第70話 生まれた
それから1週間は、皆バラバラに行動した。
ララとロロはアゲハとイロハとショーンの悪魔‘Sを伴って、ダンジョンを攻めまくっていた。
ダムダライド王国には、5つダンジョンがあるが、一つは私達がダンジョン核を持って帰ったので無くなっているだろう。その後の悪者達については、まだ報告が無いので誰も行ってないのだろう。残りの4つのうち、もう3つは制覇したらしい。
そりゃあね。そうだろうね、君らの実力なら。
ミルキーとソラとノアはは相変わらず単独行動。ココアはいつも付いてくる。デルタは図書館に籠りっきり。カインは祠と石碑の解析に行っている。
帰って来た日にアラハンにはお土産と言って、シャーガーの剣を渡しておいた。
メリアーナにも会ってきたことを教えてやると、懐かしがった後に、どういうことですか?いつ行ったんですか?非常識にも程がありますって大声を出していた。
あまり煩いので、剣を返せ!って言ったらすぐに黙った。
海系魔物も倉庫で10体出してやった。解体方法は知らないだろうから解体済みの物をね。
鍛冶屋には、水龍の刀を【錬金】で、飾ってあったものと同じものを作って渡し、水龍の牙も5本置いて来てやった。鍛冶屋の親父のテンションは・・・わかるよね。
屋敷に帰って来て思った。
拠点っていいよなぁ。我が家っていい。
まだ何年も、というか何か月も住んだわけじゃないのに我が家って言うだけで落ち着ける。
マーメライの屋敷はいらないけど、ここは今後も拠点として置けたらいいなぁ。
なーんか落ち着けるよな。知り合いも増えたしなぁ。
落ち着けたので、振り返る余裕もできた。
武器は皆に渡せたな。
お金も余裕ができた。
東の国への情報、少し出来た。行けなかったっていうのもいい情報だと思ってる。
探さなかったらわからない情報だ。行けないということが分かったから、別の道を探せる。
自分の世界に戻る方法。全く分からない。戻りたいかどうかも分からない。
他は【クロスランド】か、まだ使って無いんだよなぁ。いつ使うのかもわからんしなぁ。
一度試してみるか。何事もまずは試してみないとな。
拠点にいる今がいいんじゃないか?
誰と誰がいいんだろうか?
ドラゴン繋がりで、ノアとカインか?悪魔繋がりでショーンとアゲハかイロハか。獣人ってどうなんだろ?ミルキーは女扱いになるのかな?
相性鑑定もあったし、わかるだろ。ダンジョン攻略組以外は、夕食には全員揃うしな。
まずは、できることを。【クロスランド】を試してみよう。
夕食が終わり、ノアとカインに頼んでみた。
私の後ろから、カインは右肩にノアは左肩に片手を置いてもらって【クロスランド】を発動させる。
相性鑑定:卵の生まれる確率 90%
交配鑑定:生まれる卵の種類 火竜70%・水龍60%・地龍30%・雷龍25%
交配しますか? Yes/No
物は試しだ Yes
私の鳩尾辺りが光り出し、バスケットボールぐらいの卵の形になって来ると同時に光が暗くなっていく。光が消えたら、卵がそこにあった。両手で落とさないように抱える。
「生まれた。卵だ。」
「主様が魔物を生んだっていうことですか?」
「確かにそう見えるよな。でも、実際はノアとカインの子っていうことになるよ。」
「わらわの子供なのぉ?」
「我の子供ですか?」
「火竜か水龍か地龍か雷龍が生まれると出てる。火竜の可能性が一番高いな。」
「ついでにココアとデルタもやってみるか?ミルキーは雌でいいのか?
アトムで試してみようか。ココアも協力してくれるか?」
「はい。」
自分達の子供なんて実感は無いから、遊び感覚で手伝ってくれた。
雄が右で雌が左とかの関係は無く、どちら側でもいいようだ。
私の背中から、ココアを右肩にアトムに左肩に手を置いてもらって【クロスランド】発動。
相性鑑定:卵が生まれる確率 60%
交配鑑定:生まれる卵の種類 白狼70%・黒狼65%・ダークウルフ50%
交配しますか? Yes/No
Yesだ。
さっきと同じように 鳩尾辺りが光り出す。やはり同じように卵の形を作り出す。
成功した。生まれた。
「生まれたな。卵が生まれる確率が60%だったからどうかと思ったが、無事卵が産まれたよ。白狼か黒狼かダークウルフが生まれる可能性があるみたいだ。」
孵化ってどうやるんだ?
