第73話 リク
「あ、そうだ。ちょっと試したかったんだ、ヒマワリ、ヒナタ。私の肩に手を置いてくれ。」
1歳同士から子供って生まれるものなのか?という疑問だった。
2人に後ろから手を置いてもらった。
【クロスランド】発動。
相性鑑定:卵の生まれる確率 95%
交配鑑定:生まれる卵の種類 ????100%
交配しますか?Yes/No
1歳同士でもいいんだ。私の常識は、何も通じないね、魔物って。
なんだろ?生まれる魔物が決まってて確率も高いが????って。
出会ったことが無い魔物ってことかな?
もう試すしかないよな。Yesだ。
鳩尾辺りが光って卵が産まれた。
「へぇー!そうやって僕も生まれたんだね!」
「へぇ、不思議だね。」
「また生まれたんですか?」
口々に騒ぎ出す。
先に孵化させてみよう。どんな魔物だろうか。
「ヒマワリ、ヒナタ、卵に手を置いて魔力を込めてみてくれ。お前たちは今からダンジョンに行くんだから、少しでいいぞ。」
「「はーい」」
魔力は私が強く込めることにする。
卵が孵るまでに魔力を込め続けたら、満タンあった魔力が 残り1000までになってしまった。MP7000以上消費したことになる。
どうなってるんだ?法則がわからん。
赤ちゃん魔物が卵から出て来た。
「メタルドラゴンだ。初めてだな。そりゃ鑑定????になるわ。」
「へー、可愛いねー。」
「名付けだな。雄だし・・・・」
キラキラした期待の目が増えてないか?ララとロロもそうだったけど、ヒマワリとヒナタもか?
「リクにしよう。」
「可愛い名前だねー」
「リークちゃん!」
名前: リク
年齢: 1
種族: メタル族(龍)
親 :ヒマワリ・ヒナタ
加護: 佐藤 太郎の加護
状態: 普通
性別: 男
レベル: 1
HP 10/10 MP:23/23
攻撃力:25 防御力:150 素早さ:30
魔法: 火(1)・水(1)・土(1)・風(1)・雷(1)・闇(1)・光(1)・召喚(1)
技能: 牙(1)・刀(1)・槍(1)・錬成(1)・採集(1)・料理(1)・解体(1)・探知(1)・回避(1)・遮断(1)
耐性: 熱・風・木・水・雷・身体異常
スキル: 【鑑定】1【変身】1【再生】1【高速移動】1【俊敏】1【隠形】1【眷属召喚】1【錬金】1
ユニークスキル:なし
称号: なし
親の特性を両方と、私の特性も結構引き継いだな。
メタル特有の高い防御力はあるけどHPは少ないんだ。
掛け合わせた同士の方がいいのかも。しかし、1歳同士で配合できるとはね、やってみないとわからんもんだ。
「ついでに今日、レベル上げもしてしまおうか。ココアのチームに任せていいか?」
「わかりました。」
「肉だけはたくさん持って行けよ。ヒマワリとヒナタの時もたくさん食べたからな。」
「わかりました。」
「僕、そんなに食いしん坊じゃないよ!」
「わたしも!」
「いやいや、今の10倍食ってたから。」
「「違―――う!!」」
皆それぞれ出て行った。勇者の件も夜でいいだろ。
私は明日から3班に分かれるだろうと予想しているので、簡易家のコピーと、馬車はノアに管理させて、そろそろヒマワリ用にも必要だし、あと2台コピーだな。私も持っていた方がいいだろうし。工房と鍛冶屋と服屋とは回っておきたいな。
一番近かったのは服屋だった。
入って、上着などを購入した。熱耐性があるので全然寒さは感じないのだが、見た目を合わしておかないと町では目立つからね。熱耐性って、熱さだけだと思ったら寒さも同じ熱ってことみたいだ。温度の括りになるのかな。
次は工房だ。簡易家の作成の参考にさせて貰おう。
「すいません。」
「はい、なんでしょう?」
ここもドワーフだった。ノースベルという名前だった。
「冒険者ギルドで教えてもらって来たんだけど、簡易的な家に付いて教えて欲しいんだ。」
「簡易的な家ですか。」
「ロンレーンのニーベルトさんに色々教わってはいるんだけど、なんかもっと工夫できないかと思ってね。それで工房も回ってるんだ。」
「おお!ニーベルトか!最近、馬車で一発当てたとか連絡が来ておったな。奴とは同郷じゃよ。奴は昔から変わったことをする奴でなぁ。」
