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第66話 メタルフロッグの指輪

皆戻っていたので、今日の出来事を説明して、カインを紹介した。


あとは、水龍討伐達成の証拠だな。

「カイン?水龍の時の牙って無いの?」

直球で聞いてみた。


「ございます。我の棲み処に戻れば置いてあります。」

「え?マジ?」

あれ?解決?悩んで損した感じだな。


「明日、行って来れる?」

「御意、では、明日行ってきましょう。」

「でも、なんであるの?」

「あまり知られておりませんが、水龍は100年に1度、牙が生え変わります。その生え変わった牙は、棲み処に隠しておくのです。結界の役割も果たしますので。」

「棲み処って どこにあんの?」

「南のダンジョンの近くにあります。」

「南のダンジョン?近いの?」

「今は進化の恩恵で【超速水中移動】を得ましたので、1日も掛からないと思いますが、今までは1週間掛かっておりました。」

「え?なんでそんなとこに棲み処があるのに、この入り江にいたんだ?」

「海王様の指示でした。」

「海王??」

また出たよ。魔王に冥王に海王か。出会いたくないね、バトルになったら負けそうだし。

言葉に出すとフラグになるから辞めておこう。


「海王様は、この海を統べる者です。海で生きる限り逆らってはいけないのです。」

神の様な存在かな?従者関係とは違いそうだ。だから私の従者になれたんだろうな。


「カインは会ったことあんの?」

「ございません。」

「?なら、どうやって、指示されたんだ?」

「使いの者が来ましたから。」

ここも使いの者か。ミルキーもそうだったな。


「わらわもダンジョン行きたいわねぇ。」

「ボクも行くー!」

「うちもー」

元気者共が何か言ってるなぁ。


「そのうちね。今はこの町で情報収集だ。東の国について、何かわかったことないか?」


誰も東の国についての情報は得られなかったようだ。


「よろしでしょうか?」

「ん?カインどうした?」

「東の国の情報とは?何の話でしょうか?」

「この()たち二人は、東の国の出身なんだ。私も東の国の出身みたいなもんなんだが、この西の大陸に飛ばされてきて、東の国へ行く方法を探しているところなんだ。」


「それならば、マーメイドに聞けばわかるかもしれません。」

「マーメイド?人魚か?」

「人間たちは人魚と呼ぶ地域もあるようでございますね。そのマーメイドなら知っているかもしれません。マーメイドたちは、ずっと回遊しているので、どこにいるかはわかりませんが、ずっと回遊しているので海の情報には詳しいのです。」

「それなら会って聞きたいもんだが、どこにいるかわからないのなら聞けないじゃないか?」

「マーメイドたちの居場所を知っている者が南のダンジョンに居るので、その者に聞けばわかるでしょう。」

「ダンジョン内か。なんて言うやつなんだ?お前と仲はいいのか?」


「オピオンという大蛇の魔物ですが、非常に博識です。縄張りが近いので顔見知りではありますが、いつも縄張り争いをしています。」

「それは仲が悪いっていうことだな。誰か付けてやりたいが、海の中となると私も含め、皆得意ではないんだ。今、装備で何とかならないかと考えているんだが、今日冒険者ギルドで魔物の付加効果について教えてもらったとこだから、まだ作れてないんだ。今晩作ってみるけど、水中での戦闘も経験がないしなぁ。」

「ダンジョン内は空気がございます。ダンジョンは水中にありますが、そこまでは我が連れて行けますし、ダンジョンに行くと言うなら案内できますが。」

「わかった。今日、装備を作ってみて良い物ができたら考えてみよう。」


温泉にも浸かり、豪華な海鮮料理を楽しんだ後、私は宿の横の路地で目立たない所を選び、短刀で転送ポイントの登録をした。

短刀で、自分の屋敷の庭に転送でジャンプし、試作家を出して作業に入る。

マーメライの町で、試作家を出すことも考えたが屋敷に戻った方が、周りを気にせず安心だと考えたからだ。

帰れるしね。


さあて、水龍の刀から解析した水中呼吸は絶対にいるとして、水の中でも自由に動ける様なものとなると・・・イルカみたいなドルファードだな。他には、水を操作できるタコみたいなダーコ。水鉄砲みたいに水を飛ばして攻撃するガンギョン。水圧に耐えられるオルファリオン。

全部、指輪で作るとしても多すぎて邪魔だな。合成で付加効果も追加できないかな?