――魔力を込めます。大きな魔力程、強い子が生まれます。
1人でやるのか?
――関わった3人の内なら1人でもいいですが、3人の方が色々引き継ぎますのでお勧めです。
じゃあ、今日は龍だけ孵化してみようかな。
「ミルキーとカイン。この卵に一緒に魔力を込めてくれるか?」
「わかりましたわぁ」「御意」
私も入れて3人で魔力を込めた。私の魔力が1/3ぐらい減った時、卵の殻が破れて赤ちゃんドラゴンが生まれて来た。黄色い雷龍だった。一番可能性が低かったのにな。
あくまでも可能性だからね。
「雷龍が生まれたな。名前も付けてやらないとな。そうだなぁ、雌のようだしヒマワリにしようか。」
赤ちゃん雷龍が淡く光った。
しかし、簡単に生まれたな。まだ余裕があるし、もう一つの卵もやってみよう。
「次はこっちの卵だな。ココアとアトム、手伝ってくれ。」
同じぐらい魔力を消費した時、卵の殻が破れて赤ちゃんが生まれた。
黒かった。黒狼か。
「こっちは黒狼だな。こっちは雄のようだし、名前はヒナタでどうだ。」
赤ちゃん黒龍も淡く光った。
あと、何を食べるんだ?ミルクなのか?
「なぁ、この子達は何を食べるんだ?ミルクかな?」
「私はミルクだったと思います。」
「わらわは初めから肉ですわぁ。」
鑑定でわかるのかな??
名前: ヒマワリ
年齢: 1
種族: 竜族(雷龍)
親 :ノア・カイン
加護: 佐藤 太郎の加護
状態: 普通
性別: 女
レベル: 1
HP 40/40 MP:23/23
攻撃力:25 防御力:25 素早さ:25
魔法: 火(1)・水(1)・土(1)・風(1)・雷(1)・闇(1)・光(1)
技能: 牙(1)・槍(1)・ブレス(1)・採集(1)・料理(1)・解体(1)・探知(1)・回避(1)・遮断(1)
耐性: 熱・雷・毒
スキル: 【変身】1【再生】1【高速移動】1
ユニークスキル:なし
称号: なし
名前: ヒナタ
年齢: 1
種族: 黒狼族
親 :ココア・アトム
加護: 佐藤 太郎の加護
状態: 普通
性別: 男
レベル: 1
HP 38/38 MP:36/36
攻撃力:22 防御力:21 素早さ:34
魔法: 水(1)・土(1)・風(1)・氷(1)・闇(1)・光(1)
技能: 牙(1)・短刀(1)・薙刀(1)・採集(1)・料理(1)・解体(1)・探知(1)・回避(1)・遮断(1)
耐性: 熱・雷・毒
スキル: 【変身】1【再生】1【威圧】1【眷属召喚】1
ユニークスキル なし
称号: なし
普通にレベルが見れただけだな。食べ物まではわからないな。
魔物だし 柔らかい肉でいいんじゃないかな?柔らかい肉と言ったら 水系の方がいいか。
ガンギョンの身を少し煮込んで食べさせてみた。
ヒマワリもヒナタも勢いよく食べて、その後は寝ちゃいました。
「可愛いなぁ、今日は私のベッドで寝かそう。私は横のソファーで寝ることにしよう。」
翌朝は、赤ちゃんの泣き声で起こされました。
鳴き声と言っても、おぎゃーでは無いからね。ワン!キャン!ギャー!ギャオー!ですから。
昨夜と同じガンギョンの煮込みを食べさせたら、泣き止んでまた寝ている。
ただ、このままじゃダメだよな。魔物だしララとロロみたいにレベルアップで急成長するんじゃないか?
「ココア、今日この子達のレベル上げに付き合ってくれるか?」
「はい。」
「私達も行きます。」とノアとミルキーとカインも手伝ってくれた。




