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第67話 デルタ

海辺にはココアとミルキーとイロハがいた。

軍の兵士も20人ぐらいいて、なにやら話しているようだ。

別に揉めている訳では無いようなのだが、しつこく付き纏われているようだ。


軟派か?


「おーい、どうした?」

「あ、タロウ様。少し困っていまして。」

「おお、貴方がリーダーか?今、こちらの冒険者の方にお願いをしておったところなのです。」


兵士長のレムナンドと名乗る男が説明してくれた。


「我々は昨日の落雷の事もあり、海岸の警備を強化していたのですが、そこに この3人が海から現れて、魔物の解体を始めるものだから初めは茫然と見ていたのですが、おいしそうに食べ始めるのを見て、少し分けて貰えないかとお願いをしておったのです。いかがでしょうか?少し分けてはいただけないでしょうか。我々も海の魔物は久しく食っておりませんでな。もちろん、代金はお支払いしますぞ。」

周りの兵士達も同調して頷いている。


「私としては、別に構わないんだが私達は冒険者ギルドに所属しているからなぁ。昨日も、今日も冒険者ギルドに魔物は出しているから、そっちで回して貰えばいいんじゃないか?この町のルールはよくわからないんで、後で揉めるようなことにはなりたくないな。」

「そういうことなら問題ありませんぞ!冒険者が魔物をどこで売っても、問題ありません。買値の高い所で売るのが当然ですからな。」


「ココア?どれぐらい獲ったんだ?」

「私は遅れての合流だったので、昨日の半分ぐらいです。ミルキーさんとイロハさんは、昨日の私と同じぐらい獲っていましたよ。」

マジか!いつもいつも目を離すと・・・。


「タロウ様?タロウ様から頂いた指輪って凄いんですね!陸上にいる時と変わらない動きが出来て、しかも息もできますし、立体的に動けるから陸上の時より縦横無尽に行動できるんです。しかも、渦巻きを作ったり水操作もできますし、水を収束させてビームのように攻撃できますし、つい少し沖まで行ってたら獲り過ぎてしまって。」

ついって・・・、それで500体か?ついって数字じゃないと思いますが。


「それよりも、この魔物。すっごく美味しいんですよー。食べてみてください。」

ゴクリ!って兵士全員から聞こえた。


「わかったよ。解体した魔物は、これだけか?」

「いえ、他に3体ほど。」

「兵士長、お金はいらないから皆でここで食べよう。その代り、他言無用で頼む。お持ち帰りも無しだ。」

おおお!兵士から歓声が上がる。


全員で食べた。本当に美味しかった。途中から醤油を出して皆にも分けてやる。

更に美味しくなった。刺身には醤油だよねー。

だれかが魚醤も持って来ていた。


途中で、兵士長が代金はやっぱり支払います。と言い出したが、もう水龍もいないと思うから、今後は海の魔物も獲れるようになると思うよって言っておいた。


食べ始めてすぐに、兵士が酒を持ってきたので、宴会に突入。

いつの間にか100人を超える人だかりになっていて、更に魔物を解体することになった。酒もどんどん運び込まれる。酒に釣られて人も増えていく。


他言無用はどこ行った?

兵士長自ら呼びに行ってんじゃねーよ。

儂のオゴリだー!でもねーし。色々間違ってるよ。

大宴会になってしまったところでノアの馬車が帰って来た。


遠目で人が集まっているのがわかったので、浜辺の端の目立たない所に降りてから全員で歩いてきたようだ。


「我が主ぃ、ズルいですわよぉ自分達だけでぇ。わらわも仲間に入れてくださいぃ。」


ノアさん、酒の匂いには敏感だったね。でも、早すぎないか?2~3日は帰ってこないと思ってたけど。


「お帰り、ノア。結局ダンジョンには行かなかったのか?」

「行って来ましたわよぉ。はい、今回の戦利品ですわぁ。こういう石の大きなものを獲って来ましたわぁ。我が主が喜ばれると思ってぇ。」

5センチ角ぐらいの石を渡してくれた。というか放り投げられたのだが、ゆっくりと浮いてこちらに届いた。受け取った後、手を放してみるとやはり石は浮いていた。


「なんだ?これは。」

「それは浮石と言いまして、南のダンジョンの最終フロアにあるのです。」

カインが答えてくれた。


「最終フロアって事は、オピオンには会えたのか?って早いなぁ。最終フロアって何階なんだ?」

「30階層でした。1フロア、5~10分でしたし、移動はノアさんがいましたし。こんなに早くていいのか?と我も思ったぐらいです。これが戦利品です。」

カインは、魔石を大量に出した。

「ついでに頼まれていた牙です。」

水龍の牙もたくさん出した。しかも牙デカいって。最後にダンジョン核も。

「バカ!こんなとこで出す奴があるか!」

すぐに収納したが手遅れだった。


私達の会話を聞いていた周りの者達も不思議な石が出て来て、ダンジョンやオピオンという単語が出て来て、大量の高ランクの魔石が出て来て、水龍の牙が出て、ダンジョン核まで出て来たら、全員の酔いが冷めてしまったようだ。


「あんた達・・・何者なんだ??」

「いや・・・ただの冒険者なんだけど・・・他言無用は・・・もう無理だね。」

兵士全員から呆れ顔で睨まれた。

はははは・・・・。どうやって誤魔化そう・・・・。


色々問い詰められたが、先に仲間を宿に帰して私が最後まで対応した。

最後は、明日冒険者ギルドに行くから、そこに使いの者でも出してくれと言って説得して帰って貰った。


宿に戻ると、何か一人増えている。なんで?

「ご主人様ー、回復してい~い?」

どゆこと?こいつ誰?いつからいた?


