表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/217

第42話 ダンジョン

家を出し、軽く食事にする。

「どうするかぁ。」

「何がですか?主様?」

「皆の疲れ具合を見る限り、全然疲れてないように見えるよね?」

「はい、私はまったく疲れておりませんが。」


アラハンだったら、絶対におかしいです!って言いそうだ。

「でね、このままダンジョンに入ってしまうか、今日はここで一泊するか考えているんだ。」

「ここで時間を取る理由がわかりませんが。」

「そうか?」いらないのか?

「タロウ様?私も、もう少し武器に慣れたいので、できればこのまま進みたいと思いますが。」

「そうか?」そうなのか?

「わらわもぉ、ブラブラしたいわぁ。」

「そうか?」お前もなの?ってダンジョンをブラブラするの?

「うちは、必殺技『参号』を試す―!」

「そう・・・か?」あなたはわかってました。元気だもんね。


この簡易家を改造してから、まだ一泊もしてないんですけど・・・・。

「じゃあ・・・・、行くか。」


念のためステータスを確認すると、全員元気だった。

私の【鑑定】もMaxになっていた。先に【那由多】に統合しておこう。


そのまま私たちはダンジョンに入った。

明かりも無く、真っ暗だったが全員暗闇は問題なく、明かり魔法もいらなかった。

ドレミが使えるようだし、ソラやココアは式具でできるみたいだし、ノアもできそうだった。やっぱり私だけができないみたいだ。火魔法で明るくはできるけどね。


サーチで確認すると、ダンジョンの広さは50メートルぐらいの正方形で、通路は幅3メートルぐらい、たまに広い部屋があり広い部屋には3つのうち1つぐらいの確率で宝箱があった。たまに罠も仕掛けてあった。宝箱は全部アトムに任せた。


ダンジョンの場合は、サーチで魔物だけではなくフロアマップまでできたので迷うことなく階段に辿り着いた。【鑑定】がMaxになって、【那由多】に統合されたのが大きかったかもしれないが、ダンジョンには初めて入るので比較のしようがない。


ワンフロアずつしかサーチできないが、一度サーチしたフロアは【那由多】に記憶されていく。


ワンフロア10分も掛からずクリアしていく。

10階層でフロアボスがいたが、ゴブリンキングだった。魔石も小さなものだった。

比較対象がおかしくなってきているので、一般的には大き目かもしれない。


ここまでの道のりでゴブリンキング以上に強いものはいなかったので、先頭を歩いていたミルキーも「武器の試し切りにもなりません。」だって。

ゴブリンキングでランクCだから、これまでのところランクDも行って無い魔物しか出てきてないしね。


ダンジョン内の魔物は、倒すとダンジョンに吸い込まれるように消えて行く。

たまに魔石だけが残るので、魔石を持っていない魔物は何も残らずに消えるのだろう。

魔石だけが残るようだ。もちろん魔石は回収である。


20階層のフロアボスはオークキングだった。


先頭はずっとミルキーだった。宝箱でアトムに変わるだけで、あとはミルキーになっていた。だって、通路では槍を伸び縮みさせるだけだし、たまに角で出会い頭で魔物に会っても一振りだし、あとの四人は歩いているだけだった。

一度ドレミになった時、「先頭交代ー」って言ったらすぐにミルキーに戻ったし。


次のフロアボスは29階だった。30階では無かった。


フロアボスのリザードキングもミルキーが、見た瞬間に簡単に倒し30階に来て見たが、今までの階層とは一変していた。


階段を降り、30階層に出た途端人間に襲われた。

先頭のミルキーが反射的にやっつけてしまい、いきなり襲ってきた6名のうち5名は瞬殺だった。私の「殺すな!」っていう声が無ければ、全員やっつけてしまってたろう。


それでも経験値は入ってきた。人間でも経験値が入るんだ。

レベルアップ寸前だったんだろう、ミルキーが5人やっつけると私は1つレベルアップをした。

倒された5人はダンジョンに吸い込まれた。やっぱりここもダンジョンなんだ。


残った1人をココアに拘束させ、周囲を確認する。


「なんだこれ?」

30階層は通路も無く大きなワンフロアとなっていて、家が何軒も建っているのだ。

村になっていた。


拘束した男に質問する。

「なんだ ここは?人攫いの本部でいいのか?」

「・・・・・。」

男は黙っている。このやり取りホント面倒臭くなってきた。


「ミルキー操れるか?」

「問題ありません。」と言ってマインドチャームを唱える。


「質問に答えなさい。人攫いの本部なの?」

ミルキーの声に男が答える。

「そうです。」


引き続き私が質問する。

「なぜ我々を襲ってきた?」

「人間だけで降りて来たから。」

「人間だけで降りて来たら敵なのか?」

「そうだ」

「どうやって降りてくればいいんだ?」

「リザードキングと一緒に降りて来る。」

そういうのがあったんだ。もういないからできないけど。


「お前はここで見張りをしていたのか?」

「そうだ。」

「他に見張りは何人いる?」

「もういない。」

この場所にいたのは、これだけだな。


「ここのフロアには何人仲間がいるんだ?」

「80人」

「ボスもいるのか?」

「はい」

「どの建物にいるんだ?」

「あそこの一番大きな家」と指をさす。


ダンジョンなので2階建てにはできないが、横は大きくできる。

平屋の一番大きな家が確認できる。

「ボスの名前は?」

「ケンジ様」

ゴーレムに付いてたな、ケンジの加護。


「そのケンジは強いのか?」

「強くはないが、不思議な力を持っている。」

「どんな力だ?」

「魔物を仲間にできる。」

おお?つながったか?


「レッドワイバーンも仲間にしているのか?」

「してる。」

「他にはどんな魔物を仲間にしているんだ?」

「ゴーレムとゴブリンキングとオークキングとリザードキングとオーガロード。」

フロアボスじゃねーか。ミルキーが瞬殺するから【鑑定】できなかったよ。


「レッドワイバーンとオーガロードは今どこにいる。」

「どちらもボスの家の中。」

護衛にしているんだな。


「ここには攫ってきた人達はいるのか?」

「いる。」

「どこに何人ぐらいいるんだ?」

「ボスの隣の家に70人いる。」

ノーライザで解放した分と合わせて100人ぐらいか。


「お前たちは人を攫って何をしようとしてたんだ?」

「知らない。」

「ボスはなぜ人を攫って来させるんだ?」

「知らない。」

子分には目的を知らせてないようだな。


「ここに強い人間はいるのか?」

「1人いる。」

「そいつはどこにいる?」

「ボスの家にいる。」

「剣士か?魔法使いか?何が強いんだ?」

「凄腕の剣士」

「冒険者ランクでは、どれぐらいだ?」

「B」

問題なさそうだが、凄腕っていうぐらいだから少しは警戒が必要か。

情報としてはこれぐらいでいいだろう。後はボスに聞くか。


「ボスの家に見張りはいるのか?」

「いない。」


「お前は、ボスの家には入れるのか?」

「入れる。」

「では、案内してもらおう。皆行くぞ。」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