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第37話 相性度

まだ夕食には早いが、私とココアは宿に戻った。

今後の予定を話し合いたいので、皆が帰ってくるまでに整理しておこうと思った。

ココアには魔法書でも見てもらって、相談したい時に声を掛けるからと、私は黙って今までの事を整理する。


元の世界に帰るというのは、今は置いておこう。

帰りたいかどうかの答えもまだ出ていないし、今は他にするべきことがある。


ミルキーの言っていた、冥界の王や勇者についても、まだ聞いてないから後回しだ。


依頼の件を整理しよう。

1.ヴァルカン山の件は終わった。

2.サントスの森の件も終わった。

3.しかし、ここでレッドワイバーンという別件が出てきた。

4.ノーライザの町での人攫いの件で本部が東の森にあることが分かった。場所もわかっている。

5.3番目の依頼も同じ地域の話だ。もしかしたら繋がっているかもしれないと思ったから、一旦ロンレーンに戻って体制を整えている。皆にはこの辺の話をして、意見を聞こうと思っている。

6.レッドワイバーンとそれを操っているかもしれない人間について。

7.操っているんならその操っている方法。


もう少し情報が欲しいんだが、どこで手に入るものか・・・。

そういえばギルマスが、東の森の祠と石碑について少し知っている事を言ってたなぁ。

情報は少しでも欲しいし、明日会うことにもなっているからついでに聞いてみるか。


あとは・・・、戦闘だな。

皆の力からすると特には問題は無いんだが、ミルキーを倒した時にも思ったんだけど、私の【鑑定】ではHPやMPを確認できない。ちょっと不便だ。


――【鑑定】を【那由多】に統合することで可能です。

(そうなの?じゃあ やってくれよ。)

――ただ、現在【鑑定】のレベルが9ですので、今の状態で統合すると 全部が見れません。統合してしまう、そこからレベルが上がることができません。

(何が見れないの?)

――【相性度】です。

(なにそれ?【仲間】にできる確率とか?)

――それは【仲間】の熟練度がMaxになり、【那由多】に統合されれば、仲間にする確立が見れますし、熟練度が上がった状態で統合するほど、仲間になる確率は上がります。別の理由からも現在の熟練度ではお勧めしません。

(やっぱり熟練度Maxになってからだろうな。じゃあ、【相性度】とは?)

――【相性度】とは、仲間にした魔物がどれだけ懐いているかわかります。懐けば懐くほど命令を聞きます。それと・・・

(仲間にした魔物って4人いるけど、全員言うことはすごく聞いてくれていると思うけど。)

――名付けによって、懐き度はMaxになります。

(じゃあ、いらねぇじゃん!名前ぐらい付けてやるよ!まだキラキラネームで知っているものもあるし。どのぐらい仲間にするのかも決めてないけど。)

――無限にできます。

(そうなんだ。)

――【相性度】の説明はまだ続きがあります。

ん?まだあるの?

――【鑑定】と【仲間】をMaxにして【那由多】に統合されると 仲間にした魔物と魔物を掛け合わし、どんな魔物ができるのかわかります。

(ええ?魔物ブリーダーみたいなことができるんだ。どっかの青い髪したワ○ダーランド的な?でも掛け合わせて、例えばノアと別れるって事になるのも嫌だなぁ。)

――掛け合わせた【親】に当たるものと別れることはありません。

(へぇ、こっちの方が優秀じゃん!いいこと教えてもらったなぁ。)


【鑑定】は解体前に結構な数の魔物を鑑定したからもう少しでMaxだし、【仲間】は まだ6かぁ。もう少し仲間も増やすか。でも、そんなに大勢で移動って大変じゃない?

村とかできそうじゃん。魔物村ってか?