「ソラ、こいつ誰?」

「オピオンっていう子だよー。」

え?ダンジョンマスター?連れて来たの?連れて来てもいいの?人型だし気づかなかったよ。あ、ダンジョン核も獲ってきてるしね。でもなんで連れて来たの?


「どういうこと?誰か説明できる?」

「では我から」とカインが説明してくれた。

こいつも、あんなところで 魔石や水龍の牙を出すぐらい常識が足らないからな。教えて行かないといけないな。ミルキーでも付けとくか。


「我々は、1フロアごとに順番に先頭を変わって攻略して行きました。」

ボクも先頭やったんだよ!ってロロも自慢する。


「簡単に最終フロアに着きまして、誰が対戦するのか揉めていたんですが、このオピオンがこちらが無視して揉めていることに腹を立てまして、氷の魔法攻撃を撃って来たんです。」

なるほどー、わかるよオピオンの気持ち。


「その攻撃をノアさんが扇子で弾き返したら、オピオンに直撃して伸びてしまって。マーメイドの情報も聞けていないままでしたから、そのまま連れて来たんです。」

「そうなんだよ!結局ノアさんがやっつけちゃったんだよ。次はボクの番だったのに。」

「違います、私の番だったんです!」

「違うよ!姉ちゃん、ボクだよ。」

「うちの番だったよー」

皆 口々に言い出す。


「わかったから!もういいよ。で、こいつがここにいるのはわかったけど、連れて来たってことは仲間にしたいのか?」

「どっちでもいいよー、ご主人様 決めてー。」

「そうですわねぇ、どっちでもいいわよねぇ。」

「またボクの後輩ができるの?カインさんの次だよね。」

「私は女の子の後輩が欲しいなぁ、この人男だったみたいだし。」


私もどっちでもいいんだが、仲間にした方が情報も聞きやすいよな。カインの時みたいに。精神を操ってといういのは、なんか嫌だし。その後、倒すってことにもなりそうだし。


「わかった。仲間にしよう。ソラ、回復してくれ。」

「わかったー。」

ソラがオピオンに回復薬を飲ませる。すぐに意識を取り戻した。


「ここは?」

「おい、お前。私の仲間にならないか?」

「かしこまりました。」

私の額が光る。


すぐだな。前のように心配もいらないから、呆気なくて気が抜けるよ。

逆に、仲間にしたく無い者も仲間になる可能性があるから気を付けないとな。


「お前は男か?」

「左様でございます。」

「では、名前は デルタだ!」

ララとロロまで期待感満載になってない?もうキラキラしか付けられないね。

もうあまり知ってるの無いんだけど。


デルタが淡く光る。


名前: デルタ

年齢: 3411

種族: 竜族(蛇神)

加護: 佐藤 太郎の加護

状態: 普通

性別: 男

レベル:31

HP 2006/2006 MP:4800/4800

攻撃力:1154 防御力:1520 素早さ:1755

魔法: 水Max・土(6)・風(5)・雷Max・氷Max・光(5)・闇(7)・神聖(2)・空間(8)

技能: 牙Max・剣(3)・槍(7)・杖Max・弓(3)・料理(2)・遮断(3)・回避(5)・解体(3)・研究(6)・錬成(4)

耐性: 風・木・水・雷・毒・麻痺

スキル:【鑑定】6【変身】7【痛覚無効】2【超高速思考】9【再生】5【並列魔法】3

ユニークスキル: 【絶対記憶】

称号: 南のダンジョンマスター



強くないな。考えるのが得意で魔法系なのかな?

【絶対記憶】ってなんだ?覚えるだけ?

――絶対記憶とは、自分の事だけではなく、全世界で起こったことでも情報が入れば忘れませんし、その情報から予測をします。その確率は100%に限りなく近い予測が立てられます。


すごいじゃないか。戦わなくてもいいよ。戦う奴は一杯いるから参謀になってくれ。


「デルタ、これからは宜しくな。」

「こちらこそ、よろしくお願いいたします。」

「今日は、ゆっくりして明日に話を聞こうと思ったんだが、明日は忙しいんだ。マーメイドの情報だけでも 知ってたら教えてくれないか?」

「マーメイドでございますね、マーメイドの居場所は 現在、南のダンジョンより北へ1000キロ行ったところを回遊しているはずです。」

南のダンジョンからではなく、ここマーメライの入り江からだとどれぐらいだ?」

「ここはマーメライでしたか。北東へ50キロ程です。」

「近いな。明日全員で行って来てくれないか?明日は城から使者が来たりして面倒な事が起こりそうなんで、私一人で対処しようと思うんだ。」


反対する者はいないようだ。城って面倒なイメージがあるもんな。

「本来なら、デルタのカードも作ってカインと一緒にSカードにした方がいいんだけど、明日は、この町に居ない方がいいからな。皆でマーメイドに東の国の情報を聞いて来てくれ。殺しちゃダメだぞ。」

まさか、もう連れて来ないだろ。でもこいつらならあり得るかもしれんな。


「一応言っておくが、今日みたいに連れてくるのも、もういいからな。」

同意はしてくれたから、大丈夫だと思いたい。


「それとノア、もう馬車はお前が持っておいてくれ。」

「わかりましたわぁ。」

「デルタは魔法が得意なのか?得意武器は杖のようだが。」

「はい、杖が一番得意でございます。」

「杖は、作ったことが無いな。また調べておくよ。これを渡しておく。カインにもだ。」

小判を1枚ずつ渡した。デルタには収納の指輪も渡した。

おおお!小判!!2人とも知ってるのね。じゃ、説明はいらないね。


「武器は取り敢えず、槍でも持っとくか。」

デルタにはメタル系の槍を渡した。


これで 明日の準備は整ったな。


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