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第7話 影縛り

「うーん、起きたらまた向かってくるよなぁ、何か拘束できるものはないか?」

「それならうちに任してー」

そういうと胸元から箸を1本取り出し、オオカミの脇に向かって投げつける。

「影縛りー!」

箸が地面に刺さる。

「これで大丈夫だよー」

「なにそれ?」

「影縛りだよー。」

聞いた私がバカでした。

忍法ってスキルは持って無かったと思うが。

闇魔法か何かなのだろう。もう想像するしかない。


小一時間ほど待つと、オオカミが目を覚ました。


「うーむ、・・・これは?動けぬ。」

しゃべれるんだね、影縛りも効いてるな。


オオカミの目の前に回り、話しかける。

「大丈夫か?」

グルグルグルーと低く唸り声をあげる。

「大丈夫そうだな。少し話をしたい。こちらは敵対するつもりはないので話を聞いてくれるとありがたいんだが。」

「敵対心は無いと申すか!これだけ森を破壊したにも関わらず!信じるに値せん!」


あー、さっき走ってやっちまった件だなー

確かに休憩の時に見たら結構大きな木も倒れてたんだよね。

若干煙が燻ってるところもあったりしたなぁ。

「獣や魔物を倒すことには何も言わん!しかし、森を破壊するものには我が相手を致す!」

動けない割には上から目線だなぁ、しかし、やっちまったものはしょうがない。


「それに関しては、すまなかった。この通りだ。」

と素直に頭を下げる。


クレーマー対応には少し自信がある。まずは話を聞く、謝る、同調する。

そこから落ち着かせてこっちのペースに持っていき、話を聞いてもらう。

伊達に年を食っているわけではない。

時間はかかるが、ほとんど解決してきた。そのストレスのせいで今回は引きこもろうとしていたわけだが、こんな事態になってしまっている。


ようやくオオカミを落ち着かせ、こちらの話も少しずつ聞いてくれるようになってきた。


「ソラ、影縛りを解いてやってくれ」

「いいのー?」

「ああ、頼む。」

ソラが箸を地面から抜くと、オオカミは動けるようになった。


「そろそろ本題に入りたい。聞きたいことがあるんだが、教えてもらえるだろうか?」

「うむ、そもそも我は倒された。相手がお主ではなかったなら殺されていたかもしれん。我の知っていることなら、教えてやろう。」

倒されたのは認めるのに上から目線なんだ。


「要件というのは異世界についてだ。私は異世界からやってきたが、帰り方がわからない。あなたは私の世界への帰り方を知らないか?」

「ほぉ、この世界の者では無かったか。それなら我より強いというのも納得だ。これまでにも 異世界の者と何度か戦ったが、やはり強者ばかりであったわ。負けたのはこれで2度目だがな。」

前に負けた時はまだ若く、その時は従者になったらしい。


「我は異世界人の従者はしていたが、異世界とのつながりについては、まったく知らん。」

「そうか、残念だ。ただ、今はまったく情報が無い状態なんだ。なにか手がかりになるようなことは知らないか?」

「手がかりになるかどうかはわからんが、ここより西へ10日ほど行くと不思議な祠があるそうだ。その祠は人間の手で管理されており、どこかは知らんが転送されるらしい。異世界なのか異国なのか過去なのか知らんが、戻ってきたものはおらんらしい。」


確かに手がかりという程では無いな。でも、何かの手がかりにはなるかもしれない。

そこへ行ってみるか。


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