第49話 3体の悪魔
ノアが待っていてくれた。
ソラとドレミが子供達と遊んでいた。あ、ドレミちゃん久し振り。
ココアは同じぐらいの子と楽し気に話し込んでいる。
ノアは入り損ねたんだろうな。
「みんな楽しそうじゃないか。」
「そうですわねぇ、でもヒマですわぁ。」
「ヒマなら今のうちに、簡易家でも取りに行くか?疲れて無かったらなんだけど。」
「それはいいですわねぇ。疲れてなんかおりませんわぁ、退屈鎬に丁度いいかもしれませんわねぇ。」
ソラとココアを呼び、調理器具と魔物肉を出してやり食事の支度を任せた。
ドレミは遊ばせておいてやろう。楽しそうだし、こんな機会も無いだろうし。
出口の魔法陣を作っておく。そうすれば帰りは一瞬だからね。
魔法陣の入り口と出口にはキーがあって、それが合うように錬成しなければ繋がらないようになっている。だから片方を消していれば安心だし、別の魔法陣とつながることも無いのだ。
今回、子供達を転送させた魔法陣も、出口はすでに消してある。
簡易家を取りに行ってくることを伝え、馬モードのノアと馬車で町を出た。
やはり1時間後、ダンジョン前の簡易家に着いた。
「我が主ぃ、なにか様子がおかしいですわねぇ。」
確認すると魔物の山と、3体の魔物がいた。
「なんだー?」
敵意は感じられなかったし、掛かってくれば倒せばいいだけなので、そのまま降りることにした。
【那由多】からは 警告が無かったし。
――警告する必要性を感じませんでした。
はいはい、分かってるよ。いつも通りだね。
馬車から降りると3体の魔物がやってきて、私の前に膝まづいた。
「やはり、我の目には狂いは無かったようです。救世主様、我々を救世主様の僕にしていただけないでしょうか。」
真ん中の奴が言ってきた。なんだよ救世主って。恥ずかしすぎるわ!
こいつら悪魔なんじゃないのか?
【鑑定】
名前: なし
年齢: 3018
種族: 悪魔族
加護: なし
状態: 普通
性別: 男
レベル:23
HP 1522/1522 MP:1411/1411
攻撃力:1720 防御力:1698 素早さ:1852
魔法: 火(4)・闇(2)・召喚(5)・転送(1)・空間(2)
技能: 剣(5)・槍(5)・弓(3)・回避(6)・遮断(7)・
耐性: 熱
スキル:【鑑定】3【再生】6【収納】2【魔眼】4
ユニークスキル:なし
称号: なし
従者: なし
やっぱり悪魔だ。まぁまぁ強そうだな。それでも、この森では最上位の位置にはなるか。
警告されるレベルでは無いのも確かか。
「なんだ?その救世主ってのは?しかもなんで僕にしないといけないんだ?」
「そんなことをおっしゃらないでください、救世主様。」
「その救世主様っていうのを辞めろ!」
「では、お名前を伺ってもよろしいですか?」
・・・・敵意はないようだし、話もできそうだし、配下に付きたがってるように思えるが・・・。
でも、悪魔や幽霊に名前を言ったら呪われるとか操られるとか無かったか?
――その心配はいりません。精神攻撃はレベルの格上の者には効きませんし、【那由多】がありますので、問題ありません。
いつも【那由多】があるからで済ませられている気がするが、そんなに万能なのかな?
――万能です。
そうなんだ。すっごい自身だね。なんで大丈夫なのかの説明はいつもしてくれないからね。
「名前を言ってもいいみたいだな。タロウだ。」
「おお!タロウ様とおっしゃるのですね。素晴らしい響きだ!」
いや、日本では昔から一般的に良く使われている名前です。最近では少なくなってきましたが。なんかゴメンなさい。そこまで言われるほどの名前では無いです。
「タロウ様、是非とも我ら3人を、僕の末席に加えていただけないでしょうか!」
「いやいや、私達は初めましてだよね?いきなり僕って言われても。」
「タロウ様からは初めてかもしれませんが、我々はタロウ様がこの森に来られた時よりお見受けしておりました。そして、そのご活躍もすべて拝見させていただきました。ご自分では何にも為さらずとも配下の者達に魔物を排除させ、その戦利品をわが物とし、挙句魔石まで献上させ、魔石を粉砕した時の残念がりよう。魂用の子供達を略奪し、ダンジョン核まで強奪されるご様子。しっかりとこの目に収めております。どうぞ我らを配下へと・・・・」
「却下。」
え?なぜ?って顔すんな!
