第26話 ノア
「では、名前を付けるぞ!」
「お願いする。」
「お前の名前は・・・・」
女だよな、またキラキラか?ソラとココアを見ると目がキラキラ期待満載の目をしている。
わかったよ、キラキラネームだね。あるよ。
「ノアだ!」
「かしこまりました、我が主よ。これよりわらわはノアと名乗り、貴方様の盾となり鉾となって仕えることを誓いましょうぞー」
ピカッ!ドッガーーーン!と落雷一発!ノアの後ろに落ちた。
私の額も光っていた。
名前: ノア
年齢: 821
種族: 竜族(神龍)
加護: 佐藤 太郎の加護
状態: 普通
性別: 女
レベル:41
魔法: 火(6)・水(3)・土(3)・雷(9)・神聖(1)
技能: 牙Max・翼Max・剣(1)・槍(3)・ブレス(6)・料理(2)・遮断(1)・回避(1)
耐性: 熱・風・木・水・雷・
スキル:【変身】4【痛覚無効】6【超高速移動】1
ユニークスキル: なし
称号: ヴァルカン山の主
加護、付いてるな。これで話せる相手ができた、ような気がする。
竜だし、800歳超えてるし、大丈夫だろ?
名付けで力が上がった時に、翼の傷も癒えていた。身体の色も赤から白っぽいに変わっている。大きさも一回り大きくなり、10メートル近くになっていた。
火竜から神龍に変わってるし。神聖魔法ってなんだ?
一度山の麓まで戻り、家を出して昼食をとることにする。
「ノア、お前のできることを聞いておきたい。」
「なんでございましょうかぁ。」
「翼がMaxになったことで【超高速移動】ができるようになってるな。
どのぐらい早く飛べるんだ?」
「まだやったことがないのでわかりませんがぁ、おそらくこの山脈なら端から端までなら1時間もかからないかと思いますわぁ。」
早いなぁ、私が走るより早いんじゃないか?空を飛ぶのだから障害物もないし、真っすぐ行けるからっていうのもあるだろうな。
「私を乗せても飛べるか?」
「問題ありませんわぁ。」
こいつ、こんなしゃべり方だったっけ?
「もう一つは変身だ。何に変身できるんだ?」
「わらわが変身できるのはぁ、人と馬に変身できますわぁ。」
「ほぉ、じゃあ人になってみてくれ。」
ノアが淡く光ると その大きな巨体が見る見る縮んで行き、私より少し小さいぐらいで止まった。私が175センチあるので、165センチぐらいだろうか。
チャイナドレスを着た姿で、髪の毛は真っ黒だが、ソラのように一部白い一筋のメッシュになっている。そういえばソラの奴、尻尾が5本になったと言ったあたりからメッシュが2筋になってたんだよね。
腰は括れ、胸はソラより大きい。ナイスバディだ。
歳も25歳ぐらいな感じで、町を歩けば絶対に誰もが振り向くような美人だ。
もう少し歳を食ってれば、間違いなく私のストライクゾーンだ。
だが、残念ながらちょっと若い。私は元50歳だから、半分の歳の女はストライクゾーンには入らない。せめてアラフォー以上なら・・・・。
だが、私の目的は他にある。話し相手になるかどうかだ。
次のケルベロス戦に期待だな。
変身ができるってことは服も変えれるだろうから、ソラやココアのように変更してもらった。美人傭兵って感じになった。美形はいいね、何を着ても似合うから。男でも女でも。
私はパンツごときで悩んでましたよ。はい、一喜一憂してましたー
ノアの能力を確認する上でも、ケルベロスがいるというこの山脈の一番西に向かって私たち3人を乗せて飛んでいる。
さすがに大きいな、でもこれ以上の人数になると飛ぶのに邪魔になりそうだ。
ソラもココアも小柄だからいいが、二人ぐらいまでが良さそうだ。
ゆっくり飛んでもらった割には、日が暮れる前には鉱山に着いていた。
更に西側のはるか向こうには海が見えていた。
「さすがに早いもんだなぁ、飛べるっていいなぁ。」
「喜んでいただいて良かったですわぁ」
「ほんと気持よかったよねー」
「むむむ、私も負けません。」
負けませんってなんだよ。ココアさんは飛べませんから。
「じゃあ、今日はこの辺に家を出して休もうか。」
家を出し、固定し結界を施してもらい食事にする。
「昨日はココアに作ってもらったから、今日は私の番だな。」
「いいえ、今日も私が作って差し上げます。」
「最初からの取り決めだし、私がやるよ。ノアは料理ができるのか?」
「加護をいただいた時に少しはできるようになりましたわぁ。」
「そうか、じゃあ今日は私を少し手伝ってもらって覚えてもらおうか。」
「かしこまりましたわぁ。」
食事中ノアに、最近村や町を襲っていることを問いただすと、そんな覚えは無いという。
私たちが来たのも、最近火竜があの辺りで村や町を襲っているからだと言っても、そんなことはしていないと言う。魔物も活発化とは言い難かったし・・・。
何か妙だ、パズルのピースが足らないような違和感がある。
ケルベロス問題が終わったら、もう一度ノアのいたところに行ってみようか。
さっきココアが使ったものが式具だとわかり、ノアが「私にも何かくださいませぇ」と、あまりにもせがむので、チャイナドレスのイメージから扇子を渡してやった。
ノアは「私に相応しい式具ですわぁ。」と非常に喜んでいたが、扇子ですから。ココアがすごく羨ましそうにしていた。