まずはベースには、メタル系だな。今回はメタルフロッグをベースにして水中呼吸を練り込んで錬成。


【鑑定】

名称:メタルフロッグの指輪

種類:指輪

攻撃力:0

守備力:2

付加効果:メタルフロッグ、水中呼吸


メタルフロッグの効果では水かきができた。

次にドルファードをそのまま指輪に錬成。


【鑑定】

名称:ドルファードの指輪

種類:指輪

攻撃力:0

守備力:1

付加効果:水中移動


これを合成してみる。


【鑑定】

名称:メタルフロッグの指輪+1

種類:指輪

攻撃力:0

守備力:3

付加効果:メタルフロッグ、水中呼吸、水中移動


おお!できた。私って凄くね?自画自賛だわ。1つ試作で作ってみて それから全員分だな。


【鑑定】

名称:メタルフロッグの指輪+4

種類:指輪

攻撃力:0

守備力:6

付加効果:メタルフロッグ、水中呼吸、水中移動、水圧耐性、水操作、水攻撃


いいんじゃない?ん、いいと思うよ。後は、カインの武器と収納の指輪だな。

武器はトライデントがいいって言ってたから、これもメタル系だな。

柄の部分はドライアドにするか。トライデントって三又の刃先から雷とか魔法が出るイメージがあるし、魔法効果の高いドライアドがいいだろう。

剣系はニンフ、槍系はドライアドがしっくりくるんだよなぁ。

魔石も1個、内臓しといてやろう。更に魔法効果が高まるだろうし。


結局、朝まで掛かってしまったな。あんな、水龍の刀を見てしまったのがいけないんだ。

美しかったから、クリスタル系やレインボー系などで水龍の刀をイメージしながら刀や剣を作って、柄巻も真似して作ったら、すごく格好良いもんだからオリジナリティを模索し出したら、止まらなくなったよ。私も武器フェチの仲間入りか?少し違うか。作るのが楽しいんだ。良い物が出来上がると最高の気分になるもんな。


もう皆起きてくるころだから、マーメライに戻るか。

試作家を収納し、短刀で転移してマーメライの宿に戻って来た。


朝飯が終わり、皆に指輪を渡し、カインにも武器と収納の指輪を渡した。

おおおおお!!って、カイン煩い。普段、トライデントは収納しておくことを念を押しておく。皆にも指輪を渡して付加効果を説明した。


「兄ちゃん!じゃあ、ダンジョンに行ってもいいんだね!」

ロロの問いに、皆が私に注目する。期待満々で目が輝いている。


「仕方が無いなぁ、カイン?連れて行ってくれるか?」

「御意。牙を取った後、そのまま行ってきましょう。それで、誰が行くのですか?」


皆 「私が!」「わらわじゃ!」「絶対!」「うちー!」口々に騒ぎ出す。

煩すぎーー!お前達、そんなダンジョン好きだっけ?


「煩いよ。行きたいもの全員で行けばいいさ。私は冒険者ギルドに行かないといけないし、メリアーナが観光案内もしてくれるって言ってたからな。」

「私も観光案内がいいです。」「そっちも捨てがたい!」「私は主様のお供を致します。」

また 口々に騒ぎ出す。


「わかった、わかったから。行きたい方を選べばいいから。」


2組に分かれることになった。

ダンジョン組は、カイン、ノア、ソラ、ララ、ロロ、アゲハ、ショーンの7人。

居残り組は、私とココアとミルキーとイロハの4人に分かれた。


ダンジョン組はリーダーとして引率できそうなのがいないので不安だったが、新参者でもカインがマシに思えたので、案内をするという名目でリーダーと言うか引率者として任命しておいた。


ダンジョン組の移動はノアの馬車でカインの棲み処の上空まで行き、カインだけ一旦牙を取りに行き、ダンジョン上空まで行ってから海に潜った。

その方が遥かに速いから。


海に潜るとカインが竜化して全員を背中に乗せ、結界を張った。結界内には空気があったので、指輪の効果を試すことは無かった。ダンジョンにはすんなり入れたようだ。

青龍の姿になったカインは、全長25メートルの長い龍になる。余裕で全員乗れたようだ。


残った私達4人は冒険者ギルドに行き、メリアーナに会っていた。


冒険者ギルドに着くと満面の笑顔で迎えてくれた。

昨日出した魔物の解体はもうすべて終わったようで、先に倉庫が満タンになるまで水系魔物を出してやった。


冒険者ギルドの連中ももう驚きは無く、1体出す毎に歓声が湧くほど盛り上がっている。皆テンションアゲアゲになっている。

解体には冒険者も駆り出され、どんどん解体していく。解体された魔物は、すでに買い手が付いており、解体される物からどんどん消えて行く。

倉庫が満タンになるまで出した魔物も、3時間もすればほとんど無くなってしまう。

無くなれば、追加で魔物を出してやる。


今日は、観光案内は無理そうだな。

「メリアーナ?すごく嬉しそうでいいんだけど、今日は観光案内は無理そうだな。」

「え?何か言った?あれ見てよ。シャーガーなんて、もう10体目よ!こっちはオルファリオンにドルファードに、凄くない?」

「私が獲って来たものだからね。知ってるよ。」

「あなたは、なんでそんなにテンション低いのよ!みんなを見てみなさいよー!」

はいはい。こりゃダメだ。


「ミルキー、イロハ、残念だが今日は観光案内は無さそうだ。適当に町を散策していいぞ。なんなら、入り江で魔物狩りをして来てもいいぞ?まだまだ要りそうだし。ココアは悪いが魔物も持ってるし、今日はこのまま付き合って貰おうか。」


ココアを残し、ミルキーとイロハとは別れ、鍛冶屋に来てみた。

こっちも同じだった。店を閉めて武器・防具造りをやっているようだ。


冒険者ギルド戻り、ココアと交代してココアにも自由にして来いと送り出す。


これは小判の威力の副作用ってやつか?何もすることが無いよ。暇潰しに私も解体作業に参加するか?これだけ嬉しそうな奴らの楽しみを奪うのもねぇ。


夕方になり、最後に倉庫を魔物で満タンにして冒険者ギルドを出た。


まだ宿に戻っても誰もいないだろうし、海でも見に行ってみるか。


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