どんな見方をすればそうなるんだ!悪魔目線か?嫌だよこんな奴。
ノアさん、横でウンウンって、そう思ってたの?
あ!
私の額が3回光った。
こいつら!
【鑑定】
名前: なし
年齢: 3018
種族: 悪魔族(悪魔公爵)
加護: 佐藤太郎の加護
状態: 普通
性別: 男
レベル:23
HP 1824/1824 MP:1680/1680
攻撃力:1950 防御力:1938 素早さ:1943
魔法: 火(4)・闇(2)・召喚(5)・転送(1)・空間(2)
技能: 剣(5)・槍(5)・弓(3)・回避(6)・遮断(7)
耐性: 熱
スキル:【鑑定】3【再生】6【収納】2【魔眼】4
ユニークスキル:なし
称号: なし
従者: なし
やりやがった!私の加護が付いてやがる。向こうから無理やりでもできるのか?
【クロスランド】に進化したからか?こいつらの能力なのか?
「お前ら!なにしてんだ!」
「こうでもしなければ、配下に加えていただけないかと思いまして。」
「・・・・・・・。」
何も言えねーわ。
「そこまで言うのなら配下にして、その根性を根本から叩き直してやる。覚悟はいいんだな?今更か。もう従者になってしまってるしな。」
「ご納得いただき、ありがとうございます。」
「納得何てしてねーよ。さっきのは何だよ!私の許可なく私と従者契約できんのか?」
「それは、我らを呼び出した者と本来は契約するはずだったのですが、我らは契約していませんでしたので、自由に主を選べるのです。あまり無いパターンですが、我らは運が良かった。我らの救世主に相応しいタロウ様に出会えましたから。」
「さっきからなんで救世主って言うんだ?」
「一つは我らを呼び出した者が、この森から出られない制約だけは付けられておりましたから、森から出られませんでした。タロウ様の僕になることで、その制約も解除されます。何より、我らは絶対的強者のお役に立ちたいということを常々思っており、その方のお役に立つことこそが、我らの最大の幸せなのです。タロウ様の元なら、我らの力を存分に発揮できるのではないかと愚考いたしました。」
お役に立つ = バトルってなってないか?他にもあるだろう!
よし、名付けの時に、料理とか保育士的ななんかが付くように思いを込めてやろう。
なぜか、そんなことができるような気がする。
――できます。ユニークスキル【クロスランド】を獲得したことで、以前よりは 自分の持っている技能やスキルで影響を齎す(もたらす)ことができるようになりました。
やっぱりだー。それなら。
「よし!じゃあ、まずは名前を付けるぞ!話はそれからだ。」
「「「おおお!」」」
「男、女、女でいいか?」
「結構でございます。」
ソラとココアがいないから、キラキラネームじゃなくてもいいような気はするんだけど、あとでガッカリされてもなー。やっぱりキラキラか。
「お前はショーン。お前はアゲハ。お前はイロハだ。」
3人が淡く光り 覚醒した。
【鑑定】
名前: ショーン
年齢: 3018
種族: 悪魔族(悪魔貴公子)
加護: 佐藤太郎の加護
状態: 普通
性別: 男
レベル:23
HP 3222/3222 MP:3010/3010
攻撃力:2260 防御力:2158 素早さ:2356
魔法: 火(4)・闇(2)・召喚(5)・転送(1)・空間(2)・精神(5)
技能: 剣(5)・槍(5)・弓(3)・回避(6)・遮断(7)・料理(3)・採集(3)・錬金(1)解体(3)・研究(1)・保育(0)
耐性: 熱・毒・麻痺
スキル:【鑑定】3【再生】6【収納】3【魔眼】4【変身】1
ユニークスキル:なし
称号: なし
従者: なし
名前: アゲハ
年齢: 2687
種族: 悪魔族(悪魔侯爵)
加護: 佐藤太郎の加護
状態: 普通
性別: 女
レベル:20
HP 2874/2874 MP:2980/2980
攻撃力:1874 防御力:1640 素早さ:2424
魔法: 火(4)・水(2)・闇(5)・召喚(2)・転送(1)・精神(2)
技能: 剣(4)・槍(6)・弓(5)・回避(6)・遮断(7)・料理(3)・採集(3)・錬金(1)解体(3)・保育(0)
耐性: 熱・毒・麻痺
スキル:【鑑定】3【再生】4【収納】2【魔眼】4【変身】1
