのか?


「いつ頃の話だ?」

「2年前です。」

「そいつは死んだのか?」

「いえ、排除するほどの者でもありませんでしたので、追い払っておきました。」

やっぱり弱いんじゃないの?


「その勇者だが、今はどの辺りに居て何が目的なのかわからないか?」

「詳しい事はわかりませんが、魔王討伐が目的だと思います。どの辺りにいるかはわかりません。」

「魔王はどこにいる?」

「魔王様は、北の海を更に北へ渡ったアイスヘルにおられます。」

「魔王とは会ったこと無いの?」

「はい、ございません。」

やっぱり、冥王や海王の様に、使者を使ったりするんだろうか?今までの流れからすると、そうなんだろうな。


「勇者に会うと面倒な事になる可能性が高いと見た。変な能力を持ってたり、過保護過ぎる所があるから、関わり合いになるとこっちが悪者にされそうだ。さっさとダンジョンクリアして次の国へ行こう。東の国への手前にあった結界か、転送の情報を見つけないとな。」



次の日、工房へ寄って簡易家を受け取り、お金を払った。金貨1200枚だった。

小さいくせに高かった。流石、妖精樹というところか。素材も高ければ、それを扱う工賃も高い。素材を出してこれだからな。


冒険者ギルドには声を掛けておく。行き先までは言わなかったが、まだこの連邦内にはいると言っておいた。


ダンジョンまでは、一度ユニコに馬車を引いてもらうことにした。

場所を知ってるのはユニコだしね。

ノアは初めての馬車の中で、酒を飲みまくっていた。どこから持って来たんだ?樽が出てるぞ?


馬車の中が果実酒の匂いが充満したので、飲む分だけ出して飲むように言った。

1歳児が3人もいるんだぞ。強さだけなら上位に来てるけど。


ユニコは飛べなかったが、馬車は浮いてるし【超高速移動】が使えたから1時間で目的のダンジョンに着いた。ここまで来ると、周りには雪が積もっているところもあった。

「この馬車は凄いですね、一人で走ってるのと変わりませんでした。」だって。


昼飯にはまだ早いので、先にゴーレムの様子を見ることにした。



【鑑定】アイスゴーレム

名前: なし

年齢: なし

種族: 召喚

加護: ヘッケラーの加護

状態: 普通

性別: なし

レベル: 44

HP 644/644 MP:582/582

攻撃力:411 防御力:780 素早さ:240

魔法: 土(6)氷(7)

技能: 体術(9)

耐性: 火・水・土・木

スキル: 【鉄壁】9【再生】8

ユニークスキル なし

称号: 氷のダンジョンの守護者


弱い・・・。冒険者相手ならこれで十分なんだろうな。

「みんなー、そんなに強くない。遅いし。遠距離攻撃は辞めて武器でやっつけよう。魔石はいるぞ!」


「「「「「「「「はーい」」」」」」」」」

またこのノリ。しでかさねーかとハラハラするよ。


一瞬の出来事だった。

素早さでは少し抜けているリクが両足を一振りで切断する。

続いて、ソラ、ココアが片手ずつ切断。

次にノアが首を切断。

ユニコが胴を横に真っ二つ。

それをショーンが縦に真っ二つ。

更にララ、ロロ、カイン、アゲハ・・・・・


もういいよ、辞めてやってくれ。もう十分だ。

確かに言ったよ、武器でやっつけようって。確かに言った。


最後には、大きな魔石が残った。

でも氷系の魔石では無かった。


「氷系の魔石じゃなかったな。ダンジョンは何人で入る?ユニコ、ここのダンジョンは何階層か知らないか?」

「申し訳ありません。」

「そうか、それなら仕方が無いな。私は新しい家造りの作業をするから、行きたい奴は全員で行ってもいいぞ。」


残ったのは、ココア、デルタ、カインだけだった。しかもカインは海が近かったので、海に行ってしまった。

うちの連中って、どんだけダンジョン好きなんだ?いつからそうなった?



残った者の為に、今までの簡易家も出していたのだが、ココアとデルタは私の作業を手伝ってくれていた。

そんなに時間は掛からなかった。1時間で新しい簡易家の拡張と内装ができた。

流石は分家とは言え、世界樹だった。広さはものすごく取れた。今までの簡易家と比べても魔石量を同じにすれば、本体は今までの1/10以下なのに中は3倍の広さが取れた。

妖精樹としてできたのは1つ目だから、家1号と命名した。


前回みたいに別れて行動した場合を考え、ドライアドと妖精樹を出し、他に2つコピーして家2号と家3号を作った。

馬車も妖精樹を組み込んで5つコピーした馬車1号と馬車2号と馬車3号に4号5号だ。別名ノア号とヒマワリ号とリク号とユニコ号だな。それぞれに管理させよう。念のため私も持っておこう。

浮かせるための風魔法も、妖精樹の影響を受けて飛び過ぎてしまったから、魔力が弱く出るように調整し直した。


皆、まだ帰ってこないようだから、デルタの杖を妖精樹で作って、氷系以外の魔石を組み込んだ。

横で、ほぉほぉ言うもんだから先に渡してやった。手伝ってくれてるしね。


さっきの飛び過ぎで思い出したのが、海の南のダンジョンでノアからもらった浮く石。

何かできないものか。


大きい石だと、10人で乗っても浮いているのだ。でも、ただそれだけ。

自分で定めた場所で止めると、そこで浮いているだけ。もちろん力を加えれば動く。

無重力遊泳みたいな感じだ。でも使い道が思い浮かばない。


浮かせる魔法は馬車でも使っているけど、浮かせるという一定の力を持続させているだけで、動力としては馬を使っているから、馬無しの馬車は動かない。

馬車の素材として考えた時もあったが、今ので十分だしなぁ。

うーん、何か無いものか・・・。


いっそ、ダンジョン核でも組み込んで、空飛ぶ浮遊ダンジョンでも作ってうちの奴らをフロアボスにしてやろうか。

誰も制覇できないだろうな。

ダンジョン核の使い道も考えないとな。


その日ダンジョン組は、帰ってこなかった。何階層かもわからないしね。

ダンジョン内に居る者とは、念話がつながらないので連絡方法がない。

ダンジョン内でも、同じフロアの者としか念話が通じない。

待つしかないよな。


カインは帰って来た。氷系魔物も仕留めて魔石も獲って来てくれたので、デルタの杖が完成した。「タロウ様の従者になれて、心より感激しております。」だって。

確かに良い物ができたけどね。

中央の魔石は大きいのが良いだろうから、アイスゴーレムの魔石を付けてやった。土系だったけど。得意では無いようだけど使える魔法の魔石だからいいだろ。


皆が帰って来ないので、待ってる間に勇者やこの連邦で分かったこと、近隣の国々に付いてデルタから情報を貰っていた。


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