でしょうね。ドワーフだから、知り合いだったら大体そうだと思います。
「でも、私は結構助かったよ。馬車は私も少しアイデアを出したんだ。」
「そうかいそうかい、それで何が知りたいんだ?」
「簡易家を、もう少し小さくできないかと思ってね。今はこういう物なんだ。」
簡易家を出して説明した。
「なるほどの。これが奴の作った家のぉ。奴ではこれが精一杯かの。」
「おや?その言い方だと何かあるのか?」
「奴は少し魔法ができるからと、小手先に走ることが良くあった。今回はそれで馬車も上手く行ったんだろうが、儂らは職人だからな。この材質では、これが限界だろうて。」
「何の材質が良いんだ?」
「一番は世界樹だな。それも4つの角の柱だけでいいんだ。魔力も良く通すし、結界の役割もする。世界樹を使うだけで、そうだなぁ、この5倍は広くなるな。」
「そうなのか?それは凄い事を聞いたな。」
「なかなか手に入らんがな。世界樹の接木から品種改良された妖精樹でも、ドライアドより断然上だぞ?まぁ値段が高いがな。しかも、加工するのが難しいから腕がいるんだ。」
「そうか、わかった。良い情報をありがとう。もし、手に入ったら持って来るよ。」
と言って、工房を後にした。
次は 鍛冶屋だな。
「いらっしゃい!」
「何か珍しい物が無いかと思ってね。」
「その格好からすると防具かい?」
軽装だからね。
「いや、武器なんだ。剣か槍か杖あたりで、何かないかと思ってね。」
「珍しい物かぁ、杖は魔法屋の方が詳しいんじゃないか?うちには今は置いてねぇよ。人気が無くてね。珍しいって言えば、鞭があるぜ?これなんだが。」
鞭を出してくれた。
「ほぉ~」と言って手に取って解析完了。
「初めて見たが、どういう人が使うんだ?職業としては。」
「中距離系が得意で、近距離が苦手な奴だな。長距離は魔法で賄うような、でも力は魔法使いより強い。そういう奴かな。あとは好みだ。」
「これは皮なのか?」
「基本は魔物の皮で作られるが、これは違う。川に生息するドーゼウの髭をそのまま素材にしている。」
川にも魔物はいるよな、もちろんだが。
ありがとう、参考になったよ。と店を出た。
次に魔法屋に行って、杖の情報を聞いた。
「杖ですかぁ。今、売っている物は無いですねぇ。」
「3つ以上の魔石を付けられて、格好良い杖って誰か持って無い?」
「それなら私が持ってますが、売り物ではありませんよ。」
「見せて貰ってもいい?」
その杖には7個魔石が付けられるようになっていた。
杖の持ち手の頭の部分に六芒星が描かれており、その頂点に6つの魔石が装填できるようになっており、中心部分に大きな魔石を入れられるようになっていた。得意な魔法の魔石を入れるそうだ。格好良い杖だ。
もちろん、解析完了。
木は世界樹だった。分家の妖精樹だけど。
一旦宿に戻ったが、もちろん誰も帰って来てない。
部屋の中に、短刀で転送地点を登録してロンレーンの屋敷に短刀で転移した。
簡易家を出して、ドライアドを出す。3チームに分かれるし、2つはコピーしておかないとな。
妖精樹の依頼が解決して、うまく枝の1本でも取れれば、工房のノースベルの所に持っていて作って貰おう。
獲れるかどうかもわからないし、今はこれで十分だ。
馬車も2台、同じようにコピーした。
杖も【錬成】で作った。今はドライアドでいい。杖の分ぐらいは妖精樹を確保して、デルタに作ってやりたいが、今は無いからこれでいい。
メタルでも杖を作ってみた。もちろん攻撃力はメタルの方が上だが、魔法を使うにはドライアドの方が遥かに良かった。良い情報を貰ったね。
明日の準備もできたので、宿の部屋に転移して戻った。
誰も帰ってないな。
明日の組み合わせでも考えておくか。
ユニコーンは、場所が遠いからノアが居てくれた方がいいな。薬関係はソラが得意だし、ノアとソラだけじゃ不安だからミルキーを付けるか。
ダンジョンは、ララとロロと悪魔3人でいつも行ってるからこれでいいだろ。
残りは世界樹の分家だな。私とココアとカイン、デルタ、ヒマワリ、ヒナタ、ついでにリク。
これでいいんじゃないかな。