ユニークスキル:なし
称号: なし
従者: なし
名前: イロハ
年齢: 2118
種族: 悪魔族(悪魔侯爵)
加護: 佐藤太郎の加護
状態: 普通
性別: 女
レベル:23
HP 2724/2724 MP:3430/3430
攻撃力:2260 防御力:2158 素早さ:2356
魔法: 火(3)・水(6)・土(3)・風(5)闇(7)・召喚(5)・転送(1)・精神(2)
技能: 剣(5)・槍(2)・弓(8)・回避(5)・遮断(9)・料理(3)・採集(3)・錬金(1)解体(3)・保育(0)
耐性: 熱・毒・麻痺
スキル:【鑑定】3【再生】3【収納】2【魔眼】4【変身】1
ユニークスキル:なし
称号: なし
従者: なし
おお、やった!全員に料理と解体が付いた。
保育ってやっぱり悪魔には無理があったかな?(0)だし。
「それで!だ。絶対に守ってもらうことを言うぞ!」
「「「はは、なんなりと!」」」
「私には、従者がこのノアの他に3人いる。この者たちはお前らの先輩だから、逆らってはダメだぞ。それと、仲間内では戦闘禁止。もちろん殺し合いは含まれてるぞ。」
真剣に聞いてるな。
「人間も殺してはダメだ。傷付けてもダメ。」
なに残念そうな顔をしてんだよー
「私から離れる時は、必ず報告して許可を貰う。」
面倒だが管理しておかないと、こいつら色々仕出かしそうで、後の方が怖いからな。
「私達は人間の町に居ることも多い。その時は人間の姿になっていること。」
あと何か無かったかなぁ。
「あとは今、思いつかないから、もしあったらその時に追加する。わかったな!」
「「「かしこまりました。」」」
従者になってしまったからしょうがないが、キチンと管理しておかないと 後で私が困るからな。
名前: 佐藤 太郎
年齢: 18
種族: 人族
加護: なし
状態: 普通
性別: 男
レベル:63
HP 7512/7512 MP:7301/7301
攻撃力:8680 防御力:7870 素早さ:7131
魔法: 火(8)・水(8)・土(7)・風(7)・氷(2)・雷(2)・闇(2)・光(2)・召喚(5)・転送(4)・
技能: 刀(5)・剣(4)・槍(2)・弓(2)・料理(7)・採集(3)・解体(6)・回避(6)・遮断(4)・錬成(9)・研究(7)
耐性: 熱・風・木・水・雷・身体異常
スキル:【亜空間収納】Max【複製】Max【変身】8【無限再生】2【痛覚無効】Max【思考倍速】3【悪魔召喚】1【MP消費減】1
ユニークスキル:【那由多】【盗む】【クロスランド】
称号: 東の国の冒険者
従者: ソラ・ココア・ノア・ミルキー(アトム・ドレミ)・ショーン・アゲハ・イロハ
従者に付いてしまってるわぁ
「そこで、ちょっと相談がある。」
「なんでしょうか。」
「相談と言っても命令なんだが、まずはこの魔物の山を解体する。肉と素材と魔石に分けて収納する。うちは、料理と解体は必須だからな。」
「「「はっ。」」」
「お前らの収納って、どれぐらいできるんだ?」
「この魔物の山の5倍ぐらいです。」
「問題ないな。じゃあ、それと、この森にもう一つ力の大きな力の魔物が居るみたいだ。そいつを退治して来い。そして、ロンレーンの町まで来たら連絡してくれ。もう私と念話ができるようになってるはずだ。」
「わかりました。もちろんそれも解体でよろしいでしょうか?」
「できれば頼む。大丈夫だとは思うが、魔物の破損の気を使い過ぎて負けるような事にはなるなよ。」
「ご心配、ありがたく。」
「町に来るときは、人間に変身してくるんだぞ!」
「心得ております。」
「私達は、このまま町に戻るから、ロンレーンの町で待っている。」
本当は、ダンジョンの最深部の様子も見てきてほしいが、こいつらの事を知ってる奴もいるかもしれないしな、召喚された場所だし。今回は辞めておこう。
私は簡易家を収納し、ノアと魔法陣に入った。
結界は一つずつ【那由多】が解析していき、解除した。ついでに結界も覚えると思ったが、すでに覚えていたようだ。私には常に自動で【那由多】が結界を張っていたそうだ。
知らなかったし。確かに初めの方で、自動でサポートとか言ってたけどね。
ちょっと足しました。