「主様?もう皆揃いましたので、食事にしようかと思いますが、如何いたします?」

まだ思案している私にココアが声を掛けてくれる。


最後は主旨が変わっていたが、どっちみちまだ情報が足らないんだ。

夕食の後に、皆で話し合ってみよう。


「先に食事にしよう。」

夕食後、風呂にも入り全員が揃ったところで、話し合いを始めることにする。


「今後の予定だけど、明日はギルドに寄るとして、4~5日はこの町から動けないんだ。簡易家を改造するのにそれぐらい掛かるらしい。」

「すごいんですよ、私も一緒に行きましたが部屋の中の空間が3~4倍にも広くなるんです。」

ココアは自慢げに言っていたが、他の者はピンと来ないらしい。見ればわかるから、そこは掘り下げずに続ける。


「前に、ソラとココアとでギルマスから聞いた話があって、それを調べるために図書館にでも行こうかと思っている。この町に図書館があればだけどね。この町のことはまだ半分も知らないし、この国とか他の国の事なんかも知らない。それを調べようと思っている。」

ココア以外、みんな図書館には興味が無さそうだ。

ミルキーぐらいは乗ってくれるかと思ったんだが・・・。


「タロウ様?この国の名前は【ダムダライド王国】と言うそうで、10の町からできているようですよ。」

「な、なんで知ってんの?」

「それは、わらわも知っていますわよぉ。他にダンジョンの情報も聞いていますわぁ。話を聞けば聞くほど、楽し気なところのようでぇ、魔物をたくさん排除するほど良い物が手に入るそうですわぁ。我が主ぃ、行ってみませんことぉ?」

「な、なんでそんなことを知ってんだ?」

「私は今日、鍛冶屋さんがいろんなことを教えてくれました。武器の事の話が終わって帰ろうとすると別の話を。また帰ろうとすると別の話をと。なかなか帰らせてもらえませんでした。武器の話より、周辺国の情勢や地域の特産物や国内の勢力図なんかの事が詳しくなりました。」


あの親父ヒマかよ!ミルキーと話がしたくて話題を引き延ばして帰らせなかったんだな。

「わらわはぁ、酒場で聞きましたわぁ」


たしかにノアは何度か酒場に行っていたようだったね。

ノアはあんまり寝る必要が無いため、食事が終わるとだいたい出歩いていた。

竜の酒好き、昔話では定番なんだけど、ノアにも当てはまるのかな?


冒険者が自慢話でもしてノアの気を引くために色んな話をしたんだろうな。

渡している金貨もほとんど使っていないらしいから。


美人って特ダネー。


「じゃあ、聞いた話を教えてくれよ。私もソラもココアもその辺の情報には疎いんだ。」


まずこの大陸はそのまま西の大陸と呼ばれているらしい。

国は大小合わせて7つあって、今いるこの国は3番目に大きな国らしい。名前は【ダムダライド王国】10の町から出来ていて、それぞれの町を領主が存在する。領主はもちろん貴族がなる。公爵・侯爵・伯爵・子爵・男爵の五爵のうち、公爵と侯爵がなれる。

町の中をいくつか区切ってそこを、伯爵・子爵・男爵が収めている。公爵は5000、侯爵は4000、伯爵は3000、子爵は2000、男爵が1000の兵士を所有しており、国家の有事には冒険者ギルドや傭兵ギルドからも駆り出される。こちらは強制ではないそうだ。

町と町をつなぐ街道は、ある程度整備されているが、魔物も多いし地域によってはランクB以上の魔物がいたりするので、一度その町に住みつくと中々移り住まないらしい。

冒険者でも、熟練の冒険者でも無い限りあまり他の町に行ってまで、依頼を受けたりはしないそうだ。


ダンジョンに関しては、この国にも5つのダンジョンがあって、そのうちの一つは町の外にあるらしい。それは珍しいことで、大抵は町の中というよりは、ダンジョンがあるところに町ができるらしい。まず冒険者が集まって来る。そうすると道具屋ができ、食堂ができ、宿屋、鍛冶屋などできていき町になる場合が多いそうだ。

その話の中にあった町の外にあるダンジョンは、今回の目的の東の森の奥にあるってことだった。


色々と情報を知ってるねぇ。図書館に行く手間が省けたわ。祠や石碑については調べなくてはいけないだろうけど、それでもこの情報はありがたい。

鍛冶屋の親父、どんだけミルキーとしゃべりたかったんだ?



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